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Telltale Gamesが開発を手掛け、スクウェア・エニックスが国内販売を担当する『ウォーキング・デッド シーズン 2』。日本上陸が6月30日に決まり、前作のファンはもちろん、原作やドラマ版のファンからも注目がよせられています。本記事では、そんな本作をプレイする前に知っておきたい10項目をピックアップ。概要やゲームとしての特徴などをひとつずつ紹介していきます。
1.開発元Telltale Gamesとは
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本作を開発したTelltale Gamesは、2004年に設立されたアメリカのゲームデベロッパー。アドベンチャーゲームを主に制作しており、「ジュラシック・パーク」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を始めとする実写映像作品のほか、『Borderlands』『マインクラフト』といった他社ゲーム作品などを、独特のグラフィックと印象的なストーリーで綴る実力派です。現在は、人気アメコミ「バットマン」のゲーム化タイトルも手掛けており、その勢いはとどまることを知りません。
2.原作コミック/ドラマとの関連性
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「ウォーキング・デッド」の名を世に知らしめたAMCドラマ版と今作の気になる関連性ですが、ゲーム版は独自のキャラクターたちが登場するオリジナルストーリーであるため、厳密にはありません。ただし、原作コミックと世界観を共有しており、原作者ロバート・カークマンも制作に参加。グレンやハーシェルといった原作/ドラマでお馴染みのキャラクターも本編に登場します。なお、ゲーム版シーズン1における最初の時間軸は、原作の主人公リックが昏睡状態の時に設定されています。
3.海外で高評価を得ている
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本作は、ド派手で超美麗グラフィックなAAAゲームではありませんが、その優れたストーリーテリングの手腕から海外でも高く評価されています。シーズン1にあたる『ウォーキング・デッド』のPS3版メタスコアは94点(Xbox 360版92点、PC版89点)で、『ウォーキング・デッド シーズン 2』はPS4版が82点(PC版80点、他機種は平均無し)とメディアから好評。また、エピソードごとのスコアを見ても、ほぼすべてのエピソードが80点以上を獲得しています。さらに、Steamでは、『シーズン1』『シーズン2』ともに「圧倒的に好評」と、ユーザーからも支持されているようです。
4.数多くのゲームアワードを受賞
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高い評価を裏付けているのは、なにも「点数」だけではありません。公式サイトによると、『シーズン1』は実に90以上のゲームアワードを受賞しており、年末ゲームイベントThe Game Awards(TGA)の前身Spike Video Game Awards 2012においては、並み居る名作を抑えて、ゲームオブザイヤー含む5部門を受賞。British Academy Games Awards 2013ではベストストーリー賞を獲得しており、各メディアが選ぶゲームアワードにおいても、様々な賞を勝ち取っています。
5. アドベンチャーながら時には迅速な行動も求められる
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シーズン1最序盤での1シーン。後ろに座っているのが主人公リー。
『シーズン1』の主人公は、とある事情で警察に護送されている元大学教授、リー・エヴェレット。プレイヤーは作中で出会った少女クレメンタインとともに、「ウォーカー(本作におけるゾンビの総称)」が蔓延る世界を生き延びていきます。本記事で何度か触れたように本作はアドベンチャーゲームではありますが、一部のアクションシーンでは、迅速な行動が求められることもあり、緊迫感溢れるゲーム体験が可能です。とはいえ基本は、ステージ内を探索してアイテムを獲得したり、キャラクターたちと会話するのがメインシステムとなります。
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会話は選択式で進行する。選んだものによっては物語が劇的に変わることも。
6.死にも直結する「選択」を迫られる
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選択の一例。のちに影響を及ぼし、中には生死にかかわるものも
今作最大のキモとなるのは、後戻りできない「選択」システムにあります。各エピソードには重要な選択を強いられるシーンが多数あり、場合によっては「キャラクターの死」に直結する場合がありますが、選べるのはどちらか片方だけ。プレイヤーの選択がのちのエピソードに影響を与えることもあり、選択した結果がわかるようになるまで時間を要することもあります。予測不能なストーリーを生き抜いていくために、しっかりと考えてから答えを出すのが重要になるでしょう。
7.原作並みのバイオレンス表現
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一瞬の油断が死を招く。落ち着いて、かつ確実に行動しよう
CERO:Z指定タイトルとなる『ウォーキング・デッド』では、原作コミック/ドラマに引けを取らないバイオレンス表現が盛り込まれています。見た目からしてグロテスクな「ウォーカー」は当然ながら、その「ウォーカー」の餌食になる人々、敵意を持った人間との戦闘など、様々なシーンでバイオレンスな表現を見られるはず。カートゥーン調のグラフィックではあるものの、世界観に違わぬ容赦のない描写は、プレイヤーをゲームの中へと引き込んでいきます。
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8.登場人物は、皆がバックボーンと主張を持つ
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今作に登場するキャラクターには、ほぼ全員に名前がついており、モブはあまり出てきません。それぞれに性格とバックストーリーがあって、自分の主張を持っています。それは、別の生存者コミュニティや、主人公たちと対立する敵グループも同様です。作品の主軸はあくまでリーとクレメンタインですが、おもわず、味方、あるいは敵のキャラクターに感情移入してしまうこともあるかもしれません。
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9.少女クレメンタインはシリーズを通して成長する
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主人公リーが『シーズン1』序盤で出会う、くせっ毛が特徴的な少女クレメンタイン。初登場時8歳の彼女は当初、自分を置いて出かけていた両親を探すために同行していましたが、行く先々でウォーカーとの戦闘、仲間との別れなど、過酷な体験をしていきます。『シーズン2』で主人公となるクレメンタインは以前よりも増して様々な事態に巻き込まれていきますが、シリーズを通して強くなっていく「成長」の面も今作の見所に数えられるでしょう。
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シーズン1では、赤の他人だったリーとクレメンタインの絆も描かれる
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10.シリーズは今後も続いていく
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シーズン3
幾度もの劇的な物語を経て、現在Telltale Gamesは『ウォーキング・デッド シーズン3』を海外向けに制作中。『シーズン1』から数年が経過し、ローティーンとなったクレメンタインが引き続き主人公になるほか、新キャラクターJavierも操作キャラになることが判明済みです。また、国内での発売は未定ですが、海外で発売中のスピンオフタイトル『The Walking Dead: Michonne - A Telltale Miniseries』では、女剣士ミショーンを主人公に据えて、彼女の過去が描かれます。終わらない「TWD」の世界はまだまだ広がりを見せ続けていくようです。
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スピンオフミニシリーズ『The Walking Dead: Michonne』
「ウォーキング・デッド」ファンとしては、単なる焼き直しではなく、オリジナルストーリーが描かれるのが嬉しいところです。原作者も制作に参加しているとあって、その体験は濃密。原作コミックやドラマと遜色ない体験が得られるでしょう。また、『シーズン1』向けのDLC「400 Days」は『シーズン2』へと続く要素も入っているので、そちらをプレイしてからでも遅くはありません。
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シーズン1向けDLC「400 Days」
『ウォーキング・デッド シーズン 2』は国内で、PS3/PS4/PS Vitaを対象に6月30日発売予定。価格は、PS3/PS4パッケージ版が5,800円、同ダウンロード版が4,800円で、PS Vitaパッケージ版が4,800円、同ダウンロード版が3,800円(いずれも税抜き)です。
また、7月14日までの期間限定で、PS4版のダウンロード版に限りシーズン1単体が1,300円で、シーズン1&2を2本まとめたパッケージが5,600円(いずれも税抜き)で購入できるキャンペーンを実施中です。
(※セーブデータの引き継ぎは、同一ハードのみ。異なるハードでは引き継ぎができないのでご注意ください)