気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Paul Podberezko氏、Daniil Naletov氏、Alexander Ahura氏開発、PC/Mac向けに4月23日リリースされたポイント&クリックアドベンチャー『Shapik: The Moon Quest』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、テキストが一切ないポイント&クリックアドベンチャー。核戦争後の不思議な世界を舞台に、手描きされたマップの中を探索します。
『Shapik: The Moon Quest』は、820円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Paul Podberezko氏(以下Podberezko氏)ウクライナのインディー開発者、Paul Podberezkoです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Podberezko氏当時私は21歳で、広告代理店でウェブデザイナーをしていました。家賃分のお金と質素な食事代ぐらいしかなかったのですが、それが私の初めての仕事だったこともあり、特に不満はありませんでした。
ある時、私はシンプルな仕事をしながらも大成功を収めた人たちがいることをいくつかのブログを見て知りました。それから日に日に、仕事をやめ、ゲーム開発をしてそれを販売したいと思うようになったのです。仕事が忙しくなかった時、本作のプロトタイプを作りました。これは実際に遊ぶことができ、それをすべて自分一人で作ったという事実が、自分の背中を後押ししたのです。
そしてその日が来ました。私は一年間勤めた仕事を辞め、故郷の村に帰ったのです。それからボロボロのコンピュータとタブレットを使い、自分で作ったプロトタイプをベースに本格的なアドベンチャーゲームの開発を開始したのです。
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――本作の特徴を教えてください。
Podberezko氏本作はポイント&クリックアドベンチャーです。テキストは一切なく、アートという形でストーリーを描きます。ヒントシステムを使えば、どうしても解けないパズルにおいて、最小限のネタバレを見ることができますよ。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Podberezko氏2009年、奇妙なロボットゲームを発見しました。『マシナリウム』というタイトルです。わずか10分プレイしただけで、私はこのゲームの虜になりました。このゲームをクリアすると、私は似たような雰囲気のゲームを作りたいという強い想いに駆られたのです。そうして、本作が出来上がりました。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?インディーゲーム開発者への支援はどのようにして行えばいいでしょうか?
Podberezko氏私たちは全員家から作業を行っていましたので、新型コロナの影響はほぼありませんでした。サウンド面だけ、スタジオが閉まってしまったこともあり、少しだけ苦労しましたが。
インディーゲーム開発者への一番の支援は、良いフィードバックをすることだと思います。もし気に入ったゲームがあれば、レビューを書いてあげるのがとても大事でしょう。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Podberezko氏世界に目を向ければ、あなたの世界は開けます!あと、良いゲームをたくさん遊んでくださいね。
――ありがとうございました。
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◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に250を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。