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『仁王』は戦国時代末期を舞台に、硬派でありながら和風ファンタジーを取り入れたハードコアな難易度を誇るアクションゲームです。いわゆる「ソウルライク」なタイトルとされることもありますが、ケレン味があり、メリハリの利いたストーリー演出は、スピード感を持たせたアクションも相俟って高い評価を獲得しました。
そんな『仁王』の続編がやってきます!既に告知された通り、2020年3月12日に『仁王2』のリリースが決定となりました。発売に先立ってβ体験版も用意されており、2020年11月1日より配信されました。
少しだけ早く編集部に届いた体験版をプレイできましたので、プレイレポートとしてお届けします。筆者は(PC版の)『仁王』をクリアしていますので、自信満々で編集部まで出かけてきました。
まずはキャラクリエイトから
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体験版を開始すると早速キャラクリエイト画面となります。初期状態でもなかなか男前ですね。男女ともにいくつかプリセットが用意されており、スムーズなデザインが可能となっています。
コーエーテクモゲームスが手がける作品ともあって、このあたりはさすがの日本人好みなビジュアルを実現していますね。海外作品の妙なリアルさに歯がゆい思いをした方も多いこととは思いますが、『仁王2』は土台の部分で既に高いレベルにまとまっている印象です。
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海外タイトルでMODなどを活用し、なんとかファッションモデルさんのような外見を実現しようと奮闘した方々には分かって頂けると思うんですが、「これだ!」と思えるキャラメイクに至るまでにはかなりの時間を要するものです。
実はこうしたキャラメイクでは、細かい部位のバランス取りが意外なほど印象を変えてしまいます。設定項目の細かさが確保されていれば、それだけ理想に近づけるという訳です。特に目の大きさや位置の調整に自由度があると、かなり有意に働くのではないかと思います。
本作のキャラメイクでもなかなか細かい設定が可能なのですが、その項目がどのあたりに変化を及ぼすのかを色分けして表示してくれるという機能があります。例えば、「頬骨」の調整をしようとすると、右側に表示されるモデルの該当部分がハイライトされます。細かいことかもしれませんが、作業時間の短縮にも繋がる嬉しい配慮ですね。
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という訳でキャラが完成しました!!スパくんとしてバッサバッサと斬りまくってやるのであります!!かなり忠実にモデリングできたと思います。キャラクリエイトコンテストなんかも実施されるみたいですので、挑んでみてはいかがでしょうか。
チュートリアルで武器を選ぼう
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キャラクリエイトを終えると、すぐに謎の空間に降り立ちます。水色のマゲがとても目立ちますね。冒頭では特にストーリーの演出といったものは描かれないようです。
少し進むと、いくつかの武器が並ぶ場所に到達します。好きなものを2つ選びましょう。筆者は前作でメインとして使用していた「刀」と、もうひとつは「二刀」を選びました。どちらもスピードと手数を確保できる堅実な装備です。
ここまでの操作は一瞬のことですが、非常に軽快な印象を受けるかと思います。PCゲームを中心に遊んでいる筆者にとってPS4などのスティック操作は不慣れなのですが、右スティックによる視点移動はかなりキビキビとしており好感触でした。
弱攻撃/強攻撃や「構え」の変化、連続入力による派生といった攻撃モーションの多彩さ、「残心」システムによるスタミナ管理といった要素は、前作からそのまま引き継いでいるようです。基本的な操作を練習したら、さっそく次へと進みましょう。
いきなり難しいぞ!シナリオを体験
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チュートリアルを終えるとマップ画面となります。表示されているシナリオを選択してみましょう。出城を築こうと色々な策略を巡らせているところなのでしょうか?
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紅葉混ざる美しい川沿いの景観からスタート。藤吉郎たちが談笑?していると、なにやら川沿いが騒がしくなってきました。
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「何奴!?」と、我らがスパくんも張り切っています。キャラクリエイトは大事でしたね。
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鱗のような皮膚を持つ大男が川の中から現れました。どうやら藤吉郎はこの人物を探していたようです。ここから体験版の本編スタートとなり、操作が可能となります。
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藤吉郎の策略は「すでにある砦を奪って城に建て替える」というものだったようです。細かい状況は分かりませんが、右上のミニマップに目標の方角が表示されますので、道を探りながら進行しましょう。
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道中で見かけるヒトダマのようなものを調べると、アイテムなどが見つかります。装備システムも前作を踏襲しているみたいですね。ここでは軽量な頭巾を入手しました。
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装備してみるとしっかりと反映されます。急に忍者っぽくなりましたが、しっかりと防御力を確保しなければなりませんので、四の五の言ってられません。
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ステージには社(やしろ)が置かれていて、拝むことで能力強化などが行えます。これも前作とほぼ同様です。敵を倒したりして入手した「アムリタ」を消費することで、キャラクターをレベルアップしていくという流れになります。
途中でやられてしまうと、アムリタをその場に落としてしまいますので、その場合には回収に向かいましょう。回収できずにもう一度やられると、せっかく貯めたアムリタは消滅してしまいます。
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少し進んでいくと敵が現れました。妖怪のような相手ではなく、そのあたりの野武士といった感じです。ササッと斬りまくってやります!!
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死にました。3発くらい斬られただけで倒れてしまいました。これは思ったよりもヘビーなゲームのようです。落命した場合は、最後に拝んだ社から再スタートとなります。まだ入手したアムリタもごくわずかなので、どんどんやりなおしましょう。
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死にました。えっ?……ポンポン死にます。まるでスパくんです。まだ妖怪すら出てきていないのですが、『仁王2』は前作に負けず劣らず、非常にハードコアな設定となっているようですね。
トライ&エラーと強化で斬り拓け!
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「サムライスキル」などの基本的なスキルや、武器ごとに用意されたスキルなど、様々な強化要素が用意されています。武器のスキルは習熟度を上げていくことでポイントを獲得できるので、実戦の中でその武器を使い込み、経験を蓄積していきましょう。
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スタミナを消費して、短い距離を素早く移動する「回避行動」を適切なタイミングで発動すれば、同時に「残心」が成立してスタミナ回復を得られるというスキルがあります。
本作は何をするにしてもスタミナ管理が重要です。攻撃、ダッシュ、回避、防御……どの局面でもスタミナが切れていると行動を起こせないばかりか、場合によっては息切れを起こして操作を受け付けなくなるという危険な状況も招いてしまいます。
防御行動は敵の攻撃をノーダメージで受け止められますが、スタミナの減少が激しく、連続攻撃を受け続けるとすぐに崩されてしまいます。スタミナが切れている状態で防御を行うと息切れ状態となり、次の攻撃をまともに食らってしまうというわけです。
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刀のスキルにあるカウンター系の技を活用すれば、大きなスタミナ減少を負うことなく逆転を狙えます。しかし、タイミングは簡単ではありませんし、敵の攻撃に合わせられなければ防御を解いてしまい、まともにダメージを受けてしまいます。
また大型の妖怪が繰り出す攻撃など、全てのアクションには対応できないので過信は禁物です。あくまでも、トライ&エラーで相手の動きを見切り、適切な動きを研究していくという地道な攻略が要求されるでしょう。
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こうしたスキルを活用して、ようやくそこらへんの野武士を安定して倒したと思ったら、少し進んだ所で大きくて素早い妖怪が登場しました。全然カウンターとか効いてくれません。10秒に1回くらい死んでるんじゃないでしょうか?容赦ないですが、この敵もいわゆるボス扱いではないので、この程度で諦めちゃいけませんよ!?
一発逆転!?妖怪の力を借りよう
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『仁王2』では「妖怪化」という大きな要素が追加されました。プレイヤー自身が妖怪となって、一気にパワーアップするというものです。非常に強力ですが、無尽蔵のように使える訳ではありませんのでご利用は計画的に。
妖怪化している間は、体力ゲージなどが妖怪ゲージに変化し、ダメージで落命することはなくなります。ダメージは妖怪ゲージを減少させるものとなり、なくなってしまうと妖怪化が解除されます。強力な相手との戦いで「あと一歩!?」という瞬間に使うといいのかもしれません。
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また妖怪の力はこれだけではなく、道中で倒した強力な「妖怪技」を習得できます。妖怪技を使う為には装備する必要がありますが、すばやく強力で特徴的な技を発動できますので、道中の攻略に詰まった時には新たな角度として活用するといいでしょう。
味方を利用……協力して進もう!
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更に歩みを進めると、はじめの演出で登場した大男がいました。話しかけると、どうやら一緒に戦ってくれるようです。心強いですね。
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仲間ができたと喜ぶのも束の間、すぐ横の細道にはなにやらヤバい奴がいました。こんなに狭い道なのに、体全体を使って回転攻撃を繰り出してきます。これに当たるとドドドっと連続でダメージを受けて一瞬で落命……仲間になった大男も普通に一瞬でやられてるじゃん……。
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仲間は倒れてもしばらくすると復活するので、まずは先行で犠牲になってもらって、なるべく自分の負担を減らす方向で利用することにしました。そのくらい敵の攻撃は苛烈なので、利用できるものはどんどん利用しましょう。ひとつの行動にこだわると活路が狭くなってしまいます。よく覚えておきましょう。本当に。
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ステージを細かく探索していると、マスコットのような謎の生き物に出会うことがあります。撫でてやると懐いてついてくるようになりました。この生き物がついてくる間は妖力ゲージが少しずつ回復するようです。
いよいよボスとの対戦!?心を強く持とう
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砦の建築を実現するため歩みを進めた藤吉郎とスパくん。しかし怪しげな雰囲気があたりに漂います。周りの木々はバラバラに切り裂かれ、大木も無残な姿で傷だらけになっているのです。一体なにが起こったのでしょうか。
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すると上空から大きな妖怪が現れました。鎌鼬(かまいたち)です。木々が破壊されていたのはコイツのせいだったようです。非常に獰猛な様子で、明らかにこちらを敵視しています。
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まずお詫びしなければなりませんが、前作をクリアした筆者の自信はこの鎌鼬によって完全に打ち砕かれました。本稿のプレイレポートは、この鎌鼬との戦闘で終わることとなりますが、それは4時間くらい挑んでも全然勝てず筆者の心が折れた為です。予めお詫び申し上げます。編集部のある事務所も人がほとんどいなくなってしまいました。
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速すぎてまともなスクリーンショットが撮れないほど、鎌鼬はそれまでの敵と比較にならない勢いで襲い掛かってきます。たまらず防御すればスタミナの7~8割は削られることとなり一瞬でピンチに。
攻撃力についてはそれほどではないので、何度かダメージを負っても態勢を整えられる余地があるものの、縦横無尽に動き回る鎌鼬に弱攻撃を当てることもまともに叶いません。
大抵こうした最初に出くわすボスは、あえて距離を詰めて「後ろに回り込み続ける」ことで安全地帯を確保できるといったパターンがありますが、そんな小手先の技は通用しないようです。距離をつめれば、動物の瞬発的な動きでサッと飛び退いてしまいますし、距離が離れれば台風のように高速回転しながら斬りかかってきます。ヤバいです。
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しかも、地道に弱攻撃を当ててようやく三分の一ほどダメージを与えると、「常闇」という不思議な空間を発動してきます。この空間が出現している間は、プレイヤーのスタミナ回復速度が落ち込み、かなり行動が制限されてしまうのです。
更に攻撃バリエーションが増加し、威力も強化されるという泣きっ面にハチといった状況で、何も反撃できぬままプレイヤーの精神ばかりが削られていくことになります。
「常闇」の間に鎌鼬が必殺技のように放ってくるのが、3体に分身して襲い掛かってくるというもの。それぞれの分身にはきちんと攻撃判定があるので、全てを防御しようとすれば簡単に崩されてしまい、即死級のダメージとなってしまいます。
発動をしっかりと見極めて、分身の攻撃範囲の及ばない位置へ咄嗟に移動できなければ、待っているのは落命のみというわけです。
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非常に強力なボスである鎌鼬ですが、それでも活路はあるはずです。筆者のようにひとつの攻撃スタイルに固執してしまうようなことでは、可能性を狭めてしまいます。記事作成の為に画像を眺めていて思い出したことですが、妖怪の大技に対するカウンター技も用意されていますので、とにかくやれることは全て試してみるのが良いでしょう。
4時間も挑んでいると「もしかして自分は何か大事なことに気が付いてないのでは?」などと疑念も湧いてきますが、きっと筆者がヘッポコだっただけなのだと思います。ごめんねスパくん。
そんな歯ごたえある『仁王2』の体験版は現在リリース中です。皆様のキャラクタークリエイトと、鎌鼬の攻略のお話をお待ちしております。