目まぐるしく移り変わる世の中、ゲーム業界も光の速さで進歩し、どれが自分に合うゲームなのか見極めるのは誰にとっても悩みどころです。懐の予算や遊ぶ時間と向き合いながら、いますぐ新作ゲームの情報が知りたい。そんなときのための「爆速プレイレポ」でございます。
今回は、Activision Blizzardがパブリッシャーを担当し、2022年10月28日に配信された『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2(Call of Duty: Modern Warfare II)』をプレイして気になる内容を紹介します。
『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』とは
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本作は、2003年発売の第1作に始まり、およそ20年の歴史を持つFPS『コール オブ デューティ』シリーズの最新作。このシリーズは視覚的なリアリティを追求した銃撃戦や戦場描写、特殊部隊による潜入突破や暗視装置を用いた夜間戦闘など、いち兵士の視点から“戦争の日常”を等身大に描いてきたことで知られています。
2019年の『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』の続編にして、本作も同名のオリジナル版のリブート作品であり、キャラクターなどもそれに準じた形で登場。ストーリーは大幅にアレンジされているようですが、激しい撃ち合いや深い没入体験は本作においても健在でした。
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物語の発端は、コーカサスに位置する「アル・マズラ」での偵察任務。各国の精鋭によって構成される「タスクフォース141」とCIA、アメリカの民間軍事会社「シャドウ・カンパニー」は、イランのコッズ部隊を率いるゴーブラニ将軍を抹殺。これが引き金となり、彼の副官ハッサン・ザイアニによる報復を阻止すべくゴーストやソープらが赴いたところ、敵地にてアメリカの弾道ミサイルが発見される……という筋書きです。
また、本作は吹き替え音声を含めた複数言語に対応し、フルコントローラーサポートも完備。クロスプレイにも対応しています。
要点は押さえたリブートストーリー
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オリジナル版の『CoD:MW2』では、ロシア国内の空港でのテロ事件、その復讐としてアメリカが本土攻撃を受けるという衝撃的な展開の連続でした。リブート版の本作では、不倶戴天のライバルであるロシアは鳴りを潜め、中東や中南米が主な舞台です。
冒頭からだいぶ書き換えられた印象を受けますが、シェパードやシャドウ・カンパニーといったオリジナルの面々も再登場し、同じくリブート版の前作から続投するラズウェルなどのキャラクターも物語に深く関わってきます。
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世界中を転々とすることから戦場も多様となっており、弾幕をかいくぐって真正面から斬り込んだり、消音器付きの武器で影から攻めたり。シリーズならではの“本能に訴える演出”が、最新のグラフィックで克明に描かれます。
少数精鋭の特殊部隊としての行動が基本になっているので、いつものメンバーも各地に分かれて派遣され、固定の主人公を持たない形式でストーリーが進行。それでも、やはり、オリジナル版で主人公だったソープがメインの視点になるようです。
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オリジナル版の三部作を意識した構成も多く、上空のガンシップから地上の仲間を援護したり、ギリースーツを着込んで狙撃したりと懐かしくも熱い展開。全体的にマップが広いこともあり、一本道の決められたコースを進むというよりは、システムも含めて大幅に拡張された新鮮なプレイを楽しめます。
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マンツーマンのツーマンセル
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本作には、お馴染みのキャンペーンモードやマルチプレイヤーのほか、他のプレイヤーと協力して任務を達成する「スペシャルオプス」も実装されています。
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ミッションごとに仕様が異なる可能性もありますが、最初のミッションのカットシーンにおけるラズウェルの発言、筆者が実際にプレイしたときも2人組だったので最大2人のプレイヤーで進めていくものと思われます。
人数が絞られたことで連携の重要性や責任が増大しましたが、一応はソロクリアも可能。そこまで敵の攻撃も痛くなかったので、おそらくはノーマル準拠の難易度です。
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用意されたマップの中を自由に行動し、入れる建物の数も多く、箱庭的なフィールドで思い思いに遊べます。乗り物を使ってのロードキル、同乗した味方によるドライブバイも可能となっており、プレイの幅は広め。武器やレベルの経験値も入るので、ある意味、実戦形式の練習には最適でしょう。
開発者や他の参加者に求められるロールを忠実にこなさなくても、これといってペナルティもなく最後までプレイできるというのは、筆者のようなソロプレイヤーにとっては大変ありがたいことでした。
不変が最良のマルチプレイヤー
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キャンペーンモードに並ぶ、もうひとつの看板コンテンツがマルチプレイヤー。本作は一部の対戦モードで最大64人が参加できる巨大マップを備えています。従来の伝統的なチーム戦や陣取り合戦のほか、生きた人質を巡っての駆け引き、人間が操作するプレイヤーに交じってAI兵士が導入されるルールもありました。
チームデスマッチなどはシリーズの恒例であり、以前のベータテストで触った方も多いと思いますので、今回は個人的に初となる変わり種のモードを主にプレイ。クルマや戦車、はてはヘリコプターといった乗り物も駆使し、大戦闘が繰り広げられる「グラウンドウォー」のスケールは圧巻です。
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マップ上に複数存在する旗を奪い合い、相手チームよりも先に、スコアリミットの達成を目指します。大勢のプレイヤーと共に進む一体感、見渡すかぎりに火の海が広がっていく光景は戦場そのものであり、そこへ本作の要素が加味された丁寧な仕上がりです。
筆者は乗り物が好きなのでずっと戦車に乗っていましたが、ちょっとした攻撃でも簡単に破壊されます。これは歩兵主体であるシリーズのゲームデザインを忠実に守っていることに起因すると思われ、想定内の仕様。乗り物は本当におまけのようなもので、基本の部分は変わっていません。
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AI兵士が参戦する「インベージョン」では、乗り物ありのチームデスマッチをベースに、また一味違う体験が待っています。
無限に湧き出るAI兵士にもスコアが設定されているためか、勝利条件が何倍にも引き上げられ、倒されて損失したAIの補充は定期的に飛来するヘリコプターから増援としてラペリング降下。挙動もプレイヤーとは異なり、AIらしく専用のカバーアクションなどを取って戦うので、キャンペーンと同じような感覚で個人的には好きです。
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最後にプレイした「プリズナーレスキュー」は、復活なしの複数ラウンド式のモード。攻撃と防御に分かれ、捕らわれている人質を救出するか、あるいは守りきります。無計画に突撃して死亡すると次のラウンドまで観戦席で見守ることになり、より高度な戦術的判断が求められるルールといえるでしょう。
他にもゲームルールがあるようなので、コンテンツの追加や微調整なども含め、今後のアップデートが気になるところ。いつものシリーズを楽しめることは間違いないですし、期待の話題作に乗り遅れないためにも、本作の展開に注目しておきましょう。
ちなみに、本作では水に対するアクションが存在しており、とにかく水場さえあれば潜ったり泳いだり顔だけ出して銃を撃つこともできます。スライディングの他に飛び込みのアクションも追加され、キャラクターコントロールも重要になっていました。
また、本作に関しては、発売直後から少なくない不具合の報告が相次いでいます。筆者はPS5版でシングル/マルチを合計8時間ほどプレイし、視点移動のための右スティックが利かなくなる、三人称視点時に銃の向きと照準がズレるなどの小さなバグに何度か遭遇しました。これも早急にアップデートで修正されるものと信じたいです。
『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』は、PC(Steam,Battle.net)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox Oneで配信中です。
タイトル:コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2
筆者がプレイした機種:PS5
発売日:2022年10月28日
記事執筆時の著者プレイ時間:8時間
価格:9,680円