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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2020年4月30日にL2 Game StudiosよりPC(Steam)向けにリリースされた『She Will Punish Them』について生の内容をお届けしたいと思います。
『She Will Punish Them』とは
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本作は兄弟姉妹たちに裏切られ、長きに渡りTower of Painに閉じ込められていたサキュバスとなり、長年の恨みを晴らすべく立ちはだかる数多くのボスたちを倒し、地獄の中で一番恐ろしくも美しい悪魔を目指すアクションRPG。サキュバスを自分好みにカスタマイズし、地獄にて出くわす様々な悪魔たちを倒しつつ、装備をアップグレードして、更に強い悪魔との戦いに挑んでいきます。
記事執筆時点での本作は早期アクセス版のため、未完成な部分やバグも多数見受けられますが、今後のロードマップも既に公開されているため、今後のアップデートにも期待ができそうです。早期アクセス期間は約1年間を予定されています。
ゲーム内のコンテンツが増えるにつれて値上げを考えているとのことなので、気になる方は早めに購入したほうが良さそうです。また、Steamストアでは日本語対応の表記がなかった本作ですが、ゲーム内の設定には日本語も存在していました。ただし、翻訳クオリティは高くなく、現時点での日本語対応度は道半ばといった印象です。
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『She Will Punish Them』の実内容に迫る!
ニューゲームを開始するとまず、キャラクターの作成画面に飛ばされます。選べる項目はそれぞれプリセットから選べる肌の色、顔の形、目の色、髪型/髪色、角の形、それに羽の種類。さすがはサキュバスが売りの本作なだけあり、各プリセットの顔や体の作りなどは本作のグラフィックとも合わさってキレイな仕上がりとなっています。しかし、こういった類のゲームによく見られる体型や体格の変更といった項目はありませんでした。
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ひとまずキャラクターのカスタマイズを終えると即自分の家に飛ばされます。拠点となる家ではキャラクターのカスタマイズ、各種装備の売買、戦いの疲れを取るためにサキュバスが座る台座などがあります。ただ、チュートリアルや説明はテキストと画像だけで済まされてしまい、戦闘ステージへの移行直後にはしばらくキーボード設定とにらめっこすることに。ただし基本的な操作の系統は一般的なWASD式で、特別な内容もなかったため他のゲームのプレイ経験があれば別段困ったこともありませんでした。
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本作の魅力のひとつであろう数多くある各種アーマーパーツは、現時点で既に合計100種類以上もあり、体だけでなく、レギンスや靴、腕や頭の部分も個別で選ぶことができるため、とことん自分好みのカスタマイズができるようになっています。
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肝心の悪魔たちとの戦いは、キャンペーンモードとしてサキュバスの家の大きな扉部分からアクセスすることができます。ステージに応じて20種類ほどのバラエティーに富んだ敵が出てきますが、戦闘自体は比較的単調で、無限に湧いてくる敵に先に倒される前にステージのボスまでたどり着き、ボスを倒した時点でステージクリアとなります。
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本作の戦闘は左クリックをひたすら押して攻撃し、相手の体力を削って進めるといった具合で、単調ではあるものの難易度設定は難しく感じられます。敵3、4体に囲まれただけでHPをみるみるうちに削られてしまうため、UI左下に表示されるHPを常に気にしつつ、回復を行いながら戦わないとすぐに死亡してしまいます。
戦闘中に死亡すると所持品がすべてなくなり、家に戻されて、死亡時点での装備品は使用可能な魔法も含め、すべて取り返すことができないというシビアな仕様。Steamのレビューには序盤で死亡したらキャラを作り直したほうがまし、といった声も見られました。
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敵を倒すとランダムで金貨、HPポーション、MPポーション、装備アイテムを落とすことがあります。ひとつ注意点としては、落ちているアイテムの取得ボタンはデフォルトではCaps Lockのボタンに割り当てられているため、日本語キーボードでプレイする場合は割り当て変更がほぼ必須となっていること。
現時点では30種類以上用意されているという武器はアーマー同様に剣、斧、更には弓など多数に渡り、プレイヤーはそのうち2つまでを装備することができます。しかしながら基本的には各武器ごとに1種類の攻撃しかなく、特殊攻撃のようなものもありませんでした。
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また、攻撃の他にもステージ上に存在するオブジェ上の青い光のようなものに触れると魔法が使えるようになります。UI右側に表示されるMPを使用する魔法は2種類まで同時に所持でき、QかEキーで使用できます。MPは拾ったり購入したりすることで入手できるMPポーションにて回復できます。筆者がプレイしたときにはシールドのようなものしか使えませんでしたが、他にも敵を凍らせたり、遠距離攻撃ができる魔法もあるようです。
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戦闘ARPGとしては現段階では少々癖が強いように感じられた本作ですが、アイテムの収集は大いに楽しむことができました。マップ各所に点在する宝箱を開けたりツボを割ったりすることで様々なアイテムが手に入り、1ステージを少しプレイしただけでもインベントリが埋まり尽くすほどのアイテムを拾うことができます。またそれを見越したかのようにマップ内にはショップが配置されているためマップ内でのアイテム収集や整理もストレスなく行えます。
しかしながらアイテムピッキング機能そのものには難があるように感じられました。というのもアイテムが地面に落ちた場合、一応はハイライトされているものの、アイテム自体が小さくハイライトも目立たない上、ボタンを押さない限りUI上には何も表示されないため、アイテムがそこに落ちているのかいないのかが非常にわかりづらい仕様となっています。さらに右上に表示されるミニマップには宝箱しか表示されないので、敵を表示させるなど、ミニマップの存在意義を高める工夫もあってもいいのではと思いました。
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本作はアーリーアクセスのためか、ゲームがクラッシュするようなバグも多数存在し、難易度設定なども含め、調整がまだまだ必要といった具合。ですが、グラフィックの良さやキャラクターの種類、アイテムの豊富さなど、ゲーム自体のポテンシャルはあるように感じられました。少し特殊なジャンルのゲームではありますが、妖美なサキュバスを操ってARPGをしたい皆様には正式版への期待を含めいかがでしょうか。
タイトル:She Will Punish Them
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2020年4月30日
記事執筆時の著者プレイ時間:1時間
価格:1,640円(税込)、5月7日まで40%オフの984円(税込)