米FTCとの裁判で勝訴したばかりのマイクロソフトですが、もうひとつの大きな相手である英国CMAとの裁判について、一時停止とすることで合意しました。
話し合いに前向きな姿勢
英国CMAとの裁判では、Activision Blizzard買収によるクラウドゲーミング市場への影響が懸念されており、そこが大きな争点となっています。CMAはこの買収を阻止しようとする最後の規制当局であるとThe Vergeが報じており、ここで承認されればついに買収が完了することになります。
CMAは4月にこの買収を阻止する動きを見せ、マイクロソフト側は7月28日より開始する審問で不服を申し立てる予定でした。しかし、CMAのクラウドゲーミングへの懸念に対し買収の調整を検討するため、上訴手続きを一時停止することでCMAと合意しました。
マイクロソフトの副会長兼プレジデントのブラッド・スミス氏はThe Vergeへの声明で「CMAの懸念に最終的には同意できませんが、CMAが受け入れられる形で懸念に対処するため、取引をどのように修正できるか検討しています。これらの提案に優先的に取り組むため、MSおよびActivisionは英国での訴訟の停止が公益にかなうということでCMAと合意し、その旨を競争審判所に共同で提出しました。」と述べています。
CMAはこの決定が事実であると認め、「我々の最終報告書に記載された懸念に対処するために調整するマイクロソフトからの提案を検討する用意がある」と述べています。
競争審判所はこの要求を承認するか否かを承認しなければなりませんが、両者の協議をさらに進行させるために承認される可能性が高いとのこと。というのも、CMAが不服申立てを行いFTC裁判を7月から10月に遅延させようとしたところ却下されたため、競争審判所はこの争いを進行させたいと方針であると考えられるからだといいます。
買収期限は7月18日と間近まで迫っています。一度買収期限が切れても再度契約が結ばれるものと考えられますが、買収額に変動が見られる可能性があります。うまく調整されCMAから承認となれば晴れて買収が完了するため、今日以降の動きにも注目が集まります。