自作のポテトコントローラーでも遊べる位にプレイしやすい音ゲーでお馴染みの『Muse Dash』。Game*Sparkでは何度かセール特集だけでなく色々な特集で顔を出しているのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
ところで、本作品は様々な作品とコラボレーションしていることでも有名で、最近ではアリスソフトの『ドーナドーナ』と誰も予想していなかったコラボを行っています。
そんな中、奇しくも同じ中国産タイトルでもある『アークナイツ』との、こちらも予想だにしなかったコラボが昨年の2022年のクリスマスに発表され大きな話題となりました。なお、『アークナイツ』と音ゲーとのコラボレーションは実は本作品が初めてではなく『Cytus II』でも実施されています。
『アークナイツ』という作品自体については、手前味噌ながら筆者の別紹介記事に譲り、本記事では『Muse Dash』に収録されたコラボ楽曲と、同時に実装されたコンテンツ『アークナイツ』ファン的な細かい見どころをご紹介します。
『アークナイツ』要素はアーミヤのアニメーションだけではない
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本作品は音ゲーではありますが、プレイする際にキャラクターを切り替えることでスキルによって判定やスコアに補正をかけることができます。今回のコラボレーションに際し、『アークナイツ』ヒロインでありロドス・アイランド製薬のCEO「アーミヤ」がプレイアブルキャラクターとして追加されました。
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演奏中の彼女のアニメーションも元ネタである『アークナイツ』に準じており、彼女が攻撃に使っているのはガチャ画面でお馴染みの履歴書の入ったバッグであったり、オペレーターの育成に使う作戦記録、果てには最高レア確定の履歴書でぶん殴っていたりと自由奔放。もし、『アークナイツ』をプレイしていて今回の彼女のアニメーションを見て「見覚えがない・・・」と思うことがあれば、『アークナイツ』のシナリオを進めてみると分かるかもしれません。
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演奏失敗時には背景に流れる発言に「ケルシー」のものっぽいやつが含まれていたり、「サリア」に煽られていたりとこちらにも『アークナイツ』のオマージュが含まれていたりします。
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クオリティの高い劇中歌が音ゲーにも映える
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『アークナイツ』という作品は紹介記事でも触れていますが、「レコード会社が趣味でゲームを作っている」というミームがあるくらいにゲーム中で使用されない曲がイベントの節目に出るほか、昨年の2022年には音律聯覚というライブイベントが無料で配信されるなど、音楽に関してもかなりクオリティの高いゲームです。
そんな楽曲群の中から、今回のコラボでピックアップされて収録されたのは、実際にゲーム中でも聞ける楽曲も含んだ8曲、その中でもオススメの楽曲を紹介します。
RADIANT
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劇中ではイベント「マリア・ニアール」と、その続きである「ニアーライト」の丁度節目の場面で颯爽と現れる耀騎士ニアールをテーマにした楽曲です。歌詞にもある「full speed ahead」は彼女の決意を端的に示しており、『アークナイツ』中でも屈指の熱血シナリオも相まってキャラクターイメージ曲の中でもかなりの高評価を博しています。今回『Muse Dash』で収録された楽曲の中でもプレイしやすい譜面になっており、本楽曲が目当てのプレイヤーにも安心の一曲になっています。
Oparation Blade
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実際にゲーム中に聞けた楽曲・・・もとい『アークナイツ』のエンドコンテンツの一つでもある危機契約というイベントのロビー画面の楽曲です。2023年の2月上旬にも行われることは既に告知されていますが、開催の度に違う楽曲が用意されるほか、イベント毎にミームが誕生する厳しい定期試験になっています。
今回のコラボレーションで収録されているのは危機契約#2「利刃」でのロビー楽曲で、”ヘドバンするエイヤフィヤトラ”、”ヴェンデッタのテーマ”のミームが有名です。そんな本楽曲は落ち着いたテンポながらも、歌詞はかなりホットでソウルフル。そのせいかBPMが早くないことに加え、リズムも取りやすいため音ゲー初心者でもプレイしやすい楽曲になっています。
Speed of Light
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喧噪の掟というイベントの際に発表された曲で、ゲーム中でも実際にインストが流れる場面があります。シナリオ中でも主役であるペンギン急便をテーマにした曲。シナリオ名に違わず、龍門市街で暴れ回っていたシナリオとは打って変わって、エンディングともいえる落ち着いた楽曲になっています。作曲は静岡在住のDJ OKAWARI氏で、本楽曲以外にも何曲か提供されています。
Renegade
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アニメでも登場した謎多きサルカズ傭兵”W"のテーマ曲。本楽曲は2020年にハリウッドメディア音楽賞に最優秀ゲーム楽曲部門でノミネートされています(その年の受賞は『LoL』のK/DA「THE BADDEST」)。
彼女が主人公のシナリオである”闇夜に生きる”と同時に発表された本楽曲のリリックはWの行動心理や彼女の他者からの印象で構成されています。転調するタイミングが彼女自身の内容になっているなど、リリックも非常に興味深い楽曲。
反面音ゲー楽曲としてはラップのフローに合わせていてプレイしやすい譜面ですが、最高難易度の達人ではラップの全単語に合わせてノートが振られているため難易度が凶暴化するのも彼女のテーマとしてピッタリな変容と言えるでしょう。
Autumn Moods
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最後に紹介するのはアンジェリーナのイメージ曲、80年代の歌謡曲とアイドルポップの最前線にいた山川恵津子氏作曲の昭和のシティポップになっています。直接依頼が来たとご本人も明かしていますが、キャラクター設定にもある”時代を感じる音楽”が昨今のシティポップの海外人気にも噛み合い良い化学反応になっています。
セールも相まって非常にお得
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『Muse Dash』ゲーム本体は非常に安価です。頻繁に行われるセールも含めればなおのこと。本体のみの場合でも62曲(ゲーム内アンロックの必要もある)がプレイ可能でコスパ満点ですが、コラボ楽曲などは含まれていません。
今回の『アークナイツ』コラボはDLC扱いになっており、2024年の1月までの期間限定発売となります。ですが、Steam版で入手するにはシーズンパスに該当する全部入りのDLC『計画通り』しか手段がありません。
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同時に発売されているスマートフォン版であれば単体でDLCを購入できるため、アークナイツのDLCだけが目当ての場合はスマートフォン版を購入するのがお財布事情によっては良いかもしれません。ただし、Steam版とスマートフォン版はレベルとスコアは共有できますが、DLCは相互適用されないのでご注意下さい。
とはいえ「計画通り」DLCを購入することで、他の多様なコラボも含め350曲以上の楽曲が追加され、曲数自体今後も増えていくことが予想されます。今回のコラボをきっかけに、同作をプレイして興味を持った方は、購入を検討してみても良いかもしれませんね。