Grip Digitalは、Terrible Posture Gamesが手がけるローグライトFPS『MOTHERGUNSHIP』をSteamおよび海外PS4/Xbox Oneにて配信開始しました。本記事では武器製作などユニークなシステムを持つ今作の内容をお届けいたします。
『MOTHERGUNSHIP』は、2014年にTerrible Posture Gamesが手がけたローグライトFPS『Tower of Guns』の実質的な続編となるタイトル。ゲームの実行ファイル名などはそのまま“Tower of Guns 2”となっています。
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今作では世界観を一新。地球を襲うエイリアンの母船“MOTHERGUNSHIP”を撃破するために、各地のエイリアン船を攻略していくバックグラウンドストーリーがコメディー混じりに展開します。
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ゲームはローグライト式。毎回内容が異なる船を、1部屋づつ、左右の手に持った武器を駆使して攻略していくことになります。
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各部屋は一定のポイントに達すると敵が出現し、部屋のトラップも起動するので、むやみやたらと未探索の方向へ移動し続けるのは悪手になることも。様々なランダム効果が付与される部屋や、特殊なチャレンジでボーナスが得られる部屋などがあり、バリエーション豊かな探索を楽しめます。
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『MOTHERGUNSHIP』の大きな特徴は、なんと言っても“武器の製作”。プレイヤーが使用する銃器は、銃本体となる「銃口」、武器の特性を変更する「アタッチメント」、銃口やアタッチメントを接続するための「コネクター」の3種に分かれており、所持するパーツの範囲で自由に銃器を製作できます。
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パーツが許すならば、銃口が何個も付いた奇天烈な武器も簡単に作れます。ユニークなところでは「ノックバック付き連射武器」のノックバックを強化して、ロケットジャンプもかくやの勢いで空中を飛び回るための武器も。射撃するたびに銃弾が勝手に浮かび上がる(沈んでいく)武器など、様々な挙動の武器がその時々に合わせて作り放題です。
ただし、アタッチメントなどを付けていくと武器のエネルギー消費が激しくなり、連続使用時間が非常に短くなるため、注意が必要です。また、各銃口とアタッチメントはレアリティによって性能差も出てきます。
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デモ版やトレイラーなどでは、自在に武器を製作していますが、実際のゲーム中では、プレイヤーはミッションごとに制限数の異なる武器のパーツ数個のみを敵船に持ち込む形式となっています。部屋で手に入るお金を使って、船内に点在するショップでパーツを購入し、左右の手に装備する武器を製作していくことになります。
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ミッションによってはアイテム持ち込みすらできず、指定された初期パーツと途中のショップで手に入った分で攻略していくものも。『MOTHERGUNSHIP』のデスペナルティは“船内に持ち込んだパーツ”なので、持ち込み用のお気に入りパーツは複数確保しておくことをオススメします。
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なお、持ち込むパーツは銃の本体に限らないため、場合によっては強力なアタッチメントのみを持ち込み、銃本体が手に入るまでの初めの数部屋を素手で攻略していくという戦略もアリです。全体的にはデモ版やトレイラーで表現されているような「好き放題に作ったトンデモ銃器で無双」といった形態ではないものの、ローグライトらしい柔軟な戦略が要求される作りとなっています。
各部屋のギミックは『Tower of Guns』から引き続き、様々な弾丸を発射する砲台を中心に、浮遊機雷やトラップなどに敵キャラクターを組み合わせた激しい弾幕が特徴的。本作では周囲を様々に強化するタワーや、ビームなどを備えたロボットなど、見た目や雰囲気のバリエーションも強化されています。
ときどき敵の判別が難しい場面もありますが、全体的に視認性は良好です。敵の体力も非常に高いということもなく、「撃って・走って・飛んで」の分かりやすいゲーム性を存分に楽しむことができます。また、『Tower of Guns』の特徴であった多段空中ジャンプや、オールドFPS顔負けな高速移動、といった操作システムもそのまま。古き良きFPSの空気感もそのままに、大幅にパワーアップしています。
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オールドFPSには付き物の「シークレット部屋」も存在しているため、ゲームを優位に進めるべく探してみるのも良いでしょう。更に本作では、ミッション終了後に経験値を得て、プレイヤーのパワードスーツを強化する成長要素も。レベルアップは初期ジャンプ回数・移動速度・初期最大体力・初期最大エネルギー・エネルギー回復速度・素手威力・シークレット視認範囲・高所からの落下時のスタン軽減・環境ダメージ軽減から選択可能で、プレイヤー拠点で任意に再振り分けもできます。
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そして本作が他のローグライトゲームと大きく異なるのは、“クリアの達成感をこまめに味わわせてくれる”というポイントにあります。『MOTHERGUNSHIP』のローグライト要素はあくまで個々の敵船、ミッションに属しているため、他のローグライト系ゲームのように「ゲーム自体の完全クリアまで駆け抜ける」という形式でなく、個々のステージクリアを通じて、十分な達成感を得られる作り。「ローグライト系はゲームオーバーが前提だし……」と尻込みしてしまうユーザーでも、気軽にプレイできる形です。
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とことんやり込みたいユーザーには、メインストーリーが一定以上進行すると解禁されるエンドレスモードをオススメします。力尽きるか気が済むか、終わりのない戦いに身を投じられます。ゲームクリア後には7ミッションで構成される、何度も繰り返し遊べるミニキャンペーンモードも。
ちなみに、2018年8月にはCo-opモードが実装予定で、複数人で協力してプレイを楽しむこともできるようになります。また、今後も武器のパーツなどを始め、様々なコンテンツの実装が行われる予定です。
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オールドFPSの爽快感を前作以上に手堅くローグライト形式にまとめた本作『MOTHERGUNSHIP』。迷路的な要素はないため、「気軽に大量の敵と弾幕相手にして、撃って撃って撃ちまくりたい」というユーザーには、待望のゲームとも言える一作に仕上がっています。難を挙げるとすれば、大半の場面で自作銃器の作り込みに制限が掛かるところと、銃器を毎回作り直す必要があるところ。他にもメインキャンペーンそのものは短めなのにも注意です。
銃器の作り込みについては、キャンペーンクリア後にパーツロストおよび持ち込み制限無しの「エンドレスサンドボックスモード」も解禁されますが、あくまでエンドレスであり、銃器のセーブ機能はなし。サンドボックス向けの銃器セーブ機能や、ミッション攻略に特化した自由度の高い追加モードの実装にも期待したいところでしょう。
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『MOTHERGUNSHIP』はSteamで2,700円にて配信中。海外PS4/Xbox One向けにも配信されています。