Little Orbitは、ターン制SRPG『Unsung Story』の早期アクセスをSteamにて開始しました。
同作は、2014年にKickstarterにてクラウドファンディングキャンペーンが行われたシミュレーションRPG。当時はPlayDekが開発・パブリッシングを行っていました。
ゲームデザイナーの松野泰己氏やキャラクターデザイナーの吉田明彦氏、コンポーザー・アレンジャーの崎元仁氏といった名立たる日本人スタッフが開発に携わるという触れ込みでプロジェクト始動した同作は、目標額60万ドルに対し66万ドルを集めて目標金額を達成。しかしながら、その後プロジェクトは2015年のリリースを延期することとなり、2016年2月には同作について主要スタッフの離脱や資金難などにより非常に厳しい見通しとなっていることが発表されていました。
2017年、『Unsung Story』プロジェクトを引き継ぐことになったLittle Orbitは、同作をいちから開発し直す旨、松野氏のゲームデザインと、当初のシングルプレイヤーゲーム構想に立ち戻る旨をバッカー向けに伝えていました。
同作の説明欄には
『Unsung Story』は、松野泰己氏による『FFT』『ベイグラントストーリー』の精神的後継作です(Unsung Story is Yasumi Matsuno’s spiritual successor to Final Fantasy Tactics and Vagrant Story)
マスターデザイナー、松野泰己氏が生み出した全く新しい魔法の世界を探索しよう(Explore an all-new magical world created by master designer Yasumi Matsuno)
という文言が並んでいますが、松野泰己氏(@YasumiMatsuno)によれば、同氏の戦闘・フィールドに関するアイデアは既にKickstater開始時点で大きく方針転換されており、PlayDek時代のプロジェクト瓦解時点で連絡が途絶えてしまっていたとのこと(その後Little Orbitとのやり取りを通し、正式にプロジェクトを離脱)。
松野氏はLittle Orbitによる新生『Unsung Story』の開発には携わっておらず、同氏のゲームデザインやストーリーラインがどのように『Unsung Story』に用いられているかは自身も知らされていないとのことです。
どういった情報が公開されているか詳細をまったく知らないが、私はすでにノータッチ。プロジェクトが瓦解した時点ですでに連絡は途絶え、いつの間にか、他社へ譲渡されていた。その後、先方から連絡をいただき、正式に離脱することになった。世界観とプロットはどうやら残っているようだが、(続 https://t.co/8UfICNDT4t
— 松野泰己 (@YasumiMatsuno) December 16, 2020
続)戦闘やフィールド等へ提供したアイデアは、初期段階(Kickstarter開始時)に方向転回されてしまった。私はフィールドを含めて大きく変更したかったが、先方がマス目のターン式に強く拘ったためである。あくまでもTOやFFTのコピーを作りたかったようで、そのあたりで私も吉田も離脱した。(続
— 松野泰己 (@YasumiMatsuno) December 16, 2020
続)プロジェクトを引き継いだLittle Orbit社の代表と2018年にお目にかかり、事の経緯をご説明いただいた。その際に正式に離脱することを確認し、彼らもそのことを公にすると回答をいただいた。実際、今年のライブストリームでは支援者からの質問にそう回答したようだ。(続
— 松野泰己 (@YasumiMatsuno) December 16, 2020
続)最後に届いたメールには "This is all very much based on (or inspired by) your design and storyline." とあるが、具体的に何をどう利用したのか提示されていないし、私もまったく把握していない。
— 松野泰己 (@YasumiMatsuno) December 16, 2020
というわけで、サービスがリリースされたら一般プレイヤーと同じ目線で楽しみたいと思う。
『Unsung Story』はPC(Steam)向けに3,090円で早期アクセスを実施中。早期アクセスは1年半ほどを予定で、7ミッションからなる第一章と初期6クラスほどが実装されているとのことです。