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シンプルなグラフィックながらも大規模に展開するWW2モノ戦場シミュレーター『Total Tank Simulator』が、2020年前半にSteamにてリリースされます。開発はNoob from Poland、パブリッシングは505 Gamesが担当する本作をいち早くプレイする機会を得ましたので、本稿では事前プレイレポートとしてお手軽大戦略バトルの内容をお届けしていきます。
誰でも気軽に大戦争!『Total Tank Simulator』とは
サクッと気軽に大戦争がしたい! 大量の兵士と兵器がぶつかり合う戦場を体験したい! そんな欲求が止まらないゲーマーはきっと少なくないでしょう。『Total Tank Simulator』はまさしくそんなゲーマーのニーズを満たすストラテジーゲームです。陸に空に兵を大量に配置し、それらが正面からぶつかり合う大戦争を楽しめます。ストラテジーゲームではありますが、戦闘はオート進行で気軽にプレイできる上に、ユニットを自分で操作して、いち兵士として大戦争を体験することもできます。
タイトルからもわかる通り、『Total Tank Simulator』はLandfall開発の『Totally Accurate Battle Simulator』の影響を受けたフォロワー的な作品です。『Totally Accurate Battle Simulator』は時代考証がめちゃくちゃ、魔法もバケモノもぐちゃぐちゃにぶつかり合う異種格闘技戦が持ち味。『Total Tank Simulator』はそのシステムを参考にしつつ、第二次世界大戦の実在の戦線・兵器のぶつかり合いを楽しませてくれます。
マウスで配置!オートで戦闘!らくらく戦略ゲーム
まずは基本となるキャンペーンモードからご紹介。プレイヤーは各ステージで、コストの許す限り自由にユニットを配置していきます。ライフルマンは1人10ポイント、III号戦車は1両250ポイントで配置でき、あるミッションでは6,000ポイントまで配置できるといった具合です。マウスをドラッグするだけでユニットを並べられるので、ストラテジーゲーム特有の難解さはありません。敵軍兵器の内容や配置を確認でき、制限時間もないのでじっくり検討しながら配置を考えられます。
配置が終わったら、バトルスタート! 両軍のユニットが一斉に突撃を開始します。ユニットは自動で行動するのであとは眺めるだけです。フィールド内に配置された木や家は破壊できるようになっていて、大軍と大軍がぶつかり合う迫力ある戦闘を堪能できます。頭を使う楽しさだけでなく、視覚的な気持ちよさも気楽に味わえる第二次世界大戦ストラテジーです。
しかしながら、ゲームの難易度までお気楽というわけではありません。敵も味方も同じAIで戦うので、勝敗の全ては配置と編成にかかっています。適当な配置では敵軍に全く歯が立たずやられてしまうでしょう。限られたポイントでいかに敵を撃滅していくのか……その戦術を巧みに考えることが重要なゲームというわけです。
このあたりは『Totally Aculate Battle Simulator』のシステムと近しいものがあると言えます。ただ、本作は迫撃砲や爆撃機による遠距離からの一方的な攻撃がありえる第二次世界大戦の戦いを描く作品です。そのため、フィールドがかなり広くなっているのも特徴です。
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『Total Tank Simulator』の舞台は、ぶつかり合う前線部隊と強力な砲撃で支援する後方部隊、そして制空権を取れればアドバンテージの大きい航空部隊の3つが展開できる広大な戦場です。フォロワー作品でありながら、立てる戦術も遊んだ感覚もしっかり別のものになっています。
ユニットを操作で戦争に参加しよう。遊びの幅は広いぞ!
そして、この広いフィールドをさらに楽しめる要素が「ユニットの操作機能」です。戦闘中、プレイヤーはいつでもどのユニットであろうと乗り移って操作することができます。
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このユニットの操作がなかなか本格的。例えば歩兵ユニットならプライマリー武器とセカンダリー武器、グレネードに近接のナイフとった武器の持ち替えはもちろん、サイトを覗くADS操作、走りにしゃがみ、伏せまで可能です。
戦車や飛行機ユニットも中に兵士が乗っているので、乗り降りの操作が可能。やばくなったら戦車を捨てて歩兵として戦う! ということもできてしまいます。第二次世界大戦モノのFPSではおなじみの操作システムを、ストラテジーゲームでありながらもしっかり実装しています。
この機能は、自動で戦う様子を眺めるお手軽ストラテジーゲームの本作に、1人でも大規模対戦が可能なFPS、あるいは戦車・戦闘機アクションゲームという側面を付与してくれます。大軍がぶつかり合う光景を眺めるもよし、自ら広い戦地に降り立つもよし、幅広い遊びを体験できるのが『Total Tank Simulator』なのです。
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本作はゲームモードも充実しています。第二次世界大戦におけるヨーロッパでの戦いをモチーフとしたキャンペーンモードは国ごとのストーリーが用意される予定で、これだけでもしっかりとした遊びごたえがあります。
さらに、両軍と中立のユニットを配置して自由に戦いをデザインできるサンドボックスモードと、自分自身が配置した軍と相対するシャドウモードも実装されるのだそう。また、ユニットの種類は200以上と豊富に追加予定です。各国の兵器はもちろん、核兵器にクマ戦車、ポータルなどなど未知のユニットも用意されています。多くのプレイヤーを満足させるであろう遊びの幅を感じられるゲームです。
気軽さが仇に……理不尽さを感じる人もいるかも
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ただ、残念に感じるところもあります。オートでユニットが戦うシステムが魅力の本作ですが、全てのユニットが自動で敵に突撃する気軽さがかえって仇になることもあるのです。我先にと突撃するあまり池に次々飛び込み、足を取られたスキにボッコボコにされてしまう……なんてこともしばしば。仕方ないとしても、ユニットAIにフラストレーションを感じたりもします。
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もちろん、こういった失敗はユニットAIの挙動を見誤ったミスと言えます。なので、これはプレイヤーが配置を少しいじったり、別のユニットに変更すれば改善しうるものでしょう。また、自分でユニットを操作することでオートにはできない戦術を用いたカバーも可能です。
しかし、この配置の失敗を即修正していく「リプレイ」がないというのも大きなネックのひとつ。サンドボックスモードではリプレイに挑戦できるのですが(ただしロードを挟む)、キャンペーンモードでは利用不可能。キャンペーンモードではアクトと呼ばれるいくつかのステージで構成されたマップを攻略していくのですが、このアクト中でユニット配置に使うポイントは共通の財布から出るシステムをとっています。つまり、敗北には「ポイントのロスト」というペナルティがあるのです。敗北上等! とゴリゴリ試行錯誤を繰り返していけば、ポイント不足となり、アクトを最初からやり直すことになります。
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第二次世界大戦モノのストラテジーゲームとして見れば、本作のリソース管理要素は面白いものです。ゲームに難しさを求めるプレイヤーにとっても燃える要素。自分の作戦ミスで敗北するならば、やり直しにも納得できるでしょう。しかし、プレイヤーではどうにもならないAIの挙動のせいで起こってしまうささいな失敗に、やるせなさを感じることもあります。もちろんゲームプレイに慣れてくればAI挙動の理解も深まりますが、「気楽さ」と表裏一体であるこの「理不尽さ」を辛く感じる方もいるのでは、と思います。
まだまだリリース前のベータ。発売を心待ちにしよう!
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あくまでこれはベータ版での手触りです。ユニットのAIに調整が入れば前述した理不尽さを感じにくくなりますし、ユニット指揮機能の実装などで根本的にゲームプレイの特徴が変わる可能性もあります。
また、ベータ段階とは言えど確かなポテンシャルの高さを感じられました。AIに頼ったストラテジックなプレイ、ときには自分自身で戦うアクション風味なプレイを楽しみたい方にはピッタリかと思われます。Steamストアページはこちら。興味が湧いた方はウィッシュリストに追加して、一緒にリリースを待ちましょう。