2022年も三分の一ほど過ぎつつある今日このごろですが、皆様御機嫌いかがでしょうか。2月にはついに待望の高難度ファンタジーアクションRPGも発売され、コアゲーマーからライトゲーマーまで多くの人々が楽しんでいると思います。
そんな今、最も熱いジャンルと言えば「ソウルライク」ではないでしょうか。強敵と戦い、何度も死を重ねながら相手の行動を覚えつつ少しずつ強くなっていく、非常にやりごたえのある高難度アクションの魅力に、多くのゲーマーが惹きつけられていると思います。
そんな「ソウルライク」ジャンルから今回取り上げるのは、ニンテンドースイッチ/PS4/PC(Steam)/Xbox SeriesX|S/Xbox One向けに2020年に発売された『Chronos: Before the Ashes(クロノス:ビフォー ジ アッシュ)』です。2019年にリリースされた『Remnant: From the Ashes』の前日譚にあたる本作は、死を重ねることでキャラクターが年齢を重ねて強くなっていく異色のシステムを搭載しています。
本稿では、高難度ながら比較的遊びやすく、「ソウルライク」ジャンルとしての入門にもぴったりな『Chronos: Before the Ashes』の魅力を紹介していきます。

前作『Remnant: From the Ashes』を紹介!
本作の紹介にはいる前に本作と非常に関係が深いタイトル、シリーズ前作『Remnant: From the Ashes』をご紹介いたします。2019年に発売された同作では、突如として異次元から襲来した未知の生命体により文明が崩壊した世界を舞台に、人類の数少ない生き残りの一人として、生き残るために仲間と協力して怪物に立ち向かいます。
人類は最後の希望である過去の遺物「ポータル」の力により、別次元の世界を開く技術を獲得します。主人公たちはこのポータルの力を使い、怪物たちと戦いながら、人類が生き残るための道を見つけ出さなければなりません。

TPS&ソウルライクという組み合わせの本作は、そのカスタマイズ性とリプレイ性の高さで高評価を獲得。プレイのたびに変化する世界に登場する怪物はいずれも強力で、最初はすぐに死んでしまいますが、何度も繰り返してプレイヤーの強化や装備のカスタマイズにより、少しずつ自分が強くなっていくのが体感できます。
『Remnant: From the Ashes』の魅力は、なんと言ってもその世界観。崩壊後の文明で跋扈する怪物相手に、銃器や剣、魔法(武器Mod)などを駆使して立ち向かう姿はとてもかっこいいのです。また、少しずつ解き明かされていく物語の謎も必見です。
そんな『Remnant: From the Ashes』の前日譚にあたる物語が、続編である『Chronos: Before the Ashes』では展開するのです。



シリーズ前日譚『Chronos: Before the Ashes』とは!
『Chronos: Before the Ashes』は、2020年12月に発売。銃撃要素があった前作と異なり、剣や斧で怪物と戦う王道アクションRPGです。
物語は、かつては高層ビルなどが立ち並び人類が繁栄を極めていた時代から始まります。しかし、突如として世界に現れたドラゴンや怪物によって世界は滅び、わずかに残された人類は隠れて暮らすことを余儀なくされてしまいました。プレイヤーは人類の希望として、一年に一度開かれる「異界の門」をくぐり、元凶であるドラゴンを討伐するのが目的です。


基本的な世界観は、前作『Remnant: From the Ashes』と同様に「滅びゆく人類がその元凶を討伐するため異世界へと挑む」という内容です。ゲーム内でも次元を超えるためのポータル「グレートストーン」や、さまざまな場面でシリーズ共通のものが多数登場します。両方遊ぶことで多くの発見があるのはシリーズ物の嬉しい部分ですね。
もちろん、ジャンルとしては前作同様に「ソウルライク」であるため、登場する怪物はいずれも強力。油断すればあっという間に殺されてしまいます。しかし、本作は死ぬことに大きな物語の意味を持たせるシステムが用意されているのです。


育成が楽しい王道近接アクション!
ゲーム開始時のキャラメイクで、プレイヤーは性別・初期装備・難易度を設定します。初期装備は回避と攻撃速度に優れる「剣」と、防御と一撃の威力に優れる「斧」の2種類が用意されていますが、選んでいない方を含めてさまざまな武器をゲーム内で拾うことができるので、最初は好きな方を選ぶ程度でいいと思います。
本作の基礎ステータスは「腕力」「敏捷性」「魔力」「生命力」の4種類。これらの数値はダメージや防御、攻撃速度などに影響を与えます。なお、ステータスは敵との戦闘でレベルアップすることでスキルポイントを獲得して割り振る方式です。また盾での防御やダッシュに使用する「スタミナ」の管理も大切です。


戦闘では「ソウルライク」のゲームらしく、相手の攻撃に防御や回避、パリィで対処しながらダメージを与えるのが基本戦術です。本作で最も重要な要素として「回復アイテムが回数制で死ぬまで補充できない」という点があります。アイテム以外の回復手段が少ないため、とにかくダメージを喰らわないようにすることが重要です。
冒険の舞台となるステージ内には、さまざまな種類の敵はもちろん、罠や仕掛けが豊富に用意されています。ステージはランダム生成ではなく、作り込まれたマップ内をくまなく探索して謎を解いていく方式です。隠されたアイテムやショートカットを見つけ出すことでプレイが大きく有利になるため、少しずつ敵を倒してじっくりと進めていくことが大切でしょう。



戦闘などのシステムは非常にオーソドックスで戸惑うことなく、戦闘や探索をしているうちにテンポ良くレベルアップしたり、新しい装備や強化アイテムが入手できるゲームバランスも遊びやすく魅力的です。




死は後退ではない!独創的な加齢&強化システム!
本作の最大の特徴である「加齢システム」は、文字通りプレイヤーが死ぬことで一つ歳をとっていくもの。ゲーム開始時に若さ溢れる18歳だった主人公も、戦い続けて歳を重ねていくうちに髭が生え、シワも増えてだんだんと見た目も変わっていきます。
この年令は主人公の育成方針に大きく影響を与えます。具体的には若い頃には「腕力」「敏捷性」「生命力」のステータスにしかポイントを触れず「魔力」を上げることはできません。逆に歳を取ると筋力などのステータスを上げることができなくなり、自然と「魔力」を高めていくことになるのです。また、歳を取ることでダメージを受けた際にふらつくことも……やはり若さってすごい。
しかし、本作ではどれだけ歳を重ねてもステータスが低下する事はありません。そのため、若い頃にしっかりと体作りに励めば結果的には「魔力と筋力が高い老練の戦士」が誕生することになります。そして、歳を取ることのメリットはそれだけではありません。
2回死んで20歳になることで、主人公は新たな特性を獲得することができます。特性は3種類から選ぶ方式で、ダメージや体力アップなどいずれも強力なものばかり。それからは主人公が10年歳を取る(=10回死ぬ)ごとに新しい特性を獲得できます。ところで、「もし歳を取り続けるとどうなるの?」と気になった方もいるでしょうが、80歳になると主人公は「不死」となり、それ以降は歳を取らなくなりますので一安心ですね。


筆者は最終的に42歳でゲームをクリアしたため、50歳以上の特性はあえて死にまくることで確認しました。最終的に80歳になって再びラスボスに挑んでみたのですが、驚くほど簡単に倒すことができました(もちろん敵の攻撃を知っていたというのもあるのですが……)。
こういった要素のおかげで、アクションが苦手な人でも本作はゲームクリアしやすくなっています。もちろん、慣れてきた場合に死なずにクリアを目指すといったやりこみプレイも楽しめそうです。




ここまで紹介してきた『Chronos: Before the Ashes』。堅実に楽しめる戦闘システムと、しっかりと作り込まれたマップデザインで、飽きさせずに最後までプレイしやすい作品です。複雑すぎないシステムとレベルアップしやすさ、加齢を含む育成など、さまざまな面で遊びやすさを感じさせます。
ユニークな加齢システムは、育成方針はもちろん、ロールプレイにも大きく貢献してくれます。筆者は22歳のときに2体のボス討伐と新たな魔法の発見、新エリアを大量に見つけたため「英雄の年」として深く思い出に残っています。その後、28歳から33歳まで5年続けて罠や雑魚相手に無力な死を遂げたので「英雄も老いたか!」となったりもしましたが……。


『Chronos: Before the Ashes』は、PC/PS4/Xbox SeriesX|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けに発売中。昨今流行りの「ソウルライク」の入門作品としても十分楽しめることでしょう。
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