――レイチェルと行動する場面では、公園でカップルからワインを盗むために倒れる演技をするシーンが特に印象的でしたが、あの場面はどう思われましたか?
Kinanさん:あそこは「ちょっと、この子怖い」って思っちゃいました。あのクロエが「えっ」って思うぐらいなので、現実でもそういう子がいたら相当引いちゃうと思います。
ななかさん:まさか演技でダマして盗もうとするとは思わなかったのでビックリしました。
まりかさん:レイチェルは演技しただけで、盗むのはクロエにやらせていたじゃないですか。そこも怖いなって私も驚きました。
Kinanさん:そこは私も思った! こっちの手を汚させるんだって!
――レイチェルはお父さんの浮気現場を目撃してしまって、ああいう行動に走ってしまったわけですが、そうした事情が最初から分かっていたら彼女のあの行動は許容できましたか。
Kinanさん:本来の自分を見失うぐらい、取り乱しちゃうかなとは思います。でも、ドラマでしか見たことないので、ホントにあったらと思うと……分かんないですね、こればっかりは。
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――最後のレイチェルとの会話シーンで、黙りこくっているレイチェルにKinanさんは「何も言わない」を選ばれましたよね。そのあとのレイチェルの告白を聞いた場面では、まりかさんが「何も言わない」、ななかさんが「そっとしておく」と、見事に3人の選択が揃いました。実際に友達から深刻な相談を受けたりしたら、こういった選択をしてしまいますか?
Kinanさん:多分、そうすると思います。その方が本当のことを話してくれるだろうって。私が3つとも選ぶとしても同じ選択をしたと思いますね。
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ななかさん:私も友達がそうなっていたら、何も言わないでおくと思います。それに、その前の場面でレイチェルに話しかけて、激しく拒絶されたじゃないですか。だから、なぐさめたりすると逆に気に障るんじゃないかなと思って「そっとしておく」にしました。
まりかさん:私も同じです。そこで同情とかしても、レイチェルはまた荒れちゃうと思うし。だったら、ただ話を聞いてあげるだけのほうが本当のことが分かるかなって。
――では、あの場面は他の人たちの選択にも共感できた感じですか。
Kinanさん:はい、何も違和感はなかったです(まりかさん、ななかさんもうなづく)。
――エンディングでレイチェルが山火事を起こしてしまうわけですが(※3)、ご自身がクロエの立場だったら皆さんはどうされますか。
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Kinanさん:現実だったら私は逃げちゃうと思います(笑)。罪の意識への怖さもありますし、火が広がっていく恐怖もありますし。「ヤバイよ、何やってんの!」とか言いながら、もう逃げようってなっちゃいますね。
ななかさん:焦りますよね。ライターを貸したのはクロエだったじゃないですか。だから、余計どうしようってなっちゃうと思いますね。
まりかさん:私も逃げるかなあ。とりあえずふたりで逃げて、それで消防署に連絡して。
――彼女を連れて現場から離れて消防車を呼ぶと。現実的といいますか、ありそうな選択ですね。ゲームでは選択肢の選び方によって展開が変わっていくわけですが、これまでの人生で「選択を間違えた」、「やり直したい」と思ったことはありますか。
Kinanさん:たくさんありますけど、いざ言われると出てこないですね。服を買うときに「こっちの色にしておけばよかった」とか、そういうレベルなら、すぐ思いつくんですけど…。
ななかさん:私も同じです。買った服が安くなっていたら、「あのとき買わなきゃよかった」って思ったりはしますね。
――人生に関わるような選択の場合、「私が自分で選んだ」ということで、どこか納得できているのかもしれませんね。
まりかさん:私は最近就職が決まったんですが、今通っている学校とあまり関係ない分野なので、働きながら資格を取らないといけないんです。だから、大学の選択を間違えたとまでは言わないですけど、そっちの資格が取れる方にしておけばよかったかなというのはありますね。
――ちなみに、どちらの道に進まれるんですか?
まりかさん:幼稚園の先生です。私は高校から音楽科に通っていまして、大学もそうだったので幼児教育系を専攻しておけば、あとが楽だったかなって。ただ、音楽をずっとやってきたこと自体は正しかったと思っています。
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――おふたりはどうでしょう。この選択は間違っていなかった、この選択をしてよかったというのはありますか?
Kinanさん:私は今の仕事を始める前はOLだったんです。大学の職員をやっていました。全然違う道ですし、遠回りしたように見えるかもしれません。でも、社会人時代の経験が役に立っている部分もたくさんあるので、その時代があってよかったなって今は思いますね。
ななかさん:私は双子なんですけど、双子の片割れとすごい仲がよくて。趣味も一緒で、外でも家でもよくしゃべったりしているので双子でよかったなあってすごい思います。これは選択じゃないですけどね。
――最後にこれからプレイする人たちのために、それぞれが思う、このゲームの魅力を教えてもらえますか。
Kinanさん:前作をプレイした人には絶対やってみてほしいですね。私は普段『PUBG』とか『モダンコンバット Versus』みたいなFPSをやっていて、こういうタイプのアドベンチャーゲームは前作が初めてだったんですが、すごく面白くて。だから、今回はそこまでではないだろうとも、ちょっと思っていたんです。でも、まだ途中ですが、前作の面白さを超えてきているんじゃないかなって。素直な感想を持てるゲームなので、年代問わずやってもらいたいです。そして、プレイした人たちと、こうやっていろいろ会話したいなって思いますね。
ななかさん:私は戦い系のゲームがすごい苦手なんですけど、このゲームはそんな私でも全然楽しめました。選択肢があるので何回でも楽しめるし、私みたいにゲームが得意でなかったり、普段あまりやらないという人もぜひやってみてほしいと思いました。
まりかさん:戦い系のゲームだと操作が難しかったり、映像が痛々しかったりするので、私もけっこう苦手なんです。でも、このゲームはそういうのはほとんどないですし、ストーリーも映画みたいで、そこに主人公の気持ちで入り込めて、すごい面白かったです。いろんな方にやっていただきたいと思います。
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前作の内容を踏まえて語ってくれたKinanさん、クロエになったつもりで選択肢を選んだというまりかさん、「自分だったら」と考えながらプレイしたというななかさん。感想が一致するシーンもあれば、異なる印象を持つ場面もあり、それぞれの視点でストーリーを楽しんでいるのが印象的でした。
このように本作はプレイする人によって感じ方はさまざまです。今回の彼女たちのように、プレイ内容について友達同士で語り合えば、さらに楽しめるでしょう。エピソード数も本編が3本とボーナスエピソード「FAREWELL」の計4本で、なかなかやり応えがあります。繊細な女の子たちの驚きに満ちた青春ドラマをぜひ体験してみてください。
『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』 http://www.jp.square-enix.com/lisbts/
公式トレーラー https://www.youtube.com/watch?v=MTwB8gW1MtI