今日も今日とてSteamライブラリという賽の河原で石遊びをしていた僕は対岸に妖しく灯るネオンの光を見ました。虫除け殺虫ライトに引き寄せられる蚊のごとくトップページにたどり着くと、なるほど格闘ゲームセールが開催中(日本時間11月17日午前3時まで)ですか。
リストをスクロールしていけば、往年の名作から最新作までのタイトルがよりどりみどり。さらには格ゲーの範疇にとどまらずアクションや横スクロールゲームのタイトルもチラホラ含まれていて、これはいいですね!
そんな中でふと目を引いたのがこちら。
PC版『キルラキル ザ・ゲーム -異布-』がワンコイン(500円)!
キルラキルといえば、あの服と人間の関係性を意外な方向から、むせかえるほど熱く描写した、一癖も二癖もあるキャラ達がおりなす笑あり涙ありアクションたっぷりのアニメ作品。本作はアークシステムワークスからリリースされた3Dアクションゲームで、原作の空気感はそのままに、原作脚本担当・中島かずき氏が専用に書き下ろしたオリジナルストーリーを遊ぶことができます。
せっかくだからやってみようぜ!
僕は格闘ゲームにおいては初心者もいいところで、アケコンを購入したものの使いこなせないまま結局譲ってしまった過去があります。気持ち的には1/60秒で空中戦を繰り広げるサイヤ人を見上げる一般人。しかしセールで偶然見つけた500円、何より好きな作品のゲームに巡り会えたのは何かのご縁です。どこまで通用するのか腕試し、さっそく遊んでまいりましょう。
起動直後、主人公・纏 流子の相棒であるセーラー服「鮮血」が各企業のロゴを表示に合わせて読み上げます。なんとなくこの部分は往年の名作『ドラッグオンドラグーン』シリーズを思い出します。特に2で、エリスが元気よく企業名を読み上げるのは、なんだかこちらまで元気になるような(以下略)
ストーリーモード
タイトル画面では「ストーリーモード」「対戦モード」「プラクティスモード」「ギャラリーモード」が選べます。ゲーム開始直後だと、このようにストーリーモード以外は鍵がかかっていますが、最初の「第一話」をクリアするとアンロックされ、以降はストーリーの進行や、プレイで手に入るゲーム内通貨などによって各モード内の要素が解放されていきます。
ともあれまずは「ストーリーモード」から紹介していきましょう。
なんか普通にアニメが始まった!?これが初見で得た感想です。
すごいですね3DCGのはずなのに、完全にアニメそのものなキャラクター達が動き回っています。このお話では流子とライバル以上の関係である鬼龍院 皐月(通称、皐月様)を操作して遊ぶことができます。
しばらくムービーをお楽しみください。このお馴染みのテンポに話の展開、第一話と銘打つだけあって構成はほぼアニメ本編を模しているのですね。
ようやく戦闘パートに入りました。格闘ゲームセールでリストアップされているのですから本作だって格ゲー。画面を奥行き含め縦横無尽に走り回っていると一瞬「ただのアクションゲームでは……?」と思いかけますがどっこい、しっかりコマンド入力が求められるので、やっぱり格ゲーです(強弁)
さてさてコマンド入力は僕が一番苦手な部分。白状しますとキャラクターが左右逆を向いただけで波動拳が放てなくなる程で、『MELTY BLOOD』シリーズにおいては琥珀さんを「サボテンを繰り出すだけのマシン」にしてしまったことを思い出します。
しかし本作のコマンドは見たところずいぶんとわかりやい。Xboxコントローラを使用しているため、正確なスティック入力を求められたら潔く散ろうと考えていましたが、攻撃ボタンの組み合わせて大抵の技は放てるようです。
友人に「いま俺CPUと戦ってるの?」とまで言わしめた腕前であっても、本作では充分に戦えました。チュートリアルで何をというツッコミもその通りだと思いますが、初心者未満の技量だった僕からすれば、簡単な操作でコンボが繋がっていくのはとても楽しい。
対戦モード
続いて対戦モード。ストーリーモードの「第一話」をクリアした直後では、CPUまたは2Pと戦うことができます。同時に、皐月様や流子の他に、満艦飾マコや四天王などのキャラクターがアンロックされています。ストーリーモードをさらに進めていくとオンライン対戦も解放され、全国のプレイヤーと戦うことができます。
CPU戦ではありますが、試しに流子とマコちゃんを戦わせてみたところ、ガッツリと専用の掛け合いがありました。おお!これは原作ファンには嬉しい要素。
で、あれば当然見たくなるのはこの組み合わせです。
完璧な解釈一致(?)による蒲郡先輩と漫才会話が繰り広げられています。
なお両者ともに負けた時の台詞がほぼ一緒でした。
そしてこの勝利台詞、原作ファン特攻にもほどがあります。
プラクティスモード
こちらは好きな環境設定で、キャラクターの性能を確かめることができるプラクティスモード。
具体的なコンボ例もこのようにリストアップされていて大変わかりやすいですね。
この時、たまたま操作キャラに選んだのがよりにもよってDTRの全裸男性2名なので絵面がひどい。ひっどい。
技それ自体はカッコイイのですが、光り輝く股間にすべてを持っていかれます。
ギャラリーモード
ここでは用語集や人物紹介など作品世界に関わる要素をじっくりと読み込むことができます。それ以外にもアニメパートやボイス、サウンドテストさらには記録した自分の戦闘リプレイも確認できます。
個人的に面白いと感じたのは、デジタルフィギュア鑑賞の要素で、作中に登場するキャラクターを好きなように並べることができます。
例えばこのように喧嘩部部長マコちゃんを腕組み一列に立たせることも可能。なんだかアニメ本編でもこんなシーンがあったような気さえしてしまいます。
ただポーズや背景の解放に結構高額なゲーム内通貨を支払わなければならないため、コンプリートを目指す場合は、ハードなゲームプレイになりそうな気配も。
おわりに
本作は3Dアクションゲームではありますが、コンボと読み合い要素がしっかりあることから、本作は素人目に見ても格闘ゲームセールにリストアップされてしかるべきタイトルだと感じます。
惜しむらくは、僕の技量がそれでもコンボを繋げるというよりは「ひとつひとつの技を都度、ぶつ切りで発射している」という感じが否めないので本作が売りにしているゲームシステムのいくつかを味わうことができなかった……!これは要練習ですね。
ともあれ、原作アニメが好きで格闘ゲームの要素を含んだアクションが得意な方、興味を持たれた方は本作をこのセールをプレイされると良いでしょう。Steam格闘ゲームセールは、日本時間で11月12日~17日の午前3時まで。ここからさらに色々な格闘ゲームタイトルに触れてみるのも良いかもしれませんね。