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そのゲーム、ちょっと違う遊び方してみません?
エンディングのスタッフロールは見たし、やりこみ要素も満喫したし、実績もコンプリートした。それでも物足りなさを感じているハングリーなゲーマーに、新たな遊びを提供する企画がこの「珍妙ゲームプレイ道」。
……ザ……ザザザ………ザザーーー……(電子ノイズっぽい音)
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古来より人類は月を見上げていた。
地球の夜を優しい光で照らすこの星には、一体どのような世界が広がっているのか思いを馳せていたのだ。
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見上げる存在だった月は、いつしか見下ろす存在になっていった。
西暦1969年、アメリカ合衆国の一大プロジェクト「アポロ計画」の集大成であるアポロ11号が月面に着陸。そして、船外から出たニール・オールデン・アームストロング船長は、月の大地に足跡を残し、あの言葉を口にする。
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」
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それから100年後……。
本格的に宇宙進出を果たした人類は、月に軌道エレベーターを建設し、地球と月は旅行と同じ感覚で往来できるようになっていた。
人類は月から地球を見下ろし、さらにその先の星々すらも見下ろそうとしていたのである。
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そう、人類の宇宙進出は順調に進んでいた。
金星人の攻撃が始まるまでは。
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彼らは、人類が月を見上げていた頃から偵察機を飛ばし、自分達に害をなす存在なのか見下ろすように観察していた。
そして人類の宇宙進出が金星人にとって脅威となった今……。
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地球の人々は、金星人が率いる宇宙艦隊を見上げていた。爆炎で赤く染まった地上からただ見上げるしかなかったのだ。
この未知の存在に対して抵抗の術を知る者などいるはずもない。
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高層ビルが建ち並び、活気に満ち溢れていた都市の姿は……今はもうどこにもない。
都市の上空には金星の小型ドローンが飛び交い、動く者全てを抹殺していったのだ。
そして、数ヶ月後、人類の姿は地上から消えていた。
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しかし……人類は諦めていなかった。
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海底基地で息を潜めながら、復讐の機会を覗っていたのだ。
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海底から発射された宇宙魚雷は、敵の目を掻い潜り、地球から飛び立った。
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金星人にとって、まさに寝耳に水であったであろう。宇宙魚雷は金星に到達し、大きな爆発を起こした。地球にいた金星軍の指揮系統は混乱し、一時撤退を余儀なくされたのだ。
金星は甚大な損害を被ったが、これで戦いが終わったわけではない。むしろこの爆発は、泥沼の戦いの始まりを知らせる狼煙に過ぎなかったのである……。
~第二部につづく~
作者から残念なお知らせ
さて、筆者が考えたちょっと無理矢理感があるSFストーリーは楽しめましたか?
ここで残念なお知らせがふたつあります。これからの地球人と金星人の戦いの行く末が気になるところだと思いますが、第二部は制作されません。
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ふたつ目のお知らせは、あなたが月だと思っていた画像は月ではありません。
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実際は、『Ghost of Tsushima』に登場する白馬のケツでした。ごめんなさい。
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これが本作に登場する月です。こうやって比べてみると全然違いますね。
『Ghost of Tsushima』は、御存知の通り、13世紀後半の対馬が舞台であるため、宇宙船や軌道エレベーターなどのSFっぽいものは一切登場しません。
しかし、一切登場しないというのなら逆に登場させてみたくなるのが人の性。そこで今回は、本作のフォトモードを使って、なんとかSFっぽい画像を撮ることに挑戦しました。そして前述の画像をみればわかる通り、筆者は見事やり遂げたのです!
……というわけで、本記事では如何にしてSFっぽい画像を撮影したのか、その挑戦の軌跡を綴ります。
味噌汁に火矢を放ったり、境井仁を水没させたり……
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そもそもこの企画を始めようと思ったきっかけは、白馬のケツを見て「月面っぽいな」と無性に思ったからです。
実際に画面を白黒にして撮影してみると、思った以上に月面に見えました。そこで、月の上空に何か人工物を入れたらもっとSFっぽくならないかと考えたのです。
筆者は、境井仁の刀を使ってフォトモードで撮影すると……
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月の軌道エレベーターができました。
ただ、冷静に考えてみると、月の軌道エレベーターは無理があったなぁと反省しています。
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アームストロング船長の足跡なんて、かなり手抜きでしたね。
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そこらへんの足跡を撮影して白黒にしただけですから。
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偵察型UFOの画像は言うまでもありませんね。
高い場所で「剣聖の陣笠」を撮影しただけです。
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でも金星の画像は個人的に自信作です。金星っぽさが出ているとは思いませんか?
右下にちょっと金具っぽいものが写っていますが。
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鍋の中の味噌汁っぽいものを撮っただけだから仕方ないです。
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なお、爆発し炎上する金星は、味噌汁っぽいものに向かって火矢を放つことで再現しました。
今回の挑戦がなければ、味噌汁に火矢を放つことは無かったと思います。いい経験です。
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地球にやってきた巨大な宇宙戦艦は……
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お寺にあったオブジェクトを真下から撮影しただけです。
フォトモードの機能を駆使して、巨大な宇宙戦艦の先端っぽくしてみました。
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廃墟感漂う高層ビル群の画像は、勘のいい人ならお気づきではないでしょうか。
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お墓にあるアレです。
落ち葉が写っていますが、金星の小型ドローンってことにしました。
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海底から発射される宇宙魚雷の画像は……
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水没した境井仁(天笠装備)でした!
SFっぽくさせられなかったモノも……
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こうして筆者は『Ghost of Tsushima』のモノを無理矢理な発想でSFっぽく撮影することになんとか成功しましたが、全てに成功したわけではありません。実は、これまでに幾度となく失敗しているのです。
例えば、上記の天笠と鎧を装着した境井仁。これをどうにか人工衛星に見せられないか苦心しましたが、結局諦めてしまいました。
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フォトモードを使ってスクリーンショットの色彩を変えたり、ボカしたり、反転させたりしたのですが……、流石に人工衛星に見せるのは難しかったです。でも天笠と鎧を装着した境井仁って、ちょっとだけ人工衛星っぽく見えません?
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蒙古兵の盾にも注目しました。盾に装飾された骸骨を反転させれば金星人の姿にできないかと。
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うーん。無理がありました。
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他にも色んなオブジェクトに注目しました。
お寺の相輪を巨大戦艦のビーム砲台に見立てることはできないだろうか……。
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地面に転がった灯篭をスペースコロニーに見せられないだろうか……。
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日干ししている茶葉、金星の世界地図に見えないかな……。
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蒙古兵のテント、上からみれば宇宙船の脱出ポッドに見えなくもないかも……?
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見えるような見えないような。
……と、このように失敗を積み重ねた結果、なんとか冒頭の作品を作り上げることに成功したのです。
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今回の「SFっぽいモノを撮影する」という挑戦は、一見するとくだらないように思えますが、その過程で『Ghost of Tsushima』を普通にプレイしただけでは注目しないオブジェクトに注目できました。
「◯◯のように見せられないだろうか」とテーマを決めてゲームのフォトモードで遊んでみると、本編では絶対に注目しないモノに注目するようになります。もし本作を遊び尽くしたと思っている人も、筆者のようにSFっぽいモノを撮ってみてください。かなり楽しめますよ!
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