
バンダイナムコエンターテインメントは『SCARLET NEXUS』に関する最新情報を伝えるプレス向けキーノート(基調講演)を実施しました。
発表では3名の開発者によりゲームプレイの他、世界観や物語のテーマ、キャラクターデザイン等についても深く解説が行われました。本稿では、約50分に及ぶ様々な情報を一挙にご紹介いたします。

なお、3名の開発者はそれぞれ、本作のプロデューサーで『CODE VEIN』のプロデューサーも務めた飯塚啓太氏。

本作ゲームディレクターで多くの『テイルズ オブ』シリーズに関わった穴吹健児氏。

本作アートディレクターで『アイドルマスター』や『GOD EATER』に関わった落合功多氏となります。
目次
『SCARLET NEXUS』とは
『SCARLET NEXUS』の世界観「ブレインパンク」
主人公「ユイト・スメラギ 」と物語
ゲームプレイ紹介
新公開キャラクター紹介
『SCARLET NEXUS』とは
「新しい」RPGとして4年前に企画が持ち込まれた同作。その始まりは『テイルズ』シリーズに関わったチームの中で新たなチャレンジとしてゲリラ的に起こったものとのことです。
詳しいゲームプレイに関しては後述しますが、刀や念力 、仲間の超脳力を使用したスタイリッシュなアクションを楽しむことのできるアクションRPGとなっています。

『SCARLET NEXUS』というゲームタイトルの意味を日本語に訳すと「赤い絆」。ゲーム中でも目を惹く、キャラクター同士をつなぐ印象的な赤い線や、登場人物達の繋がりや絆などはゲームの内容にも大きくかかわっているそうです。
本作、『SCARLET NEXUS』はPS4やXbox Oneといった現世代機で発売されますが、PS5やXbox Series Xといった次世代機の他、PC(Steam)でも発売されるのも特徴です。

また、ジャパニメーションを強く想起させるセルルックなCGも特徴といえるでしょう。「3Dっぽさ」をあえて抑えたキャラクターデザインは日本で親しまれているアニメのようで、女性キャラクターにはアニメ的可愛らしさを感じます。
『SCARLET NEXUS』の世界観「ブレインパンク」
本作の世界観の中核にあるのは「脳」で、主人公や他の仲間たちの特殊能力も脳に関する技術の発達によるもの。このことから『SCARLET NEXUS』の世界観を「ブレインパンク」と名付けたそうです。
「ブレインパンク」の「パンク」は本来、体制への反抗といった意味ですが「~パンク」とつくことでサイバーパンクから派生した本作独自の世界観「ブレインパンク」を作り出すという意図があった、と語ります。
物語の舞台となるのは「ニューヒムカ」という巨大な国家。他国などの存在はあるものの本作では舞台を絞って展開するとのことです。現代に比較的近いビジュアルで、私たちの生活に通じるものがあるものの、現実の私たちが電気を使うように身近な技術として脳の力を使っています。
「ニューヒムカ」では脳とネットワークを繋げる事で究極のIoT(あらゆる機器が接続された状態)を実現しており、このことが物語にも関わってくるようです。
主人公「ユイト・スメラギ」と物語

本作の物語は、主人公である、ニューヒムカの設立者の一族で刀と念力を使う少年「ユイト・スメラギ」が怪異討伐軍に憧れて567期生として入隊試験を受ける事から始まります。
物語ではユイトと脳がつながりあっている仲間との絆が描かれていきますが、単純な助け合いといった絆に収まらない、さらに踏み込んだ形までもが描かれた物語となっています。

信じていた怪異討伐軍が正義なのか、仲間と繋がる事は本当に良い事なのか。といった事への葛藤や、裏の真実を知り自身の意志で戦いを選ぶ様なども描かれていくようです。テーマとしては人々が強制的に繋がる世界での「孤独」といったものにも間接的に焦点を当てていくとしています。
世界観の異質さを強調するためにシンプルな服装にもこだわったそうです。ユイトのヒロイックさやカッコよさの表現を目指しているが実在感のある、なるべく現代的な服装となるようにしています。
また、物語の進行で怒りや悲しみを抱く際に表情をさらに強調するため、主人公のキャラクター設定として普段は優しい表情であるようにしているそうです。

本作で敵となる怪異は人間の脳を捕食する、感情を持たぬ謎の生命体で、様々な種類が存在します。出現予報に加えて、対処法も確立されている為、現実でいうところの地震や台風のようなものとして、市民に極端に恐れられている存在ではありません。

なお、怪異をゲームの世界観で際立った存在とすべく、そのデザインはゲームにとらわれない価値観を求めて、ミュージシャンのCDジャケットデザインや書籍イラストを手掛ける山代政一氏に依頼したとのことです。怪異の姿が有機物と無機物が融合したものであるのにも物語的な理由があるようです。
ゲームプレイ
超能力、特に念力の表現にこだわったという本作ではスタイリッシュなアクションで、刀や念力をミックスしたゲームプレイを楽しむことができます。
主人公の能力である念力を使うことで、車やバリケードといったオブジェクトを敵に当てダメージを与えることができるようです。

プレイ映像では比較的大きな怪異(重大怪異)に対してぶら下がっている構造物を落とすことで大ダメージを与えるほか、油タンクを怪異にぶつけ、油を浴びせる事で炎上させることができ、様々な使い方ができる事が分かります。ほかにも、念力を使用した場合、追加入力でさらなるダメージを与えられるオブジェクトも。

仲間キャラクター固有の超脳力を借り受けて戦うことができる「SASシステム」では、複数の超脳力を同時に発動することも可能。今回は、ハナビの超脳力である発火脳力が紹介されました。

ゲージを貯めることで発動できる「脳駆動(ドライヴシステム)」では、身体能力が上がり、パワーアップした念力アクションを繰り出すことが可能。
怪異の中には外殻の破壊が必要なものもいるほか、ダメージを与え続けることでダウンさせ一方的に攻撃することも可能です。
アクションRPGに欠かせないスキルに関しても、脳をイメージした独特のスキルツリーとなっており、戦略性がありそうです。

アクションゲームにおいて重要なフレームレートに関してですが、PS4/Xbox OneはフルHD・30FPSで、次世代機であるPS5/Xbox Series Xでは4K・60FPSを目指して制作を進められています。なお、PC(Steam)では推奨スペックを満たす事で4K・60FPSで遊べるように調整しているとのことです。
新公開キャラクター紹介
プレス向けキーノートでは魅力的な新キャラクターも公開されました。
カサネ・ランドール(CV:瀬戸 麻沙美)
ユイトが怪異と戦いの中で出会う、謎の少女。クールでそっけない態度だが、その顔はユイトが幼い頃に命を救われた怪伐軍隊員によく似ている。彼女も怪伐軍の隊員のようだが…。
ハナビ・イチジョウ(CV:嶺内 ともみ)
ユイトの幼馴染で、いつも明るく元気な少女。元々はユイトと同じ一般の学校に通っていたが、怪伐軍にスカウトされ、訓練学校へと移った後正式入隊したことで同期として久しぶりに再会を果たす。
フブキ・スプリング(CV:千葉 一伸)
怪異討伐軍第1連隊長で、実質的な現場のトップ。容姿の美しさと対応の良さから、一般市民の女性ファンが多い。怪伐軍の中でも、特に秀でた実力を持つ7人は『七剣星(セプテントリオン)』と称され、フブキはそのうちの一人である。
ナギ・カーマン(CV:内田 雄馬)
お調子者のムードメーカーで、とても気のいい少年。ユイトとは訓練学校からの付き合いで、共に怪伐軍入隊を志願する者として厳しい訓練を乗り越えてきた。ユイトの家柄を知っても特別扱いせず気安く接し、今では親友と呼べる間柄。
プレイ映像中では仲間と頻繁に音声でやり取りしている他、チャット(ブレインメッセージ)も確認できたので「キャラゲー」として楽しみたいプレイヤーも満足できそうです。
実際、映像では登場人物同士の軽妙なやり取りを聞くことができました。
独特の世界観「ブレインパンク」と怪異のデザインが魅力的な本作。物語のテーマでもある「繋がり、絆」が仲間の超能力を借り受ける、というゲームシステムとも上手くマッチしているように感じます。今後の情報に注目です。
『SCARLET NEXUS』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X/PS4/Xbox Oneで発売予定、発売時期・価格は未定です。
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