※UPDATE(2023/03/13 17:45):
「第1回マベスナ会」主催・天野さとし氏のYouTubeチャンネルにて、本イベントのレポートPVが公開されました。また、3月14日(火)18時からは大会レポートの本編映像がプレミア公開される予定。3回戦から決勝戦、賞品授与までの様子は、以下の動画からチェックしてみてください!
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2月6日、東京・渋谷ガーデンパティオにてコレクティブルカードゲーム『MARVEL SNAP(マーベルスナップ)』の“非公式”オフライン大会「第1回マベスナ会 ~今日も明日も SNAP~」が開催されました。
『MARVEL SNAP』はSecond Dinner/Nuverse/MARVELが2022年に送り出したPC/スマートフォン向けカードゲーム。昨年12月に開催された「The Game Awards 2022」では、リリースから2ヶ月足らずにもかかわらず「Best Mobile Game of the Year」を受賞していました。ベン・ブロード氏を始めとした『ハースストーン』クリエイターが集うスタジオ・Second Dinnerが手掛けたこともあり、その完成度の高さは折り紙付きです。
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この度開かれた「第1回マベスナ会」の主催は、『ハースストーン』や『シャドウバース』のプロシーンで実況・解説などを務めてきた天野さとし氏。“戦うお父さんゲームキャスター”こと海老江邦敬氏と共に大会を進行しました。
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先の『ハースストーン』『シャドバ』を始めGameSparkでは様々なカードゲームのeスポーツ大会取材を行ってきましたが、『MARVEL SNAP』は特に大会参加のための敷居が低いタイトルと感じられました。
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今回の会場の雰囲気もさることながら、ワンプレイのテンポの早さも和やかなムードに拍車をかけています。32人によるトーナメント(全5ラウンド)にもかかわらず2時間程度で優勝者が決まりましたが、そのゲーム内容は『MARVEL SNAP』のユニークな要素「ロケーション」と「SNAP」によってダイナミックに演出されていました。
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ここで『MARVEL SNAP』のルールを簡単におさらいします。本作は2人のプレイヤーが3つの「ロケーション」を奪い合う陣取りゲームのようなルールを採用していて、ターンが進むごとに「エネルギー(カード左上の数値)」「パワー(カード右上の数値)」が設定されたカードを配置していきます。
「エネルギー」は他のDCGで言う「マナ」のようなもので、毎ターン補充・追加されるリソースを指します。「パワー」はカード自体が持つ力で、その合計値で勝負しながら画面中央にある3つの「ロケーション」を奪い合うことになります。
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ゲームは6ターン目が終了した時点で勝敗が決まるため、数分ほどでワンプレイが完了。その短い対戦時間をダイナミックに彩るのが「ロケーション」が持つユニークな効果です。
「ロケーション」は配置されたカードなどに特殊効果をランダム発動するという、『MARVEL SNAP』の中でも特に影響力の高い要素です。トーナメント戦後半では、「量子トンネル」と呼ばれるロケーションによって両プレイヤーの攻め方が加速したり、「他のロケーションに分身を複製する」という効果付きカードが、「ヨトゥンヘイム」「ビフレスト」という2つのロケーションの相乗効果によって位置もパワーも圧縮されてしまうなど、盤上を激しく動かしていました。
もちろんロケーション効果は2人のプレイヤーに公平に与えられるので、デッキ構成や手札次第では大変な騒ぎになり得ます。特に後半戦では「プロジェクト・ペガサス(1ターンだけエネルギーが+5追加される)」「スーパーフロー(条件を満たせば、エネルギーが毎ターン+1追加される)」の相乗効果が飛び出し、ゲーム開始直後にもかかわらず高コストカード達が動き出すというインフレーションが炸裂していました。
言ってしまえば、これは「運要素」です。この3文字が強く気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、時にダイナミックに、時に複雑な戦略性をもたらすこともあるこの要素は、大会イベントにおいても魅力的。お互いに支払うライフを“倍プッシュ”する「SNAP」と共に場内の興奮度を高め、トーナメント敗退者からも賑やかな声援が寄せられていました。
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主催の天野さとし氏は過去に様々なカードゲームシーンで活動してきたプレイヤーですが、今回の「マベスナ会」では「観戦に夢中になり過ぎるなどして、プレイヤー同士の交流がなくなってしまうこと」が心配事のひとつだったそう。しかし蓋を開けてみれば、SNSのアカウントを教え合ったりマッチの感想を語り合うなど、オフライン大会ならではのコミュニケーションが広がっていたことに成功した実感を覚えたそうです。
“世界大会に日本がチームとして参戦”や“日本選手権の開催”といった大きな物語だけでなく、小規模イベントの広がりも期待している天野氏。Game*Sparkの取材に対し、「数人くらいの小さな盛り上がりからでもいいから、対戦会などに挑戦してほしい」「まずは『MARVEL SNAP』を共有しながら楽しんでいく動きが生まれれば」とも語ってくれました。
そのカジュアルなシステムから、MARVEL原作ファンはもちろんカードゲームや競技的なゲームの初心者にもきっと刺さるであろう『MARVEL SNAP』。「ランクマッチしか存在しない」「ランクポイントを“賭けられる”」というユニークなシステムに最初は尻込みするかもしれませんが、ルール自体はシンプルかつチュートリアルも丁寧なので、楽しく始められることでしょう。
もし興味を持ってのめり込んでいくことになったら、今年1月末に追加された「フレンドバトル」で知人と練習したり、自身のTwitterで「『MARVEL SNAP』のデッキ構築相談を引き受けている」という天野さとし氏の力を借りたりしつつ、ワンステップ上を目指してみてはいかがでしょうか。Game*Sparkでも初心者向け導入記事を掲載しているので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
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