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ハードデザインや開発中のソフトウェアが明らかになり、日々ゲームファンの期待が高まっているPlayStation 5(以下、PS5)。詳細な価格や発売日等はいまだ発表されておらず、やきもきする毎日を送っている人も多いのではないでしょうか。
そんなPS5には「Tempest 3D Audio Engine」という、新たな音響技術が取り入れられることも分かっています。この技術によりPS5ではサウンドがこれまで以上にリアルになり、よりゲームへの没入感が増すのではないかと筆者は想像しています。特にヘッドフォンでFPSをプレイしている人は、その位置関係がこれまで以上に明確になるかもしれませんね。
それほどまでに素晴らしいサウンドであれば、音のクオリティに直接関わるスピーカーにもこだわりたくなるもの。最近は、4kやHDRに対応した液晶テレビ・有機ELなどの薄型テレビが主流になり、ブラウン管テレビはすっかり消滅しました。薄型のメリットは計り知れませんが、その一方で内蔵スピーカーの音質が犠牲になったことも否定できません(※薄型にも高音質なスピーカーを付けたモデルも存在しますが)。
そこで今回は、「物理的にスピーカーを置いて大迫力かつ高音質なサラウンド環境を作成し、PS5を迎えてみては?」というご提案をしたいと思います。“音響”の世界はそれこそ上を見ればキリが無い世界ではありますが、今回は思い切って予算を10万円に設定。その範囲で、おすすめのスピーカーを紹介していきます。
今回紹介するのはブックシェルフ型スピーカー!
スピーカーにはブックシェルフ型、トールボーイ型と種類があるのですが、今回は比較的安価でコンパクトなブックシェルフ型を紹介していきます。
※ブックシェルフ型・・長方形でコンパクトなスピーカー。
※トールボーイ型・・長身でサイズも大きいスピーカー。
まず、本格的なホームシアターを導入するにあたって、用意する物を以下にまとめました。これらを順紹介します。
1.AVアンプ(映像、音声の入出力の管理を行う機器)AVレシーバーとも呼ばれます。
2.サブウーファー(重低音を出すスピーカー)
3.センタースピーカ(テレビの前に置くスピーカー)
4.フロントスピーカー(正面左右に置くスピーカー)
5.リアスピーカー(後面左右に置くスピーカー)
1.AVアンプを買おう!(残り予算10万円)
AVアンプを購入するにあたって、まずゲーマーの方には必須ともいえる「HDMIポート」をチェックしましょう。これがなければ、PS4もニンテンドースイッチも接続はできません。将来の拡張性を考え、4ポートは欲しい所ですね(PS4、スイッチ、BDレコーダーなど)。最近のAVアンプはほとんど4ポート、中には6ポートも付いている商品もあるようです。とはいえ、購入する際は確認を忘れずに!
次にスピーカーを接続するch数です。これは予算を考慮すると「5.1ch」か「7.1ch」がベスト。本記事では5.1chで進めますが、余裕があれば7.1ch対応のAVアンプを購入するのもありですね。ちなみに7.1chは後面だけでなく、側面にも付けられす。
※ch数って?
ch数は、その音響環境を構築する上で使うスピーカーの個数のこと。例えば5.1chなら、スピーカー5個+サブウーファーが1個という意味になります。その他に7.1ch、9.1ch、11.1chなどがあります。サブウーファーはあくまで補助的なスピーカーとして扱われるため、0.1ch扱いとなります。
上記の条件を考慮し、筆者がお勧めするのはヤマハから出ています「RX-V583」です。価格も「価格.com」でのお値段が37,800円(2020年6月26日時点)とお手頃で、ch数は7.1ch、HDMIは4ポート備え。4k伝送とHDR伝送にも対応しているため、4kテレビとの相性も良さそうです。ホームシアターの入門機器としても、お勧めできる一品です。
価格.com「RX-V583」紹介ページ
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2.重低音担当のサブウーファーを決めよう(残り予算62,000円)
サブウーファーは主に音の重低音を担当するスピーカーです。爆発音などの低音域を出しています。こちらは12,700円(2020年6月26日時点)で購入できるヤマハの「NS-SW050」をお勧めします。正直、低音がそれなりに出れば問題はなしという考えです。
価格.com「NS-SW050(色:ブラック)」紹介ページ
価格.com「NS-SW050(色:ウォルナット)」紹介ページ
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3.次は“声”を担当するセンタースピーカー!(残り予算49,500円)
センタースピーカーは主に映画やゲームなどで、セリフや声を担当します。こちらも予算を考慮すると、3,069円(2020年6月26日時点)のヤマハ「NS-C210」が入門用として丁度よいかと思います。
中にはサイズが大きいセンタースピーカーもありますが、テレビと被ってしまい画面下部が見え難くなる場合があるので、要注意です。「NS-C210」はサイズも小さめなので、テレビの正面に置いても問題はないと思います。
価格.com「NS-C210(色:ブラック)」商品ページ ※他にも木目調の色もあります
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4&5.もっとも重要なフロントスピーカーにはこだわりたい!(残り予算46,431円)
フロントスピーカーは、正面左右に置くスピーカーです。ホームシアターを構築するうえで、とっても重要な部分であり、ここにお金を掛けると、ホームシアター全体の音質が上がります。やはりゲームのサウンドもここがベースとなってくるので、ここはケチらず予算を使いましょう。逆にリアスピーカーは、比較的フロントよりはお金を掛けなくても構いません。
さて、ここまでヤマハで統一してきました。最後までヤマハで固めても問題ありませんし、予算が許すなら別の選択肢もありです。ここでは下記の2コースを紹介します。
★安価コース その1(フロントとリアを同一スピーカーで固める)
価格.comでも常に上位にランキングされている、ヤマハの「NS-BP200」です。ペアで7,750円(2020年6月26日時点)なので、これを2セット買っても15,500円。この価格帯にしては高級スピーカー顔負けの高音質なので、ホームシアター入門として最適ですね。
価格.com「NS-BP200」紹介ページ
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★予算内コース その2(フロントとリアを別メーカーにする)
リアは上記の通りヤマハの「NS-BP200」(7,750円)にして、残り約3万8000円をフロントとして、DALI(ダリ)の「SPEKTOR1」に注ぎ込みます。ペアで23,823円(2020年6月26日時点)なので、約15,000円程お釣りがきますね。
価格.com「SPEKTOR1」紹介ページ
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★予算オーバーコース(フロントとリアを別メーカーにする)
リアは同じくヤマハのNS-BP200(7,750円)にして、残り約3万8000円をフロントに回すわけですが、お財布が許せばフロントをDALI(ダリ)の「OBERON1」にしてはいかがでしょうか。ペアで47,927円(2020年6月26日時点)なので、約1万円程オーバーします。
価格.com「OBERON1」紹介ページ
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スピーカーは本当に、様々なものがあります。「予算10万円以内で抑える」というテーマのもと筆者のおすすめを紹介しましたが、好みもありますし、実物を試すのが一番です。お気に入りのCDを量販店に持っていき、試聴してみるのも良いでしょう。
今回の内容は、ほんの一例に過ぎません。スピーカーをあれこれ、自分好みにカスタマイズしていくのもホームシアターの楽しい所ではないでしょうか。自分に合うスピーカーを見つけることで、今までのゲームや映画の世界が劇的に変化するでしょう。次世代機のゲームが出る際、どうしても「グラフィクが凄い!」なんて映像に目が行きがちですが、サウンド面も確実に進化していますし、ご自宅の環境を整えるとより一層、相乗効果が期待できます。
ただみなさん、泥沼にはまらぬようご注意を……。音響の行きつく先は、庭に電柱を立てる所まで行きます。何事も程ほどが一番です。