ハードコアなゲーマーの皆さん!ゲームを遊んでいる際、こんなことを思ったことはありませんか?「このアイテムよく見るけど、どんな味しているんだろ?」と。私はしょっちゅうあります。
そこで、本記事ではこの疑問を「解消」すべく、名前だけはよく聞くけど実際の味はよくわからない筆頭である「あの食べ物」を購入、その実態に迫るべく調理していこうと思います。
みなさま、お待たせいたしました、料理企画第3回でございます。決して打ち切りになったわけではなく、単純に私のキャパオーバーでタイミングを逸しておりました、申し訳ございません。(tips:V◯◯◯プのデジタルカードゲーム攻略本のお仕事を2本同時に受けると死ぬ)


ということで、今回のターゲットはこちら。「鹿肉を使った料理」です。
『The Elder Scrolls V: Skyrim』での衝撃的なオープニングを終え、リバーウッド~ホワイトラン周辺で自然と盗んで揃ってしまう食材たち。それらを使った、シンプルながらそこそこ長いHP/スタミナの自動回復がありがたい便利な料理です。
「普通?」と思う方もいるかも知れませんが、多くの場合、現実ではジビエ料理などのお店に行かないとなかなか意識して鹿をいただくということも少ないですよね。今回は「オデ…シカ…タビタイ…」の欲望から逆算したゲーム選定となっています。
はい、さっそく購入しました。便利ですねー通販。今回は楽天市場に出店している「北海道えぞ鹿肉専門店 北のジビエ」さんで購入した…

「鹿肉 スペアリブ 1kg」と

「モモ肉 ブロック 500g」で料理を作っていこうと思います。ちなみにどちらも1,000円代で手に入ります(送料別)、鹿肉を買ったのは今回初めてですが、もう少し値の張るものかと思っていたので驚きました。
まずは鹿のチョップを作っていきます。というかスペアリブですが。国語辞典でチョップを引くと「肋骨の付いた厚切りの肉」だそうですので、許容範囲内!ちなみに日本では肋骨に付いてるお肉の部位によって名前を変えるのがよくあるパターンのようです。(チョップはロース肉、スペアリブは3枚肉)この記事の作成中に調べて一人で「へぇ~」となっていました。

バットにお肉を広げます。

そのままの鹿の味を知りたいということもあるため、シンプルに塩コショウのみを振り

オーブンでグリります。ジビエの生焼けはめちゃめちゃ怖い(編集部注:ジビエ料理を自作される場合は本当に気をつけましょうね)のでしっかり25分ほどいっときましょう。

半分くらい経過した段階。火が入っているのがわかります。

25分後。しっかり焼けてますね。そして脂がスゴイ。

はい!鹿チョップの完成!
試食したところ、赤身部分は他の畜肉といい意味で変わらず、肉食ってるなぁ~という感じに美味しくいただけます。脂の部分ですが、畜肉には無いケモノ的香りがわずかにありました。ある意味、他の畜肉でなく鹿肉を食べる理由はこの香りを求めてのこととも言えるので、個人的には「アリ」です。
ただひとつ難点としては「脂身がちょっとクドい」んですね…。これを調理して試食していた時の感覚的な話なんですが、牛や豚よりも早く脂が白く固まっていった気がしたんです。なにか理由があるのかな?と思って調べたところ、牛肉の脂の融点は45度前後、豚肉は40度前後に比べ、鹿肉の脂の融点は55度周辺と高いそうです。つまりどういうことかというと「ちょっと料理が冷めだした瞬間に脂が固まってくる」わけです。これが鹿のチョップという料理法には致命的でして……。なんなら写真撮影してる間にうっすら脂が固まってました。自分も作ってみよう!という人はアツアツの状態で即かぶりつきましょう。

そんな中、大活躍したのがクミンなどのスパイスを調合した調味料、古樹軒の「羊名人(ようメ~じん)」です。本来は名前の通り羊肉用に開発された総合スパイスです。が、これが合うこと合うこと。脂のクドさやケモノフレーバーがクミンや五香粉と合わさることで、一気にすべてのデメリットがメリットになるといいますか、“ステータスが毒状態の時のみAtk+120%”なんて感じの、強烈なデバフ中のみメチャメチャ強くなるアクセサリといいますか、野性的なお肉はコレを一振りするだけで美味しい→超美味しいになります。自分はカルディで買いました。オススメです。
さあ、鹿肉そのものの味を確かめたあとは、メインのシチューの調理にまいりましょう。『スカイリム』で「鹿肉のシチュー」を作る際に必要な材料は鹿肉、塩、じゃがいも、リーキの4種類です。

今回用意したじゃがいも。今回はGame*Sparkのお金だし美味しさ優先で「キタアカリ」。男爵系の品種ですが、男爵より甘みが強いのが特徴です。

本当はリーキ(西洋ネギ、ポロネギとも呼ばれる)を用意したかったのですが、年末モード(撮影当時)になっているスーパーに急にリーキが置いてあるわけもなく……というか普段でも見かけませんしね。今回は食感や太さ、加熱した際に甘みが強く出るという特徴が似ている「深谷ねぎ」で代用します。ちなみにスーパーや八百屋を6件はしごしましたがリーキは影も形もありませんでした。『スカイリム』料理では意外と利用頻度もあるため、自作を考えている方は注意しておきましょう。

大事な材料があとひとつ。シチューのルーです。どうやっても『スカイリム』のレシピだけでは肉と芋とネギの塩煮込みになってしまうので用意しました。ブラウンソースから手作りというのもちょっとしんどいので…。許してください。これを選んだ理由はパッケージの四隅が丸くなっていてかっこよかったからです。

では材料を切っていきましょう。お肉は一口サイズより気持ち大きいくらい。

じゃがいもはゴロゴロ入ってて欲しいので1/2カット。

ネギも煮込んだ時に形が残っていて欲しいのでかなり大きめにぶつ切り。青い部分はシチューには入れず、なにかの機会に使います。(鶏むねを茹でる時の臭み消しとか)

鍋に油を引き、肉を投入。

いい感じに塩を振っておいて

ネギを投入。なんだか鍋とのサイズ比がおかしい気分に。

脂分が欲しい気がしたので、スペアリブを削いで後入れしておきます。
火が通ったら水を入れて煮込みます。

沸騰したらアクを取りつつ、じゃがいもを投入。混ぜすぎるとネギが崩壊していくので注意しながら。

じゃがいもに火が通るまで煮込んだら火を止め、ルーをいれて溶かせば…

できました!『スカイリム』風鹿のシチューです!木の器があればよかった!

『スカイリム』のグラフィックと比較。肉・ネギ・芋のシンプルな具材による色味の無さがかなり再現されているんじゃないでしょうか。
もちろんシチュー部分は既製品ですから、しっかりコクのある深い味わい。S&Bはやっぱりすごい。
シチューにおける鹿もも肉は脂の部位にあったような香りは控えめに、かわりに赤身肉とレバーを同時に食べているような、独特な風味?のある不思議なお肉でした。これ好きかも……!
そしてネギ、「シチューに長ネギって!」と思っていたのですが、しっかり煮込んだことによってネギ独特の辛さや香りは消え、かわりに出てきた甘みとシチューの深い味わいがメチャメチャ合います。今までシチューに長ネギを入れてこなかったことをもったいなく思うくらいには好きになってしまいました。
寒い季節にシチューを作るのは最高ですね。お肉を鹿に変えるだけでできてしまうので今回は比較的簡単に再現可能です。お肉も通販で手に入りますし。皆様も夕飯にお出しして家族にサプライズしてみてはいかがでしょうか。

ところで、鹿のスペアリブを調理していたのは実は大みそかだったので、「これ蕎麦にぶちこんだら美味いんじゃね?」と思いつき、年越し鹿蕎麦になりました。
G*Sの他のライターさんに見せたところ「郷土料理ですか?」と言われましたが、歴史的な背景は0のひらめき100%料理です。
結果?鹿の野趣あふれる風味とそばつゆが合うことが判明し、奇跡的に最高に美味しいお蕎麦になりました。先程「歴史的背景なし」とは言いましたが、逆を言えば来年の大みそかにも同じものを作れば歴史的背景が1になるのでやっていこうと思います。
今年も様々な料理に挑戦できるよう、応援の程をよろしくお願いいたします。何か題材のアイディアなどありましたらコメントで。