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Valveは、未だ高い人気のMOBA『Dota 2』にて展開していたバトルパスを廃止することを発表しました。
ほとんど買われないのにリソースは取られる…コンテンツ提供に支障
本作で展開されていたバトルパスでは、多くのリワードと様々なコンテンツが生み出されました。しかし、初期に展開されていたテーマアップデートやミニゲーム、アイテムセットやアルカナといったコンテンツが徐々にバトルパスに飲まれていきました。
バトルパスは毎年大量のコンテンツを提供することが可能にはなった一方で、バトルパスを中心に設計した場合、バトルパスに合わないコンテンツを提供する機会が大幅に制限されることになってしまったといいます。
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そこでValveはこの問題に対処すべく、今年のはじめからバトルパスコンテンツのリソースの一部をバトルパスに収まりきらない機能やコンテンツといったアップデート用のものに充てるという方針へと転換しました。現在はまだ作業中ですが、これまでと同じくバトルパスに全力を注いでいたら大型パッチ「New Frontiers」の提供は難しかったと述べています。
加えて、ほとんどのプレイヤーがバトルパスを購入していないという驚きの事実も明かされました。UIの改善やクライアントの新機能といったものはバトルパスを購入していなくても恩恵を受けることができます。
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「New Frontiers」に対するコミュニティの反応は良く、バトルパス用スキンよりももっと様々なアップデートに力を注ぐことがゲームやコミュニティにとって長期的に正しい道である、という結論に至ったそうです。
大手のバトルパス廃止は業界に影響を及ぼすか?
バトルパスというシステムはユーザーから取ってみれば都度課金ではなく、時間さえ掛ければ少額の課金で数多くの特典を入手できるというメリットがありますが、今回メーカー側にとっては常に同系統の新コンテンツを用意するリソースの捻出が問題化し、「バトルパス疲れ」を起こす可能性が示唆されました。
そして、当のユーザー側にとっても、今回問題視された課金をせずとも新要素が楽しめてしまうことによる課金控えはもちろん、別の問題として、ひたすらプレイを重ねたり指定のミッションをこなしたりしてレベルを上げていくという性質上発生する作業感やゲーム同士での時間の奪い合いなどで、メーカーとは違う「バトルパス疲れ」に見舞われてしまう可能性はそう低くはないでしょう。
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他社の動向は不明ですが、業界大手のValve、そしてMOBA大手の『Dota 2』がバトルパスを廃止するという事実は、大きなインパクトを残すでしょう。
※UPDATE(2023/6/21 16:25):タイトルの誤字を修正しました。