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今回は「『あつまれ どうぶつの森』強化キャンペーン」第2弾として、博物館で聞ける解説における、日本語版では聞けない話を特集します。通年の生物や化石の収集が進んで、博物館もそろそろ充実してきた頃ではないでしょうか。寄贈や鑑定時にフータから解説が聞けますが、言語が変わると内容ががらりと変わるものも一部あります。特にアジやスズキなど名前に関するものはほとんど入れ替えられているので、言語切り替えでさらなる雑学を教えてもらえるでしょう。
練習問題の解説
- 問題:I don't mind a little detective work.
- 回答例:「探偵ごっこくらい上等よ」
間違えやすいのが“I don't mind”の解釈で、日本でもよく言う「ドンマイ」、「気にしないで」とは少し違う意味を持ちます。「~でも構わない」、積極的ではないけれど条件を受け入れるときに使われます。今は脱出せざるを得ないけれど、遠回りしてでも事件の真相にたどり着く、そんな決意を込めた締めの台詞でした。英語音声のジルは日本語と比べて相当口が悪いので、周回プレイの時にはややキレ気味の訳をイメージしてみると面白いですよ。
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Blathersのいきもの解説:英語独自の内容は?
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「Red Snapper(タイ)」について。「Red Snapper」は赤くて口の大きい魚にはよくつけられる名前です。しかしタイと違って特にあやかるわけでもなく、「他にいい名前がなかったんですか?」と、テキトーな名付けと思っているようです。候補の3つはどれも「赤」と「咬む、飛びつく」の組み合わせですね。
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「Horse mackerel(アジ)」について。「Horse」の由来は「アジは水中で他の魚を乗せられるくらいの力がある」という迷信から来ているそうで、「ホント笑っちゃいますよね。魚の乗り手はどこに鞍と蹄鉄を着けるっていうんでしょう?」と言っています。
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「Sea horse(タツノオトシゴ)」について。腸がないので常に食べ続けなければいけないので、「海のHorseの大変さに比べれば、陸のHorseも随分楽に思えてきますね」と一言。“work like a horse”、「馬車馬のように働く」と言うように、英語において馬は重労働の象徴でもあります。
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「Loach(ドジョウ)」について。川底に住む魚一般を「Loach」と総称するのですが、Blathersは「なんかCockloach(ゴキブリ)と一緒にされてるようで嫌じゃないですか?」と気に入らない様子です。最後の“eh wot!”は、アメリカ口語の「Ah what!」をイギリス英語風に変換したものですね。
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「Sea bass(スズキ)」について。「Sea bass」は日本で言うスズキ以外にも、スズキ目全般の魚類を指す言葉で様々な種類が含まれています。「Dusky grouper(キハダハタ)」「Potato cod(カスリハタ)」「Pink maomao(オナガアカイサキ)」など、色も大きさも違うものでもまとめて「Sea bass」と呼ぶようです。
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「Cherry salmon(ヤマメ)」について。ヤマメの持つ水玉模様は英語で「Polka dots」と呼ばれます。“is known for~”は「~でよく知られている」の意味でよく出てくるので覚えておきましょう。
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「Koi(ニシキゴイ)」について。ニシキゴイの鑑賞は日本独自の文化であり、海外にもそのまま「Koi」として紹介されました。海外にもブリーダーが増えて人気も高まっているので、鯉の世界進出はまだまだ進んでいくでしょう。
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フタバサウルスは英語版ではプレシオサウルスとなっており、日本以外に馴染みのない名付けのエピソードなどは出てきません。フタバサウルス自体はプレシオサウルスの一種という位置づけなので間違ってはいませんが、微妙な違いがあると気になってしまいますね。
覚えておきたい英単語集:生物と化石に関する語句
学芸員のBlathersによる解説はそれなりに専門的になるので、出てくる単語も学術系のものが多くなります。ラテン語由来のものも出てきて字面で大変そうに見えますが、これが分かれば読めるジャンルも増えることでしょう。
- Specimen:標本
- Cretaceous:白亜紀
- Pale chub:オイカワ
- Caterpiller:イモムシ
- Dinosaur:恐竜
- Reptile:爬虫類
- Mammal:哺乳類
- Donation:寄贈
- Anyhoot:とにかく(anyhow)
- Bah!:ふん!(鼻を鳴らす)
英語にもある「カタカナ語の濫用」? ラテン語由来の言葉
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最近何かとカタカナ語の濫用が取り沙汰されていますが、英語でも似たような現象は存在します。ゲルマン系、ノルマン系の語彙が主になる中世庶民の英語に対し、上流階級、知識層がフランス語、ラテン語の言葉をこぞって使いたがったのです。例えば「本」を普通「Book」と言いますが、学校の教科書のことを「Text」と言いますね。これはラテン語で同じ「本」を指していたのですが、前述の理由により学術的な意味合いが足されました。
同様に、「Donation」「Assistance」など英語において儀礼的、敬語的に使われる言葉の多くがフランス語、ラテン語から借用されたものです。これもやはり嫌われやすく、「外国語しゃべってないで英語で話せよ!」という「Inkhorn term」(インク壺言葉)なる揶揄も登場しました。学術系の言葉にラテン語が使われるのは、最初はただ単に「なんかカッコいいから」という理由だったのかもしれませんね。
練習問題:以下の英語ダジャレを翻訳しなさい。
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I caught a goldfish! It's worth its weight in fish!
今回は金魚についてです。やはり「金」にかけた文言になっていますが、これは金に関する言い回しをもじったものなので、日本語に訳すときも同様に慣用句で揃えたいですね。辞書引きに手間はかかるでしょうが、これが上手くハマればなかなか素晴らしい翻訳センスです。