ユービーアイソフトは『アサシン クリード ヴァルハラ(Assassin’s Creed Valhalla)』の大型拡張コンテンツ「ラグナロクの始まり」を2022年3月10日より配信予定です。北欧神話のファンタジー世界で戦神オーディンの新たなる物語が描かれ、魔法が組み込まれた従来とは異なる戦闘を楽しめます。
発売に先駆け、先日メディア向けにゲームプレイのプレゼンテーションが行われました。その中で披露された新要素の解説をお届けします。
アサシン異世界に立つ!オーディンの新たな物語を追体験
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舞台となるのは北欧神話に於ける9つの世界から、ドワーフ(ドヴェルグ、スヴァルトアールヴ)が住む黒い妖精の世界スヴァルトアールヴヘイム。氷の世界ヨーツンヘイム、灼熱の世界ムスペルヘイムからの侵略を受けており、ドワーフは地下壕に避難して耐え忍ぶことを余儀なくされています。ちなみに「指輪物語」などでおなじみの典型的なドワーフは北欧神話が起源です。
オーディンは彼らと協力して戦いに参加しましたが、そのさなかに息子バルドルが炎の巨人スルトに捕まってしまいました。「ヴァルハラ」の主人公エイヴォルはオーディン(ハーヴィ)として、バルドルと地上の奪還を目指す戦いに身を投じるのです。
魔法や異種族が存在する世界のため、ゲームプレイは本編と大きく異なります。相手にする炎の巨人ムスペルは普通の人間よりも一回り大きい体格で、倒されても死なずに仲間によって蘇生します。ルーンの秘術を得たとは言え、オーディンひとりで多勢を相手取るのは困難でしょう。
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それに対抗するため、オーディンは「Hugr-Rip」という魔術道具をドワーフから受け取ります。これは倒した敵から魔法を奪って自分が使ってしまうという優れもの。
今回確認できたのは「ムスペルヘイムの力」「大鴉の力」「蘇生の力」。このうち「大鴉の力」はオーディンが直接鴉に変身し、短い間だけでも自身で自由に空を移動できます。本編ではフギンとエイヴォルが別だったので、先行偵察ではなくダイレクトな移動になるのは新鮮ですね。そして、何もない空中からいきなり暗殺を仕掛けられるのもポイントです。魔法を保持できるのは2種類までで、強行突破、潜入、護衛など、状況に合わせた取捨選択を迫られます。
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またオーディン専用の武器として、ポールアックスに似た「アトゲイル(Atgeir)」が登場します。長い柄の先にブレードヴァイキングが使う中でも特に珍しいもので、斬る、突くの両方に使える武器です。他のゲームでは『Valheim』でも制作できますね。
さらに新しいゲームモード「ヴァルキュリア・アリーナ」が追加。本編や「ラグナロクの始まり」に登場したキャラクターと再び刃を交え、プレイヤーのアクションスキルを試す場となります。キャラクタービルドを何度も組み替えて、様々な戦術を駆使しなければクリアできないようで、力押しではない柔軟な戦い方が求められるそうです。
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魔法で変身!神様の力でドワーフたちを助け出せ
今回のプレゼンテーションでは捕らえられたドワーフの救出ミッションが披露されました(キャプチャー禁止のためイメージ画像から想像してください)。地下壕のリーダー、ガンボルグからドワーフ鉱員のムスペルヘイム兵に囚われていると聞き、オーディンは単身で敵拠点へ乗り込みます。ドワーフの地下壕は本編の街と同様に様々な店で装備を調えることができます。前述の「Hugr-Rip」のアップグレードも可能で、魔法に追加効果を与えてくれます。『アサシンクリード』シリーズでも超常の道具は時々出てきますが、この『ラグナロクの始まり』では完全にファンタジーの世界で、ドワーフと行動を共にするあたり「指輪物語」の雰囲気にも似ていますね。
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ムスペルヘイム軍は地上のドワーフの街を拠点にしており、まずは「大鴉の力」を使って上空からアプローチします。石造りの建造物は長らく放棄されて多少苔むしているものの、あまり損傷がなく大半がそのままの美観を保っています。さすがドワーフ製ですね。その代わりにあちこちにムスペルヘイムの旗印が建てられ、彼らの命の源である溶岩が地表を流れています。
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まずは手近な巡回班に「大鴉の力」による空中暗殺を仕掛けます。数名程度であればオーディンひとりだけでも近接戦で相手にでき、蘇生をされる前に全員倒しました。そこから次の場面に必要な魔法を入手します。この場合は「ムスペルヘイムの力」を「蘇生の力」に交換します。
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敵が使うと厄介な「蘇生の力」ですが、オーディンの方は「蘇生した敵を味方の手勢として操る」 というもの。単純に戦力にできるだけでなく、敵の蘇生も実質的に防げるため、軍勢と戦うときには最も重要な魔法となるでしょう。
砦の中に突入し、ドワーフたちの解放をしたところで一つ問題が発生します。建物の中にも溶岩が溢れているため、そのままではドワーフを脱出させられないのです。そこで、突入時に従えたムスペル兵を捨てて、新たに「ムスペルヘイムの力」ともう一度交換します。
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ムスペルヘイムの力はオーディンが炎の巨人ムスペルに変装すると同時に溶岩の熱を受けない特性を得ます。これは同行者のドワーフにもかかるため、溶岩のある場所を抜けるためには欠かせません。
このように保持できる力が制限されることで、ミッション遂行のためにどのような手段を採るかプランニングし、魔法を取捨するトレードオフが新たに加わりました。状況が変わるたびにその都度魔法を奪ってくるのも手間なので、一手先を予想して予め用意しておくのが知恵者たるオーディンに相応しいでしょう。
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他にも多数の新要素が用意されており、『アサクリ』チームによる本格ハイファンタジーがどのようなものになるか楽しみですね。
『アサシン クリード ヴァルハラ』大型拡張コンテンツ「ラグナロクの始まり」は2022年3月10日よりPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Windows(Ubisoft Store)向けに配信予定です。