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2017年11月12日に秋葉原にて開催された「デジゲー博2017」。同イベントでは様々なブースが出展していました。本記事ではその中でも気になったブースを幾つかご紹介していきます。
◆ ONION software「Hot Soup Processor」
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Windows/Linux/iOS/Android向けインタープリター型言語「HSP(Hot Soup Processor)」を長年に渡って展開するONION softwareでは、同言語によって作成された様々なゲームが展示されていました。
同サークル代表のおにたま氏によれば、『コープスパーティー ブラッドカバー』を始めとして、まだ未公開のものも含めて様々な「HSP」製のゲームが近年Steamへと次々進出しているとのこと。
例えば、「HSPプログラムコンテスト2016」にて“株式会社アクティブゲーミングメディア PLAYISM賞”を受賞した、作り込まれた美しいドット絵と、文字通り”箱庭“感溢れる画作りが魅力のアクションRPG『箱庭えくすぷろーら』も、追加要素を実装したSteam版がリリースされる予定となっています。
おにたま氏の方でも、こういった「HSP」製ゲームのSteam進出を受けて「HSP」にもSteam関連の機能に対応するための何らかの仕組みをオフィシャルとして搭載することを検討中であるとのことです。
また、同ブースには2017年10月31日まで行われた「HSPプログラムコンテスト2017」について、受賞作品発表の前日に行われる、投稿作品紹介番組の告知もありました。同番組は2017年11月30日午後20:00より公式生放送チャンネルにて配信予定となっています。
余談ながら、同ブースには「HSP」の参考書が置かれていたのですが、その最新版「HSPでつくるはじめてのプログラミング HSP3.5+3Dish入門」が2017年11月下旬に発売予定とのこと。今回発売となるこの本、実はイラスト担当に往年の美少女ダンジョンRPG『カオスエンジェルズ』のY人氏を迎え、懐かし国産パソコンゲーム誌「テクノポリス」のソフトウェア制作講座を思い起こさせる布陣で展開する模様。前述の2つの単語に“ピンとくる”読者の方は触れてみるのも良いかも知れません。
「HSP」公式サイト
◆ Playism『VA-11 HALL-A』、『2064: Read Only Memories』、『CroixleurΣ(クロワルール・シグマ)』
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「デジゲー博2017」のPlayismブースでは、ついに2017年11月16日にPS Vita版の発売とPC日本語版アップデートを控えたサイバーパンクバーテンダーADV『VA-11 HALL-A』と、これまたオールドPC風味の、PC/PS4向けSFADV『2064: Read Only Memories』がいずれも日本語版のプレイアブルな状態で展示。また、3Dアクション『CroixleurΣ(クロワルール・シグマ)』ニンテンドースイッチ版も展示されていました。
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『VA-11 HALL-A』については、先日まで行われていたイラストコンテストの受賞作品を印刷したポストカードが配布。また、2017年12月3日まで秋葉原で実施中の、同作に登場するカクテル「シュガーラッシュ」をイメージしたカクテルが登場する『VA-11 HALL-A』コラボバーの情報を記した秋葉原マップも配られていました。
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『VA-11 HALL-A』公式サイト
『2064: Read Only Memories』公式サイト
『CroixleurΣ』公式サイト
◆ 紙パレット『ジラフとアンニカ』
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紙パレットブースでは、先日のTGS2017や、その他国内のインディーゲームイベントでも多くの注目を集めていた、Unreal Engine 4使用の3Dアドベンチャー『ジラフとアンニカ』が展示されていました。
同作は3D空間を歩き回って物語を進めるアドベンチャーパートと、リズムアクションが展開するミニゲームパートで構成されるアドベンチャーゲーム。可愛らしいその世界観やキャラクターと、それを十分に発揮する、Unreal Engine 4を利用した完成度の高いビジュアルが魅力となっています。また、リズムアクションパートの曲調にも様々な工夫が凝らされているようです。
サークル代表者の話によると、プレイアブル展示のデモそのものは以前から変化ないものの、2018年末のリリースを目指して、開発自体は順調に進行しているとのことでした。
『ジラフとアンニカ』公式サイト
◆ スカシウマラボ『サムライ地獄~九天魔城の謎~』
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スカシウマラボで展示されていた『サムライ地獄~九天魔城の謎~』は和風の世界観で展開するターン制のハクスラRPG。ルール的には非常に本来の意味でのローグライクに近い印象を受けるゲームですが、本作はいわゆる“ローグライト”ではなく、素材などを集めながら装備を整え、キャラクターを次々強化していくことがメインの流れに組み込まれている“ハックアンドスラッシュ”型のRPGです。
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プレイヤーは4キャラの中から、使用キャラを選択、様々な妖怪ひしめく城内を探検していくことになります。なお、このタイプのゲームとしては珍しく、マルチプレイにも対応予定で、最大4人まで同時に冒険を楽しむことが可能となっています。
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ランダム生成による何度もプレイできるマップなどは、アイテム作成用素材収集マップとして実装予定で、アイテムへのランダムな性能付与による、いわゆるトレジャーハンティング要素も検討中とのことです。
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展示のバージョンでも、マルチプレイを含めてゲームの根幹部分は完成しており、十分遊ぶことができた本作。しかしながら様々な仕様について固まっておらず、開発度についてはまだ具体的な発売予定を出せない程度であるという話ですが、現時点でも中々ユニークなタイトルとなっており、是非完成まで到達して欲しい所です。
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『サムライ地獄~九天魔城の謎~』は、Steam/iOS/Android向けに2018年前半に発売予定です。なお、スカシウマラボでは以前に幾つかのモバイル向けアプリを制作しており、今回のはそのうちの一作である、クリッカー系スマホゲームアプリ『サムライ地獄』の世界観を発展させたものであるとのこと。リリース自体もモバイル版が先となる可能性に触れていました。
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開発者“takaoka(寺岡)”氏Twitter
開発者”ハフハフ・おでーん”氏Twitter
◆ ウラクラスタ『Extrival』
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ウラクラスタブースで展示されていたのはPC向け格闘アクション『Extrival』。サークルの話によれば、最大4人まで対戦可能な本作は、対戦格闘ゲームと『スマブラ』を組み合わせたようなタイトルとして開発されているとのこと。
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2019年の完成予定ながら、試遊した限り、現在の時点でもしっかりとした挙動となっており、完成した際には中々楽しめそうなタイトルに仕上がっている印象でした。
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『Extrival』公式サイト
◆ VeLTiNA Soft『WishDragon+』、『Pandoraid』
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VeLTiNA Softブースでは、2018年以降にSteamにて配信予定のレトロ風RPG『WishDragon+』が展示されていました。同作は見ての通り、ドット絵を含めて1980年代のオールドな時代のJRPGのスタイルで展開するRPG。プレイヤーは幾人ものキャラの中から4人を選択、冒険の旅へと繰り出していくことになります。選択可能なキャラの中には、コラボとして『LA-MULANA2』、『フェアルーン』、 『Strange Telephone』などからのゲスト出演キャラクターも。
なお、この『WishDragon+』も本記事冒頭で紹介した「HSP」製。他にも同サークルでは、別サークルとの合作として、Unityで制作されたAndroid向けローグライトアクションRPG『Pandoraid』の紹介も行われていました。
VeLTiNA Soft公式Twitter
◆ //commentout『常世ノ塔』
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//commentoutブースでは開発中のローグライトプラットフォーマー『常世ノ塔』の最新バージョンが展示されていました。今回のバージョンではキャラ選択やコレクティブルアイテムの閲覧などが可能な拠点部分が実装されており、より完成形へと近い雰囲気に。なお、各キャラクターは初期に使用可能な魔法が異なる模様です。
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同作は2018年春のリリースが目標。最初にSteamでリリースされ、その後ニンテンドースイッチ、iOSでも発売が予定されています。
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『常世ノ塔』公式サイト
今回「デジゲー博2017」の取材で変化を感じたのはやはり“Steam”。昨年開催で筆者が聞いた限りでは、Steamリリースについては具体的なプランのないサークルが多かったものの、今年はSteam配信を掲げているサークルが大幅に増えた印象を受けました。中には“Steamパブリッシャー募集”を大々的に広告していたサークルもあるなど、大きな変化があったのが見て取れる形となっています。
この変化の背景には、新たなSteamでのゲーム配信手続き「Steam Direct」の開始も一つの要因として挙げられます。別記事として掲載している、上海アリス幻樂団のZUN氏への取材でもありましたが、大幅にSteamへのゲーム配信手順を簡略化した「Steam Direct」の効果は日本においても、いや、言語の壁がある日本だからこそ、より大きかったのかも知れません。
一方、「Steam Direct」の開始に伴い、Steamでのゲームリリース数は2017年内だけでも2017年11月10日までで6,000本を超えており、毎日十数本ほどのゲームがリリースされているという計算になっています。今回の「デジゲー博2017」取材の中でも、本記事未掲載のサークルの中には「先日、自力でSteamでゲームをリリースしたものの、今のところ全く売れていません。まだユーザーレビューも付いておらず、イベントなどでの頒布のほうが遥かに好調でした」と語ってくれたサークルもあり、今のSteamで注目を集める難しさも既に見え隠れしているようです。
より多くのゲームが日本からSteamへとリリースされることが予想される2018年。「デジゲー博」の次回開催はまだ未定ですが、また様変わりした雰囲気を感じられることを期待したい所です。