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スクウェア・エニックスは、実際に歩いて冒険するスマートフォン向け位置情報ゲーム『ドラゴンクエスト ウォーク』を発表しました。本稿では発表会の様子をレポートします。
発表会が行われたのは東京タワーのお膝元。東京を象徴する観光地でも発表会ということで期待が高まる中、登場したのは総合司会の徳光和夫氏。アシスタントMCの平井理央さん。
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まずは「ドラゴンクエスト」シリーズエグゼクティブプロデューサー三宅 有氏が登壇。「ドラゴンクエスト」が5月27日で33周年を迎えたこと、ここ1年のシリーズの動向について報告します。また、今後の予定についても言及。ナンバリングとなる『ドラゴンクエストXII』は現在準備を進めている段階であり、まとまった形で何かしら発表する予定であると語りました。
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そして「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親、ゲームデザイナーの堀井雄二氏が登壇。「やっと発表することができます。とても嬉しく思っています」と堀井氏。
タイトルの発表前に第一弾となる公式PVが会場スクリーンに映し出されます。渋谷の街を埋め尽くすスライム、これはもしや……と思ったところでスクリーンに映し出されたタイトルはコチラ。
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その名も『ドラゴンクエスト ウォーク』。ライトブルーを基調とした爽やかな色あい、ドラゴンとビルの影、そしてロトの紋章が描かれたスニーカーが印象的です。
「発表できて感無量です」と堀井氏。『ドラゴンクエストIX 』の時にニンテンドーDSのすれちがい通信機能で多くのプレイヤーが外に出てすれちがいを行ったことに触れ、「今度はスマホで街に出て冒険してほしい」と語ります。
◆日本中が「ドラゴンクエスト」になる
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『ドラゴンクエスト ウォーク』開発経緯については本作のプロデューサー 柴 貴正氏を交えて語られました。本作の企画について一番最初に話をしたのは3年ほど前であったとのこと。当時、スマートフォン向け位置情報ゲームが登場し、「これが「ドラゴンクエスト」の世界観にはまったらきっと面白くなるのでは」と相談したのがきっかけなのだとか。堀井氏自身もプレイしていた『ポケモンGO』から影響を受け、「ドラゴンクエスト」をかけ合わせたら位置情報ゲームの異なる魅力が引き出せるのではないかと考えたのだそうです。
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そして公開された画面はコチラ。目の前に主人公である自分、そして奥に東京タワーが見えます。さらに左には塔のようなものもあり、この1枚だけでもさまざまな遊びができる予感がします。自分の住む街を歩いてモンスターと戦ってレベルアップする、現実世界と「ドラゴンクエスト」の世界がシンクロする部分が本作の醍醐味といえるでしょう。
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◆コロプラのノウハウを活かし、「ドラゴンクエスト」らしいシステムを導入
本作は位置情報ゲームの老舗であるコロプラとの共同開発にて実現したと柴プロデューサー。気になるシステムについてさらに深堀していきます。
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これまでの位置情報ゲームは目的地に向かって歩くのが基本でしたが、「目的地システム」はクエストの目的地を自分で選択することが可能なシステム。自分の体力を鑑みて設定できるのが嬉しいところです。目的地ではシナリオ進行だけでなく、ダンジョンやボス戦もあるとのこと。「ドラゴンクエスト」ならではのシステムが盛り込まれているようです。
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そしてもうひとつの特徴が「ランドマーク」。実在の建物が47都道府県すべてに実装されているとのこと。
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ランドマーク限定クエストも実装されるとのことなので、一度訪れた観光地をもう一度楽しめそうです。
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最後に紹介されたのが「自宅」システム。自宅は好きな場所に置くことができるので、実際に住んでいないところでもOK。自宅の家具をカスタムしたり、他ユーザーの家におじゃますることもできます。他ユーザーの家にはアイテムが落ちていることもあるのだとか。
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自宅に帰るとその日にやった出来事からボーナスを得ることができます。バトルよりも歩くことに重点を置くユーザーに配慮したシステムといえるでしょう。
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実機プレイは「ドラゴンクエスト」大好き芸人、スピードワゴンの小沢一敬氏が担当。平井理央さんがサポートします。
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実際に動く画面を見て感極まった表情を浮かべる小沢氏。画面上に飛び出したドラキーをタッチし戦闘へ。倒すとモンスターズ図鑑に登録されるので図鑑を埋めるのも楽しみのひとつになりそうです。
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ここで「目的地システム」をデモプレイ。クエストの目的地を一番近い「東京タワーハイボールガーデン」に設定し、目的地付近へと歩いていきます。
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東京タワーのマスコットキャラクター、ノッポン兄弟付近で壺を割ると薬草が出てきました。壺付近ではHP、MPも回復するので見かけたら積極的に近づくとよいとのこと。
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東京タワーハイボールガーデンに近づくと「ストーリー」と書かれた森のオブジェクトが登場。タップするとシナリオが進行し、ボスとのバトルになります。
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ボス「ゴースト」相手に悪戦苦闘。スキルを駆使して戦い、先ほどの薬草で回復しつつなんとかクリア! 実際は歩きながらモンスターを倒すことでレベルを上げることも可能なので、もっと楽に戦えると堀井氏。複数で同じ目的地を設定して一緒に歩くのも楽しそうです。
◆β版体験会は6月11日から
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さて、ここで朗報が。『ドラゴンクエスト ウォーク』のβ版体験会が6月11日(火)より実施。iOS/Androidにて各1万名募集します。ただしテストプレイを兼ねているので実施地域は関東(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県)、18歳以上が対象とのこと。該当する方は下記より応募してみてはいかがでしょうか。
応募はこちらから。
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最後に、「「ドラゴンクエスト」をやっていると、少年時代の自分は勇者だったことを思い出す。本作はそれを感じやすい」と小沢氏。「β版でテストを行いつつ面白いゲームにしていきたい」と柴プロデューサー。そして淡路島出身の堀井氏は、「離島や田舎にもいろいろ設置している。地域差はないし、田舎の方が有利かも」と語った上で、「早く皆さんに遊んでいただき、感想を聞きたいと思います。「ドラゴンクエスト」は30年以上経ちましたが、今度はスマホを持ち、実際の街を冒険するという新しい体験を楽しんでください」と語りました。
配信は2019年内とのこと。楽しみに待ちましょう。