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2016年の夏に『Final Fantasy XV』に強く影響を受けている作品ということで話題になった、中国人ゲーム開発者Yang Bing氏によるアクションゲーム『Lost Soul Aside』が、PlayStation Experience 2017にて初のプレイアブル展示となりました。良くも悪くも話題を呼んだ本作がどんなゲームに仕上がりつつあるのか、実際にプレイしてきました。
本作の主人公である“KAZER”が『FFXV』の主人公ノクティスにそっくりなのは開発者自身も認めているところ。もともと、個人で開発を行っていたゲームとのことで、好きなゲームの影響が色濃くでてしまったのかもしれません。では、ゲームの中身はいったいどのように仕上がっているのでしょうか。既出のトレーラーなどでは、これまた『FFXV』のシフトに似た回避行動によるアクションが展開していましたが...。
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まず、実際にプレイして気づく『FFXV』との相違点は、本作が純粋なアクションゲームであるということ。試遊デモは、荒野のような広いフィールド(これも『FFXV』の序盤そっくり)に出現する敵を撃破していくというもの。出現する敵は段階的に強くなっており、最終的に大型モンスターのボスが登場するという流れで、操作のチュートリアルとしても段階を踏んでいくので理解しやすいデモとなっていました。
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『Lost Soul Aside』のアクションのコア部分は、言ってしまえば『Devil May Cry』。□での通常攻撃や△で敵を上空に切り上げてのコンボ攻撃などは、まさにといった感じ。しかし、□と×ボタン同時押しによる(瞬間移動的な)回避や△と○ボタン同時押しによる必殺技といったボタンレイアウトは非常に操作しやすく、アクションゲームとしての感触もしっかりとしています。また、敵モンスターを倒したときに血しぶきが広がる演出にはぎょっとさせられます。
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しかし、他のゲームから影響を受けたであろうシステムも、攻略の難易度を上げることで、まったく異なるゲーム性となってました。プレイヤーキャラはスタイリッシュに動けますが、1度に数体現れる敵もかなり機敏に動き、また固いため、常に敵の攻撃を回避しつつ隙をみて攻撃を叩き込まなければいけません。敵の属性によっては、アクションが異なる剣・大剣・ダブルブレードの3種類の武器を切り替えながら戦う必要もでてきます。
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そしてデモ終盤となる、大型モンスターとのボス戦は非常に歯ごたえがあり驚かされました。ボスは巨大ながらも俊敏に動きますが、動きをちゃんと見切りさえすれば隙ができたときに攻撃できるという、いわば『モンハン』や『ダークソウル』に近いフィーリングのアクションに仕上がっています。回避はスタミナ制なので、うまくスタミナを管理しつつ、スタイリッシュに巨大モンスターに攻撃を叩きこむ感覚はなかなか気持ちが良いです。
10分程度の短い体験でしたが、本作のしっかりとしたゲームシステムを知るには十分な時間。人気作品にインスパイアされる部分は多分にありながら、それらの作品の魅力を研究し、またそれぞれの良さを組み合わせることで新しいゲームが生まれるということを思い知らせてくれるデモでした。