英国CMA(公正取引委員会)によってActivision Blizzardの買収を却下されたことが記憶に新しいマイクロソフトの買収劇ですが、新たにEU規制当局を繰り返し破った経験のある弁護士を雇ったことが報じられています。
凄腕弁護士の手によって覆すことができるか?
CMAの却下は、2023年2月にCMAが発表した「クラウドゲーム市場への懸念」の調査結果に対しマイクロソフト側が効果的な提案を行えなかったことが理由としています。現在マイクロソフトはクラウドゲーム市場の60%から70%ほどのシェアを占めており、今回の買収にて『CoD』『オーバーウォッチ』などのゲームを取り扱うことで市場への影響をより強めるといいます。
英テレグラフ紙によると、マイクロソフトはこの問題に抗戦するためダニエル・ビアード勅選弁護士を雇い、数日以内に競争上訴法廷(Competition Appeal Tribunal)に上訴する予定であるとのことです。
Appleの税優遇にIntelのマイクロチップ不当支配…EU規制当局の主張を何度も覆す
ビアード氏はこれまでEU規制当局が下した大規模な決定を幾度も覆してきた実績がある一流弁護士です。これまでにアイルランド政府がAppleに対し税優遇を行っていたことに対する最高130億ユーロの追徴課税を求められAppleが控訴した際、同社を勝訴に導きました。また、EUが「Intelはマイクロチップ市場を不当に支配している」と主張し11億ユーロの罰金を科そうとした際にも、それを覆しました。
このような実績から、マイクロソフトは今回のCMAの却下を覆すことを期待していると思われます。元の予定では6月に買収が完了する見込みでしたが、果たしてどこまでこの問題が続くのでしょうか。
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