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9月18日にリデザインされた空母と潜水艦が国内でも発表された、Wargamingのオンライン海戦ストラテジー『World of Warships』。新たに導入される要素について、エグゼクティブプロデューサーのアルトゥール・プロチェニック氏にインタビューを行いました。
なお、本記事における質問の内容は、発表時に行われたQ&Aと個別インタビューの2つをまとめています。
――空母のリデザインと潜水艦の開発が始まった時期を教えてください。
プロチェニック氏: 空母に関しては過去2年間、潜水艦に関してコンセプトという意味ではゲームの正式サービスが始まってから3年間ずっとですが、実際に作り始めたのはここ数カ月です。
――もし潜水艦が実装されるとなれば、初めにどこの国家に追加されますか?
プロチェニック氏: 日本とアメリカ、そしてドイツの3カ国です。
――『World of Warships』がサービスを開始して3年ほど経過しましたが、ユーザーの反応はどのように変化しましたか?
プロチェニック氏:一般化するのは正直難しく、プレイヤーの皆様は変更が加えられることを好みません。変更によっては非難が出たりしたこともあったのですが、一般的に『World of Warhisps』のコミュニティは非常に積極的に関わってくれる人たちで、我々もコミュニティに対して非常に積極的に関与しています。それらの変更に対してより詳しく、「こういう観点で変えました」ということを積極的にアピールしていることもあり、上手くいっていると思います。
――2018年7月に実施された『World of Warships』コンソール版の先行テストの反応はどうでした?
プロチェニック氏: ゲームのアップデートとは違って、まったく新しいものを出すとき最初は概して良い評価から始まります。プラットフォームは増えますし、選択肢が増えるという意味でも欧米でもアジア太平洋でも非常に評判が良く、アルファテストでも上々です。ただ今後、いろいろな機能が追加されているなかで、いくつか課題が生まれる可能性がありますね。
――空母のリデザインには驚きです。RTS風なゲームデザインでは、必然的に同ジャンルに慣れた操作量が多いプレイヤーが有利になってしまっていましたよね。あまり触れてこなかった艦種だとしても、この変更には戸惑いを隠せませんでした。
プロチェニック氏: RTSと戦術ゲームは、「どちらかが好き」という方が多いので、お互いの技術が行き来できないというのが問題です。他の艦艇クラスならだいたい操作性が同じなので本能的に対応できると思うのですが、どうしても空母だけは使い方が全く異なり気軽に遊べません。なので「少なくても操作性は同じにしなければならない」という認識は持っていました。
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――それが今回のリデザインに繋がったのですね。次は潜水艦について質問です。現状正式に導入するのかわからないとありますが、もし入るとしたら駆逐艦や巡洋艦に影響が現れますか?
プロチェニック氏: 全ての相互作用が働いていますので、潜水艦だけ無敵というだけではなくリバランスされます。潜水艦はほとんど潜っていることから、艦隊と直接砲火を交えることはないため、その分のバランス調整は少ないです。ただ当然の事ながら水面に浮かべば砲撃戦に発展します。
――潜水艦は潜り続けると圧壊してしまうことがあり得るのでしょうか?
プロチェニック氏: 実際の潜水艦は大体200mほど潜れたので、200mが最深度ということになります。それがゲーム上での設定です。あくまで潜水艦は戦うための艦艇クラスであって、深く潜りすぎて圧壊するというのはゲームとして成立しないのもあって200mと設定しました。艦艇が島に当たってもダメージを受けないのと同じです。敵からダメージを受けるのはいいのですが、『World of Warships』は自然現象と闘うわけではないため、“深く潜りすぎてのダメージ”は避けています。
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――続けて“もし”の話になってしまいますが、潜水艦を正式実装するとしたら、どの潜水艦を出してみたいですか?
プロチェニック氏: 今現時点では“これ”というものが無いのですが、個人的に見たことあるのはドイツとアメリカの潜水艦です。史実として話を聞いたことがあるのは航空機を積める日本の潜水艦(※伊四百型潜水艦が存在している)で、そういうものを導入できたらと思います。
(筆者補足: プロチェニック氏は、ドイツのキールにあるドイツ海軍記念館に展示されているU995と、アメリカのサンフランシスコにある潜水艦USSパンパニートを実際に見に行ったと話した。またその2隻は開発チームも既に調査したとのこと。)
――最後に、新たにリデザインされた空母、そして追加される潜水艦を楽しみにしているユーザーに向けてコメントをお願いします。
プロチェニック氏: 海戦バトルゲームということで変わりはないのですが、いろいろな要素を追加していく予定です。対戦が好きなゲームプレイヤーにも満足してもらえるようになっています。
――ありがとうございました。
なお、9月18日に実施された国内向けプレスカンファレンスは、9月13日にロシアで行われたメディア向け発表会と同内容でした。ロシアでのライブプロデューサー、そして開発部長インタビューもあるのでこちらもどうぞ。ついに潜水艦がハロウィンイベントとしてテストされることになった、『World of Warships』の今後の展開にも注目です。
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