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9月末にリリースされたElectronic Artsのスポーツゲーム最新作『FIFA 17』。ストーリーモードで現れるTwitter風の架空SNSの、あるアカウントとハンドル名が、なんと現実のTwitterにあるものと一致してしまい、騒動を引き起こしてしまったようです。
架空の選手となってキャリアを積んでいく『FIFA 17』のストーリーモード。その中にはTwitter風の架空SNSを通じてのファンとの交流が含まれています。問題はこの架空SNSの、ハンドルネーム“Calvin Wong”、アカウント名“@CalWong”とされたアカウントが、現実のTwitterにあるものと名称が一致してしまったことから始まります。現実のTwitterにて同アカウントを利用中の、カートゥーンネットワークでディレクターをしているというCalvin氏は、外部からの指摘で事態に気付き、怒りのあまりか口汚い文面で、Twitterを通じてEAに自身の名称をゲーム内から削除するように要請しました。
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しかし、この行動が「ゲームにケチをつけられた」と感じた一部のゲーマーからの不興を買い、彼に対し幾つもの心無い、人種差別的な内容を含む攻撃が行われてしまう結果へと発展。EAから正式に該当の名称をパッチにより削除するという告知がなされるまでの数日間、氏は数々の誹謗中傷に晒されたままとなってしまいました。騒動は告知により一旦の収束を見せましたが、Calvin氏はEAに対し、パッチ対応には感謝するものの、その数日の間、誹謗中傷を傍観していたとも感じられるEAの対応の不備を指摘し、受けた人種差別などへの賠償として1000ドルを人権団体へと寄付するようにと提言しています。
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氏はまた、英Kotakuへのメールにて、「我々がキャラクターを作る際はそれが問題ないかチェックするが、馬鹿げたことにEAには誰も“@CalWong”のIDが実在しているか検索する賢い人間がいなかった」としEAを強く非難しているようです。これに対し、EAはこれも英Kotakuへのメールにて、氏のIDと名前を使用したのは「偶然であった」とし、お詫びを述べるとともに、可能な限り早く氏の名前をゲーム内から取り除くように作業を行っているとしています。
様々なゲーム内でリアルなSNS風の演出が散見される昨今、本件は事前チェックの重要性を感じさせる1件になるのかも知れません。