『サイバーパンク2077』の体験を広げる待望の大型拡張パック「仮初めの自由」が2023年9月26日よりリリースされることが、Xbox Games Showcaseにて発表されました。
発売に先駆けて都内で行われた先行プレビューイベントにGame*Sparkも参加。新たな舞台である「ドッグタウン」の物語をガッツリ体験しつつ、本作の日本語ローカライズマネージャー・西尾勇輝氏へのインタビューも実施。先行プレイ中に浮かんだ疑問やディテールについての質問を投げかけてきました！
――「仮初めの自由」先行プレイ、大変楽しかったです！ 率直に言って、現段階ですでにかなり「出来上がっている」ような気がしました。いま現在の完成度は、どれくらいのものなのでしょうか？
西尾 そう思っていただけるのは嬉しいです。今もまだブラッシュアップ作業やローカライズ、ゲームバランスの最終調整は進行してますが、今回のデモ版は現時点での「仮初めの自由」を本当にそのままお見せしているという感じです。既にかなりの完成度まで来ていて、我々も自信を持っています。
――「仮初めの自由」はいつ頃から開発をスタートしていたのでしょうか。
西尾 明確には答えられないのですが、『サイバーパンク2077』本編の発売からもう二年半ほどが経ちます。不安定なリリースを迎えたあとは、細かいバグ修正であったり、コンテンツの追加、コミュニティの皆様から頂いたフィードバックへの対応などを行ってきました。「仮初めの自由」は、それと共に裏でずっと温めてきた拡張パックです。
――イドリス・エルバが演じる“ソロモン・リード”は、おそらく本作の重要キャラクターですよね。その日本語版の声優はどなたになるのでしょう？
西尾 日本語では、斉藤次郎さんですね。映画でも（編集部注：「マイティー・ソー」シリーズなどで）イドリス・エルバの吹き替えを担当されている方です。
――“ソロモン・リード”以外にも、存在感の強いキャラクターも現れてきそうです。特に印象に残るような登場人物がいたら、教えてください。
西尾 物語序盤から登場する“ソングバード”、そして“マイヤーズ大統領”ですね。リードと彼ら三人にはそれぞれに過去からの付き合いがあって、わだかまりもあって、そしてお互いに複雑な思いを抱いています。そこで語られる人間ドラマもぜひ楽しんでいただければ、と思います。
――「仮初めの自由」のコンテンツは、本編をどれくらい進行するとアクセスできるようになるのでしょう？
西尾 現時点では明確にお答えできませんが、“ジョニー・シルヴァーハンドとある程度の関係性を築いたあと”になります。『サイバーパンク2077』を最初からスタートして、その後すぐに「仮初めの自由」の内容をプレイできるかというと、そうではありません。
――「仮初めの自由」の舞台となるのは、「ドッグタウン」のみとなるのでしょうか。
西尾 そうですね。今回は、『サイバーパンク2077』本編では立ち入り禁止エリアと化していた地区……通称「コンバットゾーン」を「ドッグタウン」という正式な名前をつけたうえで、新エリアとして開放します。
「仮初めの自由」はメインストーリーのジョブ以外にも、ストリートストーリー（サブクエスト）やマイナーなジョブや依頼がたくさん用意されています。とはいえ、「仮初めの自由」の大部分はドッグタウンの中で過ごすことになるでしょう。
――「ドッグタウン」の広さはどの程度でしょうか。
西尾 ひとつの地区なので、そこそこ広いですね。全体マップで言うと、パシフィカの隣にある地域です。もちろんドッグタウンの中で全てが完結するわけではなくて、「仮初めの自由」を進めていく中でナイトシティとドッグタウンを行ったり来たりするようなことにもなります。また、今回はスタンドアロンではなく、すでに存在する本編を拡張するコンテンツなので、「仮初めの自由」のプレイに応じて本編にも新しいエンディングが追加されたりもします。
――エンディングの追加、めっちゃ気になりますね！！
西尾 我々はストーリーファーストですからね。今回の「仮初めの自由」に関しても、本編以上に細かい選択肢が多かったりします。「選択」と「行動」、それに伴う結果というのが『サイバーパンク2077』からの重要なテーマであり、“魂”です。「仮初めの自由」も重厚なストーリーになっていると思います。
――ストーリーのボリュームはどれくらいあるのでしょうか？
西尾 まず、根底となるメインストーリーがいくつかの“メインアクト”に分かれています。そして、サイドコンテンツとして“サイドストーリー”と“ストリートストーリー”、加えてマイナークエストやフィクサーからの依頼などがあります。更に2つのサンドボックスアクティビティ「車の配達」「バーゲストの投下物資」が追加され、こちらはエンドレスで遊ぶことができます。
「どれぐらいのプレイ時間を要するか」……というのは人によって異なるので、明言はできないのですが、「かなり本格的な大型の拡張である」ということは理解していただけるかと思います。
――既存の「ナイトシティ」マップにクエストや新要素が追加されるようなことはありますか？
西尾 新クエストは、基本的にはドッグタウン内で受注することになります。ただし「仮初めの自由」で登場するサンドボックスアクティビティ、つまり「車の配達」などでナイトシティの他の地域、ドッグタウンを行ったり来たりするというようなことはあります。
――『サイバーパンク2077』本編のように、ライフパスの違いによるちょっとしたストーリーの変化は、「仮初めの自由」でも体験できるのでしょうか。
西尾 はい。それぞれのライフパス専用の会話ルートは、本編と同様に用意されています。
――「サイバーパンク エッジランナーズ」についてもお聞かせください。現段階の『サイバーパンク2077』最新バージョンである1.6で「エッジランナーズ」関連コンテンツが追加されましたが、この「仮初めの自由」にも「エッジランナーズ」関連の要素は収録されますか？
西尾 エッジランナーズにちなんだPerkなどはありますが、キャラクターのクロスオーバーなどの大きな要素は、我々としては「バージョン1.6でやりきった」と考えてます。
――「仮初めの自由」のゲーム内ラジオで流れる楽曲コンテストも実施されていましたね。日本からは春ねむりさん、NoWorldさんの曲が選ばれていましたが、それと関連したイベントを開催される予定はありますか？
西尾 現状は予定していませんが、既にTwitterで発表している通り、今年はコミュニティのオフラインイベントを企画しています。日本の『サイバーパンク2077』コミュニティの皆さんとは、そういった形でコミュニケーションできればと思っています。
――追加される新武器や新乗り物の種類は、期待しても大丈夫ですか？
西尾 どれくらい追加されれば満足かというのは、これも人によるのでなんとも言えないですが、豊富な種類が用意されていると思っていただいて大丈夫です。
――武器や乗り物など、追加要素のボリュームについてもお聞かせください。また、新しい家や新規のロマンス、「ニューゲーム＋」のようなモードの有無についても教えてください。
西尾 新たな武器、乗り物は豊富な種類を用意しています。家とロマンスについては、追加の予定はありません。「ニューゲーム＋」はコミュニティの皆さまから多くのご要望をいただいているのですが、こちらも現時点で追加する予定はありません。
――なるほど。その他、新たに追加するコンテンツで特にプレイヤーの印象に残りそうなものがあればお聞かせください。
西尾 今までの『サイバーパンク2077』のゲームプレイって、「ハッキングが強い」と感じられる方が多かったと思います。逆に言えば、“近接ビルドで進めたい”というプレイヤーにとっては、ちょっと厳しい局面が多かったのかなと。しかし「仮初めの自由」に合わせたPerkシステムのリワークに応じて、“近接武器で一気に敵に飛びかかるモーション”が追加されたりします。
ーーたしかに、近接ビルドは序盤で苦戦しがちでしたね。
西尾 その他、刀で銃弾を弾き返すようなPerkも追加されます。ナイフでのゲームプレイもかなり変化していて、爽快感がかなり高まってます。今まで近接武器を使っていなかったプレイヤーには、ぜひ試してほしいですね。
強いとされているハッキングビルドでも、敵に囲まれると困難なシーンもあったと思われます。そこもアップデートがあり、「仮初めの自由」に合わせて強化されたモノワイヤーなどで、いろいろとプレイの幅が広げられると思います。
ーーなるほど。
西尾 サイバーウェアもいろいろ追加されてますし、仕様も変わりました。サイバーウェアには“インストール限度”が新たに加わり、これまでのように好き放題にサイバーウェアをつけることはできなくなりました。それぞれにコストが設定されていて、その合算値に限度があったりして。総じて、いろいろと特化させて試せる要素が増えていますね。
――今回の先行プレイ環境はPC版かつ大型ディスプレイということもありましたが、ビジュアルは凄まじく、数年前にリリースされたゲームとは思えないほどグラフィックがキレイと感じました。
西尾 CD PROJEKT REDはテクノロジーに関するこだわりを持っているので、なにか新しいテクノロジーを見つけると、いち早くそこに挑戦したくなるんですよね。今回の環境では搭載されていませんでしたが、オーバードライブのパストレーシングは凄いと思います。もう、本物の光なんですよ。
――「仮初めの自由」は、フィジカル版の展開は予定されているのでしょうか。例えば『サイバーパンク2077』コレクターズエディションのような、特典アイテムなど。
西尾 現状、フィジカルに落とし込む予定はございません。
――「仮初めの自由」は“ジョニーとある程度関係を築いてから”という段階でアクセスできるとのことですが、新規データで遊ぶか既存データで遊ぶか、既にプレイした方にはどちらがおすすめでしょうか。
西尾 どちらでも問題ないと思いますが、リリース初期にクリアしてから『サイバーパンク2077』に触れてないプレイヤーだと、バージョン1.6の段階でだいぶ違うので結構驚くかもしれませんね。ストーリーを忘れてしまっているとか、そういう場合であればもちろん最初からやっていただいたほうがすんなりのめりこめると思います。
1.6まで遊んでいるプレイヤーであれば、お好きなセーブデータでいいかなと。たた、まだPerkのリワークがどのように既プレイのデータに影響するかは調整中なので、詳細が確定したら発表します。
――Game*Sparkの読者には、既に『サイバーパンク2077』を遊び切ったという方もたくさんいます。最後に、そんなハードコアな『サイバーパンク2077』のプレイヤーに対して、「仮初めの自由」の特にオススメできるポイントを教えてもらえますか？
西尾 本作は、ゲーマーの皆さまにいろいろな形で楽しんでいただけたゲームです。メインストーリーをすごく気に入ってくださった方、サイドストーリーのコメディタッチな部分やシニカルな部分が好きだった方……あるいはハッキングしたりステルスしたり、ゲームプレイそのものがお気に入りという方もいらっしゃいました。もっと細かいところだと“お酒を飲まない”というロールプレイをする方や、フォトモードがメインの方も。
この拡張パック「仮初めの自由」は、すべての『サイバーパンク2077』プレイヤーに向けた“答え”です。集大成となる作品をお届けすることが我々の目標です。もちろん、新規の方にとっても『サイバーパンク2077』に触れる最高の機会になっているので、ぜひお手にとっていただければと思います。
『サイバーパンク2077』拡張パック「仮初めの自由」はPC/PS5/Xbox Series X|S向けに9月26日発売予定。「仮初めの自由」先行プレイレポートをはじめとしたGame*Spark掲載の『サイバーパンク2077』関連記事は、以下からチェックしてみてください！
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