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パブリッシャーShiravuneは、美少女ゲームブランド・リリスが開発するADV『対魔忍アサギ』のSteam版ストアページを公開しました。
“感度3000倍”の原点がSteam上陸
2005年にリリースされた本作は、“感度3000倍”というフレーズでも有名な美少女ゲーム『対魔忍』シリーズの第1作目です。対魔忍の中でも最強の存在である井川アサギを主人公に、近未来の東京を舞台に闇と腐敗に立ち向かいます。
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様々なキャラクターの魅力に加え、ニッチなものも含まれる成人向けのシーンなどが複数のネットミーム化しており、シリーズ開始から18年が経過したいまでも数多くの成人向けゲームに加え一般向けアクションゲームやRPG、小説やアニメ化など幅広い展開が行われています。Steamでもすでにシリーズ作として、一般向け作品『アクション対魔忍』や、成人向けのミニゲーム集『対魔忍コレクション: 決戦アリーナ』などが配信されています。
つまづいたSteam展開…最終的に日本語ナシの結果に終わるか
しかしながら、今回のSteam版には対応言語に日本語がありません。その原因は2つ考えられます。ひとつは、パブリッシャーであるShiravuneのリリース方式です。
『WHITE ALBUM -綴られる冬の想い出-』や『マルコと銀河竜』など全年齢作品には日本語があるものの、『同級生リメイク』や『ぬきたし』など成人向けゲームは何らかの事情で日本語テキストなしかつ外部パッチで18禁要素を解禁する方式でのリリースが基本となっています。本作においても、成人向けフラグは立てられていません。
もうひとつとしては、これまでSteam展開がうまくいっていなかったことが挙げられます。実は今回新たにストアが公開された『対魔忍アサギ』はSteamに登録されるのは少なくとも2度めです。『アクション対魔忍』などを運営するインフィニブレインが配信元として2019年から2020年にかけて『アサギ』『ユキカゼ』の2作の体験版を日本語入りで配信していたのです。それにあたって2019年頃にシリーズの企画・監修を務める笹山逸刀斎氏が「できれば内容を変えずに配信したい」としていたものの、その後ゲーム本体の配信はNGとなったことが伝えられ、センシティブなテーマをSteamで扱うためのノウハウがない日本のゲームメーカーがSteamへと独力で進出する難しさを知らせるエピソードとなりました。こちらとの兼ね合いもあるのかも知れません。
直近では配信中止となった『ダンジョントラベラーズ2』『同2-2』もShiravuneがSteam版パブリッシャーだったなど、今回の再登場版が無事にリリースまでこぎつけられるかは不透明ですが、少なくとも日本語は収録されないということならば、いずれにせよ日本のユーザーには寂しい結果に終わることは違いありません。
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残念ながら『対魔忍アサギ』のSteam版を日本語で楽しむことはできなさそうですが各種国内サイトでは日本語版がDL販売されているので、プレイしたい方はそちらをチェックしましょう。