宇宙ADV『Star Control』を巡る原作者・新作開発元の訴訟に決着…友好的和解、GOG旧作も販売再開に | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

宇宙ADV『Star Control』を巡る原作者・新作開発元の訴訟に決着…友好的和解、GOG旧作も販売再開に

老舗宇宙アクションアドベンチャーシリーズ『Star Control』。同シリーズの展開を巡って行われていた、原作者および新作『Star Control: Origins』開発元との訴訟が和解となったことが発表されました。

ゲーム文化 カルチャー
『Star Control: Origins』

1990年に初代作品が発表された老舗宇宙アクションアドベンチャーシリーズ『Star Control』。同シリーズの展開を巡って行われていた、原作者および新作『Star Control: Origins』開発元Stardock Entertainmentとの訴訟が和解となったことが発表されました。

同シリーズは、Fred Ford氏およびPaul Reiche III氏が設立したToys for Bobにより開発。1990年にAccoladeより発売され、その後1996年までパブリッシャーを変えつつ3作が開発された宇宙アクションアドベンチャーゲームシリーズです。


基本的には、どの作品も宇宙を舞台に何らかの目的を持った主人公種族が宇宙船を駆り、様々な種族との交渉などを成立させつつ、目的達成を目指すゲームとなっています。戦闘では対戦型2Dシューティングが展開するのも特徴でした。

余談ながら、日本では3DOにおいて2作目が『スターコントロール2 ア・クアン・マスターを打倒せよ!』としてリリースされていました。そして、2018年9月にはStardock Entertainmentより完全新作『Star Control: Origins』が発売されています。

訴訟は、2018年にStardock側がFord氏とPaul氏両名に対し、シリーズに関する一切の権利は両氏にないとして訴えたもの。その後、両氏が「Stardockが購入したシリーズの権利はアタリ社が保持していた『Star Control 3』に関連した非常に限定的なものだけである」とした反訴を行うなどエスカレート。一時は『Star Control: Origins』や各旧作タイトルの販売が取り下げられる事態となっていました。

今回の和解では、和解金などの金銭のやり取りもなく、あくまで友好的に、双方のファンコミュニティがそれぞれに素晴らしいゲームを得られるようにすること、またお互いのプロジェクトを支援し、ファンコミュニティの亀裂を修復するために協力することなどが主眼であるとコメントされています。今後Stardockは『Star Control』シリーズの新作を開発。Ford・Paul両氏は『Ur-Quan Masters』(『スターコントロール2』の海外副題)シリーズを開発していきます。

Paul氏は今後『Star Control: Origins』の新たなエイリアン種族を制作し、Stardock側はFord氏とPaul氏を技術的に支援するとのこと。また、『Star Control』のキャラクターやエイリアンに対しStardockが提出していた商標もすべて取り下げとなる模様です。

加えて、和解内容ではFord・Paul両氏により『スターコントロール2』の直接の続編として計画・発表されていた『Ghosts of the Precursors』のタイトルが今後よりユニークなものへと変更(おそらくは『Ur-Quan Masters』ないし『Star Control』との関連をより印象づけるもの)となることについても冗談めかしつつ語られています。

この和解に伴い、Steam/GOG.comにて訴訟の影響で販売状況が不安定であった『Star Control』『Star Control 2』『Star Control 3』『Star Control: Origins』全てについて安定した販売がなされることが明らかにされており、GOG.comでも各旧作の販売が再開されました。

『The Ur-Quan Masters』

なお、『Star Control 2』はFord・Paul両氏によるリソースの利用許可の元オープンソースのフリーゲーム『The Ur-Quan Masters』として再開発、リリースされていましたが、こちらについても問題なく配布が続く見込みです。同作は3DO海外版の音声などでプレイ可能ですが、残念ながら日本語版の字幕や日本語音声が収録されていません。

『Star Control: Origins』はSteam/GOG.comにて3,090円/29.99ドルで配信中。『The Ur-Quan Masters』は公式サイトにて無料にてダウンロード可能です(バージョンはv0.7.0ですが、エンディングまですべてを楽しむことが可能)。
《Arkblade》

関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください
  • スパくんのお友達 2019-06-14 15:51:07
    近年稀な平和的解決した案件
    2 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-06-14 2:23:59
    OriginsはBGMに2当時の作曲家を起用してたり、原作愛を感じるのにこの騒動はちょっと残念。
    0 Good
    返信
    他の返信を表示 返信を非表示

編集部おすすめの記事

特集

ゲーム文化 アクセスランキング

  1. 約10年前に乗っ取られたSteamアカウント―アッサリ奪還するもまさかのオマケ付き

    約10年前に乗っ取られたSteamアカウント―アッサリ奪還するもまさかのオマケ付き

  2. 中世イギリスが舞台のゾンビサバイバル『God Save Birmingham』約8分の最新ゲームプレイ映像!

    中世イギリスが舞台のゾンビサバイバル『God Save Birmingham』約8分の最新ゲームプレイ映像!

  3. 「リマスターという言葉では足りない」―『オブリビオン』元リードデザイナーが“オブリビオン2.0”と評したワケ

    「リマスターという言葉では足りない」―『オブリビオン』元リードデザイナーが“オブリビオン2.0”と評したワケ

  4. 海外ウォルマートにて「プロコン」として「大人のおもちゃ」が掲載―微妙に合ってそうな説明文がややこしい

  5. 雪山サバイバル『The Long Dark』Steam版が90%オフで380円! エピソード5に関する近況も

  6. ポケモン好き家族に“超リアル”リザードンをプレゼント。3Dプリンターでの造形力&塗装スキルは愛が生み出す技

  7. 「シングルプレイタイトルに情報収集の法的根拠ない」プライバシー保護目指すNGOがユービーアイを提訴へ

  8. 「Skyblivion」リリースまでタマネギを殺害し続けるYouTubeチャンネルが1,143日目にしてリマスター版『オブリビオン』へ移行

  9. 『バイオハザード RE:4』累計販売本数1,000万本を突破!シリーズ最速ペース、チェーンソー男もエアギターでお祝い

  10. 『オブリビオン』リマスター版が48時間以内に発売されたら頭の毛をトッド・ハワードに送る―ファンのトンデモ宣言、賭けの結果に注目集まる

アクセスランキングをもっと見る

page top