『スカイリム』OPの“あの馬車”には様々な苦労があった……岩で道から外れ、ハチに吹っ飛ばされる | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

『スカイリム』OPの“あの馬車”には様々な苦労があった……岩で道から外れ、ハチに吹っ飛ばされる

最強のハチ、爆誕。ゲーム開発の苦労が垣間見える、ちょっとクスっとできるエピソード。

ゲーム文化 カルチャー
『スカイリム』OPの“あの馬車”には様々な苦労があった……岩で道から外れ、ハチに吹っ飛ばされる
  • 『スカイリム』OPの“あの馬車”には様々な苦労があった……岩で道から外れ、ハチに吹っ飛ばされる

ベセスダ・ソフトワークスに14年間在籍したゲーム開発者Nate Purkeypile氏が、自身のTwitterで『スカイリム(The Elder Scrolls V: Skyrim)』の馬車に乗る有名なオープニングシーンの舞台裏を語りました。

主人公が馬車で目覚め同乗者に話しかけられるこのオープニングシーンは、Purkeypile氏によれば「永遠に作業を続けなければならない」というほどに大変なものだった様子。馬車は設定されたレールに沿って移動するわけではなく物理的にシミュレートされた挙動で動作しており、岩や石などの環境物が散らばっていると馬車の挙動が不安定になって、道路から飛び出してしまうこともあったようです。

さらにある日、馬車が突然激しく揺れ始め、ロケットのように空高く打ち上げられてしまう現象が発生してしまいます。誰もが何が起こっているのかわかりませんでしたが、その挙動は「ハチ」によるものでした。ハチは通常プレイヤーが捕獲できますが、開発初期ではバグによりうまく動作せず、一度のコリジョン調整でこの問題は解決したものの、その過程でハチに強大な力を与えてしまったといいます。

この調整によって物への当たり判定を付与されたハチがたまたま馬車の進路を横切った時、不動の力を持った最強のハチが爆誕。「絶対に動きたくないハチ」と「絶対に進路に進みたい馬車」のお互いがぶつかり合い、主人公が乗る大きな馬車は小さなハチに天高く吹っ飛ばされてしまったのです。

これらのバグの資料は残念ながら残っていませんが、ゲーム開発はたった1シーンであっても、予測不能なバグによって大きく左右されるという大変さが分かるエピソードでした。

『メトロイド プライム3』や『Fallout 3』『4』『76』『Starfield』などに携わったPurkeypile氏ですが、現在はインディーデベロッパーとして活動中。また、現地時間8月19日から3日間開催されるイベント「QuakeCon 2021」では、同作の開発者が思い出を語るセッションも予定されています。

《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

ゲーム文化 アクセスランキング

  1. 『GTA5』用の『GTA6』マップModを制作者が不満もあるけど削除。テイクツーが突如、著作権侵害を理由にYouTube動画を削除したため

    『GTA5』用の『GTA6』マップModを制作者が不満もあるけど削除。テイクツーが突如、著作権侵害を理由にYouTube動画を削除したため

  2. GDC会場はリンゴ1個が800円!水が1,100円!!まともな食事は3,000円以上から!!!孤独の取材メシレポート

    GDC会場はリンゴ1個が800円!水が1,100円!!まともな食事は3,000円以上から!!!孤独の取材メシレポート

  3. 雨ニモマケズ、凍結ニモマケズ…災害を生き延びた“Steam Deck”。なんとディスプレイもコントロールも問題なし

    雨ニモマケズ、凍結ニモマケズ…災害を生き延びた“Steam Deck”。なんとディスプレイもコントロールも問題なし

  4. 『Ghost of Tsushima』の舞台、対馬にある和多都美神社が観光目的での参入禁止に―オーバーツーリズム訴え「崇敬者」のみ受け入れる姿勢

  5. 偽物溢れるレアゲー界隈…なら開発者が偽物認定すればいいじゃない!?開発者による「偽物認定証」付き『SM調教師瞳』シリーズが販売され秋葉原では即日完売

  6. 新たなフロンティアで暮らすローポリ・ディストピアRPG『beta decay』2025年早期アクセス実施予定!

  7. 『鋼嵐』はスクウェア・エニックスが関係して作られたものではない―開発中止『フロントミッション』アセット不正流用の訴訟について

  8. ESAと任天堂など大手ゲーム会社、アクセシビリティ機能に関する情報を提供する業界団体「Accessible Games Initiative」を発足―今後はタグ表記で対応ゲームをよりわかりやすく

  9. 『サイバーパンク2077』エンディングは作り手とプレイヤーの対話でできている―CD PROJEKT RED開発者パネルセッションレポ【GDC2025】

  10. 終末RPG『ATOM RPG』シリーズの続編に関するアンケートが実施―再始動に備えてファンの意見を募集

アクセスランキングをもっと見る

page top