注意
本作はアクションゲームではあるものの、パズル要素がほとんどなので、本文ならびにスクリーンショットが解法のネタバレになってしまいます。そのため、そういった前情報を一切仕入れずプレイしたいという方は、この時点でブラウザバックすることを強くお勧めします。
最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はMING YEN WU氏が開発を手掛け、Light of Creatorsがパブリッシャーを担い、2021年12月16日にSteamにてPC(Windows)向けにリリースしたスタイリッシュACT『《Drifting : Weight of Feathers》』について生の内容をお届けしたいと思います。
『《Drifting : Weight of Feathers》』とは?
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本作は広大な海と巨大な人口建造物が浮かぶ惑星Bluestarを舞台に、セクシーな衣装に身を包んだ罪人のフェイ(31歳)をスタイリッシュに操作して、敵を蹴散らしながらパズルギミックを解いていくステージクリア型のアクションゲーム。
実際のところ、簡単操作で爽快感を楽しむというよりも、失敗を繰り返してやっとの思いでパズルを解いた瞬間を喜ぶというプレイ体験でした。いや、むしろその大変さで「悦ぶ」方もいらっしゃるかもしれません。
物理演算によるオブジェクトの気まぐれな挙動にどこまで耐えられるかという修行の中で、フェイの尻はある意味において気を鎮めてくれる癒し効果がありました。ともあれ早速紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
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本作の操作はキーボード&マウスならびにコントローラーに対応。設定は画質の変更や音の調整といった基本的なものが並びます。言語は日本語にも対応。
なお胸の効果、腰の効果はそれぞれの部位における「揺れ」を調整するようです。見た目の大小かと勘違いしてよっしゃ最大に極振りじゃとやりましたが、あくまで揺れ方が多少変わる程度。
かっこいいムービー
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新規ゲームを開始するとムービーがはじまります。てっきりゲーム本編における特殊アクションやパズル要素などの紹介かと思いきや、特にそんなことはなく、殆どがスタイリッシュアクション全振りの映像が流れます(壁走りとか、フックショットなどはあるものの)。
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主人公が31歳でキワドイ衣装に身を包み、近代的な装備の敵兵士を倒していくだけの内容がただただ2~3分ほど流れ続けます。この「かっこいいムービーだろう!見てくれよな!」というスタンス、個人的に結構好きかもしれません。
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見た目がスタイリッシュで、独特な操作性
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ご覧ください、丸出しです……じゃなくて、本作はすべての挙動にスタイリッシュな演出が添えられており目を楽しませてくれます。画像は左右移動にジャンプ操作を加えた回避アクションをしているところですね。時間の流れが一瞬遅くなるので、次のアクションにつなげる際に意外と便利。
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基本の移動は徒歩なのですが、その速度はやや小走り程度で遅い。おそらくパズルギミックを解く際の位置微調整などで使用するので良いのですが……俺が遅い?俺がスロウリィ?冗談じゃあねえぜ!という方はフックショットや壁走りがオススメ。
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フックショットはご覧の通り、壁、床またはオブジェクトにブレードを射出して突き刺し、ワイヤーを巻き取ることで一気に距離を詰める便利な機能。パズルギミックを解く際にもオブジェクトを引っ張って動かしたりするので本作におけるメイン装備ですね。
とはいえマップの端から端までブレードが届くという訳ではなく「使用可能距離」があり、画面中央に表示された逆三角形の照準が白くハイライトされたらOKということですね。
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壁走りをすればこのように全力疾走が可能。垂直の壁だってなんのその。じゃあ床もこれくらいのスピードで駆けておくれよと思わなくもないのですが、狭い足場なども多いのでこういう割り切りの方が良いのかもしれません。
ただ壁走り中は操作が極めて独特で、前後スティック操作にかかわらずカメラ方向(正反対へのカメラ切り替え時除く)へ前進し続けます。左右入力でやや左右へずらせる程度なので、壁走り中に方向転換する際はむしろフックショットを使った方が楽ですね。
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壁の途中で立ち止まれば(?)、画像のように片手を壁にひっかけてズザザザザと滑り落ちる格好になるので、そのタイミングで別の壁に狙いをつけるというやり方。
パズルは根気よくできるかが鍵
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ムービーを見ると、本作は敵とのスタイリッシュな戦闘が主かと思いきや、実際のメインディッシュはパズル要素にあります。何度も挑戦しながらコツコツと努力を続けてクリアを目指すというプレイ体験が徐々に癖になっていきますね。
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ほとんどのパズルは「像に銀の玉をセットして攻撃を当てる」といった具合にオブジェクトの移動が必須で、そこで立ちはだかるのは物理演算の壁でした。
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オブジェクトをロックしてフックショットを当てたら、スティック操作で目標へ向けて引っ張り飛ばすというただそれだけのはずなのに、この物理演算が何をどう悪さをするのか(おそらく自動エイム補正も働いているはず)、オブジェクトが明後日の方向へ飛んでしまい何度もやり直すことになるのです。
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そしてパズルはゲームを進めるごとにどんどんアクションを要求するようにもなり、敵兵士を攻撃して銀玉(きわどい表現)に換えてから、目標へ投げつけるという曲芸じみた操作の時は何度か呻き声が洩れました。特にここぞという瞬間にオブジェクトが謎の方向へ飛んでいったときなど……。
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とはいえ、そうやって繰り返すうちに「目標側からオブジェクトを掴んで引っ張り込めば、上手くハマる」などテクニックを学んでくるので、クリア自体は可能なレベルデザインにはなっています。
その他の要素
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残り3,600秒!?って1時間か、結構あるな……なんて思っていたのですが、パズルと格闘したり、疲れて尻を眺めているうちにあっという間にリミットがきてしまうというオチ。とはいえゲームオーバーにはならず、あくまでオンラインでのスコアランキングに影響を与える要素でした。
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また本作はちょっとした収集要素もあって、ヘアスタイルを変更できたり。
おわりに
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パズルに詰まった時は尻でも見て落ち着こう、という心がけは本作で学んだ大きなことです。特殊な操作性と謎の物理演算が最大の敵として立ちふさがろうとも、この尻を眺め続ける限り平静をたもってコトにあたれるのです。
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そして繰り返しになりますが、あきらめずに挑戦を続けていればクリアはできるようにデザインされているので、頑張って物理演算と戦い続けましょう(?)。
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年12月16日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:1,368円