
ゲーム『ガンダムブレイカー』シリーズは、厳密に言えば「ガンダムゲーム」ではありません。
パーツを集めて自分だけのガンプラを組み、戦ったり、オンライン上のプレイヤー同士で出来栄えを見せ合ったりする「ガンプラゲーム」です。対人要素はなく共闘なので初心者にもやさしく、気兼ねなくオンラインに入れます。
「ガンダム」シリーズを観ていなくても大歓迎!そもそも物語の舞台は「ガンダム」シリーズが放送されている我々と地続きのif世界ですし、各シリーズも独立した物語・世界観をしており『3』から始めてもまったく問題ありません。
もちろんガンプラ初心者でもパーツを組み合わせるだけで簡単にオリジナル機体が完成します。まさに「ガンダム」シリーズの入り口になるタイトルであり、ガンプラまたはプラモデルの入り口になるものです。
筆者も歴代シリーズをすべてプレイしているのですが、2024年内に待望の新作『ガンタムブレイカー4』がリリースされると聞いて居ても立ってもいられなくなり、今回改めて『ガンダムブレイカー3』を再プレイすることにしました。
やはり本シリーズ最大の魅力はパーツ集め。手持ちの限られたパーツの中からアレコレ悩んで最高の1体を作り上げるのが楽しく、そうすることで愛着ある「愛機」が誕生するというわけです。
はたして今回はどのようなパーツが集まり、どのような機体が完成するのか?ひとまずストーリーの中盤に位置するジャパンカップをめざします!
◆開発陣がファンの要望に応えることで進化を続けた人気シリーズ
なぜ『ガンダムブレイカー』にはこれだけ熱く応援するファンがいるのか?
それはやはり、理想とするガンダムやモビルスーツを手軽に作ることができ、さらに作品中で活躍させられるからでしょう。ストーリーの間に挟まるデモシーンに愛機が登場して物語を盛り上げる……。没入感が強く、僚機のキャラクターにも感情移入しました。
ガンプラの一般的なシリーズ(HGシリーズ/ハイグレードシリーズ)はだいたい2000円から3000円ほど。『ガンダムブレイカー』では、頭部・胴体・腕・下半身・バックパックの計5か所と武器類を組み替えるのですが、実際にガンプラでそれをやろうとすると5つは購入することになり1万円以上はかかる計算です。さらに自分で色を塗る必要もあり、再現するにはある程度の経験と覚悟が必要です。
しかし『ガンダムブレイカー』では様々なパーツが使えるうえ、ペイントも自由、ウェザリングと呼ばれる汚し塗装もできますし、メッキ塗装も簡単。実際のガンプラにオリジナルの塗装を施す際もシミュレーターとして使えます。


筆者も『ガンダムブレイカー』シリーズがリリースされるたびに愛機を実際にプラモデルで再現するなどしてよく遊びました。もともといくつかガンプラは持っていましたし、例えば腕と下半身を同じ機体にすればそれだけガンプラ1箱分節約できます。イエローサブマリンのガンプラコーナーにもよく通ったものでした。


◆モノアイタイプのMSもツインアイにできる!
ゲームをスタートさせると、プレイヤーは立ち寄ったゲームセンターで本作のヒロイン「ミサ」と出逢います。彼女は地元商店街を盛り上げるためにチームを結成してガンプラバトル大会に出ようとしており、その最初のメンバーとしてプレイヤーをスカウトしたというわけです。
地元開催の「タウンカップ」からはじまり、地区大会の「リージョンカップ」、そして日本一を決める「ジャパンカップ」へ。今回は全5チャプターあるうちのチャプター3までをプレイし、その都度、集めたパーツで機体を組んで理想のガンプラをめざします。

プレイヤーに最初に与えられるのはスタイリッシュなジム型のモビルスーツ。おもなパーツ構成は、頭部とバックパックがジムIII、胴体・腕・下半身がG-3ガンダム。パッと見た感じはメカデザイナーのカトキハジメ氏がデザインしたようなかっこよさです。

筆者が最初にオリジナル機体を作ったのはタウンカップの予選でのこと。チャプターで言うと1-4、まさに序盤中の序盤です。
まだ数えるほどしかパーツが集まっていなかったため、とりあえずお試しでガンダムタイプをカスタマイズ。使用パーツは、ライジングガンダムの頭部、G-3ガンダムの胴体、ガンダムNT-1の腕、G-3ガンダムの下半身、ジムIIIのバックパックです。


思えば『ガンダムブレイカー3』のリリース当初は敵が妙に硬く、またひとつのステージが長すぎて効率的にクリアできないと大不評でした。その後はバランス調整が行われるのですが、調整されるまでは「抜群の破壊力だ!」と評判のジュアッグの腕がプレイヤーの間で大ブームに。両腕の指に3連装ロケットランチャーが装備されているのですが、マシンガンのように打ち込むその武器で「敵がみるみる溶けていく!」と誰もが感激したものでした。
『ガンダムブレイカー』シリーズの開発スタッフはプレイヤーにとても寄り添ってくれて、どんな小さなリクエストでも可能な限り応えてくれたのも嬉しかったです。それがプレイヤー側のワガママでも、どうすれば快適にプレイできるか、楽しんでもらえるかを第一に考えてくれました。もしかしたら開発側としては不満があったかもしれません。それでも『ガンダムブレイカー1』の頃から広く意見を汲み取ってくれたことに感謝しています。

さてゲームは進み、次にオリジナル機体を作ったのはタウンカップ決勝戦でのこと。ステージはチャプター1のステージ6。ガンダムタイプの機体を作ってからわずか2戦での大改造です。
今度はジオンタイプがいいと思い、頭部はケンプファー、胴体はウイングガンダム、腕はグフ、下半身はゲルググ(指揮官用)、バックパックをヴィクトリーガンダムにしました。


その後、「ビルダーズパーツ」が使えるようになると微改造を施します。モノアイタイプのケンプファーの頭部をツインアイにしてみました。
「ビルダーズパーツ」とは『ガンダムブレイカー3』ではじめて実装された新要素のことで、追加武装のほか、ツノやスパイク(トゲ)といった装飾品のことを指します。この新要素でカスタマイズの幅は爆発的に広がり、熟練プレイヤーの中にはゲッターロボやガオガイガー、ダイソンの掃除機を再現する猛者もいて面白かったです。
ここでは「角型センサー」を2つ使い、それを縮小・位置調整し、顔の部分に埋め込んでみました。ちなみにモノアイは輝度をゼロにすれば見えなくなるので、モノアイとツインアイが混在することはありません。


◆名場面として人気の「アップルパイ」
その後もストーリーは順調に進み、リージョンカップからいよいよジャパンカップへ。愛機も本格的な改造へと突入します。
3機目はジャパンカップが近いこともあり、やはりガンダムタイプ一択に。手持ちのパーツもかなり充実して選択肢の幅が広がっています。そこでまずは、ガンダムキュリオスの頭部、ウイングガンダムの胴体、Sガンダムの腕、百式の下半身、バックパックはヴィクトリーガンダムで1機仕上げました。


ジャパンカップの予選がはじまると、みんな大好き「Hi-νガンダムのバックパック」をついに入手!「よーっし、ファンネルを使っちゃうゾッ☆」とばかりに装備しつつ、頭部と腕もアカツキ&ガンダムヘビーアームズに変更しました。
アカツキの頭部はガンダムタイプでありつつシルエットがガンダムっぽくなくて好きですし、ヘビーアームズの肩のミサイルも個人的に大好きなので、この時点でほぼ満足いく仕上がりです。
なおシールドはサイズ変更と位置調整が可能なので、小さくして腕の中に埋め込みました。ゴテゴテしてちょっと見た目が良くないなと思い、そのような処理にしています。



その後、ストーリーはジャパンカップを経て新たな展開へ。途中には当時のプレイヤーを大いに沸かせた名場面もあり、とても懐かしかったです。
チャプター3-5「インフェクテッド・インフォちゃん」でゲームセンターのマスコット・ロボット「インフォちゃん」がウイルスに感染してしまうのですが、普段よりも毒舌レベルが格段にアップしてヒロインのミサと血で血を洗う舌戦を繰り広げることに。
「アップルパイにはアップルが入ってるけど、ペチャパイには何が入ってるのー?」と煽り散らかすインフォちゃんに対し、ミサは「何も入ってねーんだよ!」と切れ味鋭い自虐ツッコミを炸裂。力強すぎる井口裕香さんの演技と相まって、女性型ロボットと女の子の「壮絶なる女の闘い」が繰り広げられたのでした。




今回のプレイでは1/144スケールのHGシリーズ(ハイグレード・シリーズ)しか登場していませんが、ゲームの難易度を上げることでMGシリーズ(マスターグレード・シリーズ)という1/100スケールの大きなサイズのガンプラも入手可能に。
HGとMGでは同じ機体でもサイズが異なるのですが、ガンプラのゲームということで混ぜてカスタマイズすることが可能に。異様に腕がデカいガンダムや、顔の大きなガンダムなど、そこでもカスタマイズの幅は広がります。
またHGの中には大型のモビルスーツも存在するので、大きなモビルスーツはHG、小型のモビルスーツはMGで組むとバランスが整うことがあります。最新作の『ガンダムブレイカー4』ではさらに、左右の腕で別々のパーツが使えたり、組んだガンプラでジオラマが作れたりして、楽しみ方がさらに広がっています。
皆さんもこの連休を使い、『ガンダムブレイカー3』でオリジナルのガンプラを作って動かし、可能ならそのオリジナルガンプラを実際のガンプラで再現してはいかがでしょうか?






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