『バトルフィールドV』の発売から3年、いまかいまかと首を長くして待っていたファンも多いかと思います。ほかでもない筆者もその一人。長い前置きはいらない、ということで満を持して発表された『バトルフィールド』シリーズ最新作の情報を早速お伝えしていきます。
ただ、『バトルフィールド』シリーズも次世代へと主領域を移したことで多くの変化が生じており、お伝えする情報も膨大になっているため、以下の順番に区切ってポイントを抑えていきましょう。
ストーリー
ゲームプレイ
マップ
クラス
装備品
発売日とその他・気が付いた点
ストーリー
本作には、シングルプレイヤーモードが搭載されません。『バトルフィールド』シリーズに限らずマルチプレイが主となるゲームにおいてのシングルプレイモードは、プレイ体験に占める時間的割合が少ないにも関わらず、開発の労力が非常に高いことが以前から指摘されていました。
もちろん、世界観の核となるストーリーは存在しており、魅力的で作りこまれたなストーリーをプレイヤーがゲーム中に見つけるシステムとなっています。シングルプレイが無いからこそ、確固とした世界観が作られているのです。この点は『Titanfall』の世界観を受け継ぎ、各キャラクターに個性的なバックグラウンドが設定されているもののシングルプレイは無い『Apex Legends』に近いように感じました。過去の『バトルフィールド』シリーズには魅力的なシングルプレイ用シナリオが多く(筆者はBF1の「鋼鉄の嵐」が大好きです)完全に無くなるのは少し残念ではありますが、広大な戦場の中で、あるいはゲームのいたるところで真に一人の兵士として世界観を味わうという体験は、それはそれで歓迎すべきだと考えます。
気になる舞台は、食糧やエネルギー、綺麗な水さえ不足し何十もの国が破綻した2042年の世界。この世界では、国を捨てた兵士や技術者の「ノーマッド」とロシアやアメリカといった大国が生存権を巡り相争っています。
ずばり、今作のタイトルは『バトルフィールド 2042』プレイヤーは深刻な環境問題で混乱した世界の一兵卒となり、超規模とも言える戦闘に身を投じることになるのです。
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ゲームプレイ
基本的なゲームモードは3つに分かれているそうですが、今回の会見において具体的な内容は全面戦争(All out warefare)モードのみ解説されました。このモードは旧来からの人気モードが集まっており、具体的にはコンクエストとブレイクスルーがこれにあたります。
2つの巨大な軍がぶつかり合うこれらのゲームモードは『バトルフィールド』らしい瞬間にあふれており、プレイヤーの運と技量が問われるゲームモードですが、敵と戦うのが苦手なプレイヤーにも楽しんでもらいたいという思いからAI兵士が初めて導入されます。
また、驚くべきことに『バトルフィールド』史上最大の128人対戦に対応しています。前世代機向けはプレイ人数が減り、32対32人でマップサイズも縮小していますが、次世代機およびPCで64対64人対戦が実現します。
変化したフラッグ制圧システム
これまでの2倍の対戦人数である128人対戦に対応するため、全体的にマップは大きくなっています。そのため、BFでは馴染み深かったコンクエストでのフラッグシステムが変わりました。
新たなシステムではマップを複数のセクターに分け、そのセクター内に存在する複数の目標物を制圧することでセクターを自軍が獲得できる仕様となっています。例えば、後述する南極を舞台にした「Irrevesible」では自陣のHQを除いた6つのセクターがあり、それぞれABCDEFに分かれています。「F1」「F2」を制圧すれば「Fセクター」が自軍の物になりますし、「A1」「A2」「A3」を制圧すれば「Aセクター」を自軍の物にできます。但し、すべてのマップでこのシステムが導入されているかは不明です。
また、マップが広くなることで冗長なゲームプレイとならないよう、建物が密集したエリアやスタジアム、村といった「クラスター」が配置され、クラスター内の攻略目標を全て制圧すればクラスターを自軍が掌握できるようです。
フラッグシステムに関して大きく変化したようですが、残念ながら筆者も一試合通したゲームプレイを観たわけではないので、具体的にどのようなシステムとなっているか不明瞭な点も多く、詳細は情報が解禁され次第お伝えしていく予定です。
マップ
公開されたマップの数は従来より少ないものの、一つ一つのマップが巨大なため同じマップ中で多様な表情を見せてくれました。マップは世界中の多種多様な地域からインスピレーションを受け構築されており、バリエーションに富むマップが公開されています。以下では開発者からの説明に加え、断片的ながらも見ることのできた映像や写真から筆者の印象も併せて全てお伝えしていきます。
竜巻が吹き荒れる韓国の都市部を舞台にした「Kaleidscope」は水陸両用車が行き来できる運河に加え、複数のビル内に入ることができるようです。マップの雰囲気は「Siege of Shanghai」に近いですが、後述する竜巻が存在しており、これが予測不可能なゲームプレイ体験をもたらしてくれそうです。
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シンガポールの湾口地帯を舞台にした「Manifest」はコンテナ地帯や船、クレーンが特徴的でそれらがクラスターとして攻略目標になっています。公開されたマップ映像では時間設定が夜のようですが、仮に本当に夜のマップであれば他のマップとは戦闘の体験も大きく変わりそうです。
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フランス領ギアナが舞台の「Orbital」はロケット発射場がユニークな舞台。映像ではロケットによる激しいマップの変化が確認できました。
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他にも、干上がった地に佇む巨大船が特徴的で開発者曰く近距離戦に最適な「Discarded」。
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エジプトの農業技術センターを舞台にした「Borderline」は農業地帯と砂漠のコントラストが面白いです。
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カタールの砂に埋もれた都市を舞台にした「Hourglass」は砂嵐と高速道路が特徴的で、都市道路を利用した車対車の戦闘が魅力なのだそうです。ちらっと映った映像では都市外はかなり開けており、戦車が活躍しそうな一方で都市内はカオスになりそうでした。
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南極を舞台にした「Irrevesible」は爆発する巨大な工業用貯蓄庫(サイロ)が点在しており、広さも『バトルフィールド2042』最大のマップにして、『バトルフィールド』史上最大のマップです。画像では分からないですが、建物も多かったです。
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全てのマップに共通しているのは128人対戦に合わせて巨大化していること。そのため一つのマップに様々なロケーション、構造物が存在しており、マップが少ないからと嘆く必要はなさそうです。
もちろん、地面の破壊や天候の変化といった従来の要素は健在ですし、今作ではこれらに加えて竜巻等の自然現象も加わります。竜巻はマップを縦横無尽に移動しており、破壊や混乱を引き起こします。竜巻に飲み込まれると車両やプレイヤーは地面から掬い上げられ、放り投げられるようです。放り投げられるとジャンプスーツで移動することも可能です。
また、『バトルフィールド 4』の「レボリューション」を更に発展させた大規模な地形変化/環境変化システムも搭載しています。公開された映像では「Orbital」で打ち上げに失敗したロケットが引き起こす混乱や「Hourglass」の砂嵐が確認できました。
一方で『バトルフィールドV』に存在した建築要素は今のところ確認できていません。一度も言及が無かったことをみると、建築要素はオミットされた可能性が高いでしょう。
クラス
「スペシャリスト」が導入され、クラスの扱いが従来から変化しています。スペシャリストは基本的に古典的なクラスに属していますが、ジップラインや蘇生銃、セントリーガン、偵察ドローンなどのガジェットを使用でき、武器も全て自由に選べます。
今回の発表では4人のスペシャリストが公開されましたが、今後さらに追加されるようです。
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ただ、どのような場合に使えるのかといった全貌を今回のプレゼンでは掴めず、筆者も明確に皆さんにこのシステムを伝えることができず残念です。今後数か月のうちに更に情報を公開するとのことですので、楽しみに待ちましょう。
装備品
2042年という年代設定にふさわしいティルトローター式ヘリ(オスプレイ?)、ムササビのようなウィングスーツ、タレット、ビッグドッグの亜種のようなものまで多種多様な兵器が存在しています。
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開発陣は乗り物をチームプレイのプラットフォームにしたいと語っており、全ての座席が重要な役割を持つような設計の兵器もあるようです。また、広大な戦場に対応するため、歴代で最も車両を手に入れやすくしています。上限数は有るもののプレイヤーはいつでも車両を配送依頼可能で、数秒後にパラシュートで手元に来るようです。
兵器にはAH-64アパッチやSukhoi Su-57(ゲーム内表記ELON Su-57)といった実際に存在する物のほか、架空の装甲車両も存在していました。
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最も身近な兵器である銃も『バトルフィールド 4』を超えたカスタマイズが可能で、ハンドグリップや弾倉はもちろん銃身や弾薬まで改造可能です。また、ゲームプレイ中にサイトや弾倉の種類を変更できるようです。銃のラインナップにはクリスヴェクターKRISS Vector(ゲーム中表記K30)等を確認できました。クリスヴェクターはドラムマガジンにも変更できるようです。
発売日とその他・気が付いた点
発売日
『バトルフィールド 2042』の発売日は10月22日。小売店およびデジタルストアにて販売されます。予約購入された方には、オープンベータへの早期アクセスが提供されます。各エディションの情報については公式サイトにて確認できます。
また、シリーズで初めてバトルパスが導入され、シーズンごとに新たなコンテンツが用意されています。最初の4シーズンでは新たな4人のスペシャリストとマップが実装されるようです。このバトルパスは有料と無料の2種類ありますが、どのような形式で進行するのかは不明です。
その他・気が付いた点
近接キル時、ジャンプスーツ/パラシュート降下時には3人称視点となっていました。このことから、『バトルフィールドV』に引き続きスキンのカスタマイズ要素があるかもしれません。
BF4にはなかったロシア軍のOKP-7サイトがスペシャリスト紹介時に確認できました。また、同じくスペシャリストの紹介映像では味方の頭上に緑色の識別マークが付いており、敵味方の判別は少なくとも『バトルフィールドV』よりは楽そうです。スライディングもありました。
クロスプレイに関しては存在するものの、どのようなものになるかは後日説明するとのこと。
全面戦争(All out warefare)モードとは異なる「HAZARD ZONE」モードでは分隊に軸を置いた全く新しい高難易度のゲーム体験となるが、バトルロイヤルモードではないとのこと。今回は何も公開されませんでしたが、こちらにも期待したいです。全面戦争モードにおいて、コンクエストやブレイクスルー以外のゲームモードが有るかについても今のところ説明できないようですが、発売日が近づけばもう少し話せるとのこと。また、アンチチートシステムに関しても後日とのことです。
今回のメディア向け配信イベントにて最も印象的だったのが、開発者の「バトルフィールド2042で目指しているのはクレイジーなサンドボックス」という言葉です。この言葉こそ、多くのファンやプレイヤーが『バトルフィールド』に望んでいた要素なのではないでしょうか。今はまだ第一報。新たなクラスやゲームモードに関して等、不明点が多いです。また、チート問題に関しても対処できるのか不安な要素となっています。ですが、「クレイジーなサンドボックス」の言葉を信じて、楽しみに待ちたいと思います。
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Game*Sparkでは引き続き情報が公開され次第お伝えしていく予定です。