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2022年3月で発売から10周年を迎える『風ノ旅ビト』が、Steam/Epic/App Storeでセールを実施。また、10年という節目をお祝いする記念トレーラーの公開や、10周年記念バージョンのサウンドトラック集の発売も予定されています。
言葉や文字を使わずに広大な世界を旅し、謎を解き明かすアドベンチャーゲーム『風ノ旅ビト』はthatgamecompanyが開発を担当。PS3向けに発売された本作は、不思議な世界観とグラミー賞にもノミネートされた音楽の組み合わせで商業的にも成功し、当時はIGNやGameSpotなど多くのメディアからGame of the Year賞を獲得しました。
thatgamecompanyのCEO Jenova Chen氏は、この10年間を振り返るGamesIndustry.bizのインタビューに応じています。同作品の開発サイクルが当初の予定より長引き、ゲーム発売の時点でChen氏が抱えていた借金は20万ドルに。実際の売り上げの一部を受け取るまでには最大6カ月を要したため「誰の給料も払えない状態だったんです。発売をお祝いして、そして会社を解散させたので、みんな次の仕事を探さねばなりませんでした」
『風ノ旅ビト』を完成させるという“旅”を終えた時には、スタジオの人材も財政も枯渇していたという当時の苦労を語りながらも、同作品がスタジオの枠を超え業界に与えた影響を誇りに思っているようだと、GamesIndustry.bizは報じています。
「かつては泣けるようなエモーショナルな物語はゲームの中のカットシーンでしか起こりませんでしたが、『風ノ旅ビト』登場後の10年間で、プレイ中でも泣いてしまうようなシナリオのゲームがたくさん生まれました。これは大きな変化であり、ゲーム業界にとっての大きな進歩です」
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