自分の武侠世界を創り出せ！サンドボックス型オープンワールドRPG『絶世好武功 The Matchless KungFu』【中華ゲーム見聞録】

「中華ゲーム見聞録」第123回目は、武侠世界を自由に生きていくオープンワールドRPG『絶世好武功 The Matchless KungFu』をお届けします。

本作はHuanMos Gameが開発し、「ビリビリ動画」で知られるbilibiliによって、2023年8月30日に早期アクセス版がSteamで配信されました。

本作の内容ですが、武侠世界を自由に冒険できるサンドボックス型のオープンワールドRPGです。主人公を鍛えて武の高みを目指す以外に、建築を行ったり、商店を開いたり、物乞いをしたり、自分の派閥を作ったり、敵対する人の家に放火したり、捕まえて牢屋に閉じ込めたりなど様々なことが可能。マップも自分好みのものを創れるそうです。果たしてどんなゲームなのか、早速プレイしていきましょう！

パンツ一丁で武侠世界に放り出される素破（スパ）

ゲームを開始すると、まずはキャラメイク。自分の来歴や性別、特性、外見などを決めます。何度もプレイすることが推奨されているゲームのため、初プレイ時はロックされている来歴や特性が多く、あまり自由には選べません（来歴は「孤児」のみ）。いつものごとく「素破（スパ）」というキャラを作成。

ゲーム開始すると、素破はパンツ一丁のまま船上で倒れていました。死にかけていたらしく、近くを通りかかった農夫の郝少恭という人物に助けられます。ここでいろいろ選択肢が出てきますが、恩返しのために郝少恭の依頼「甘草を5つ集める」を受けましょう。

パンツ一丁のまま甘草探しに出かける素破。茂みなどでFキーを押すと、時間を消費して採取を行います。武侠者なので、木や石も素手で殴り砕いて木材・石材にすることが可能。それと本作の主人公には「気血（HP）」「内力（スタミナ）」「心境（ストレス）」があり、気血は眠ることで、内力は座禅を組むことで回復できます。

甘草が5つ集まったため、郝少恭のもとへ。家で寝ていたので、コマンドで呼び起こしてから、依頼達成の通達をしました。本作では逆に、お金や物品を提供することで、こちらから依頼を出すことも可能。自分の護衛をしてもらうこともできます。また贈り物を送ったり、取引をしたり、物を盗んだり、毒を盛ったりなども。人間関係を気にしながら自分だけの物語を組み立てていきましょう。

いつまでもパンツ一丁なことを不憫に思ったのか、郝少恭が笠・服・ズボンの一式をくれました。さっそく装備。これでちょっとはましになりましたね。

テンポの良い戦闘演出

唐突に始まる戦闘チュートリアル。本作のバトルはかなり独特で、画面に散らばる拳・足・掌・剣（装備していれば）などのアイコンを一つ選び、それをドラッグして他のアイコンの上を通過していくことでコンボを組み立てられます。例えば最初に足アイコンを選び、それをドラッグして他の足アイコンの上を通過していけば、連続で蹴りを放つことに。この戦闘アクションの演出が結構かっこいいですね。

相手の攻撃コンボは画面右上で確認できます。「拳は足に強く、剣は拳・掌に強い」などじゃんけんのような法則もあるので、相手の攻撃を潰していくことも可能（画面上に対応するアイコンがあれば）。

画面下にあるのは必殺技カード。コンボを成立させた次のターンに使用可能になります。現在セットされている「撩陰脚」は、足アイコンを5つつなげることで発動できます。一方的に攻撃可能なので、機会があれば発動させていくのがよいでしょう。

ゲーム中で習得した必殺技は、装備画面でセットしておかないと使えませんので忘れずに。条件の厳しい必殺技は威力が大きいですが、そのぶん発動機会が少なくなってしまいます。コンボ数の少ない必殺技でガンガン攻めていくというのも一つの手ですね。

武侠世界を拡張しよう！

地域タイルに設定されたミッションをクリアすると、5枚のパワーアップカードから一つを選べます。戦闘で「拳」を使うことが多いため、ここは拳の攻撃力を上げておきましょう。

新たな地域タイルを一枚置けるようになりました。画面左に並ぶ地域タイルを、すでにある地域タイルのそばに配置できます。このように「地域ミッションのクリア」→「地域タイルの配置」をしていき、武侠世界を広げていきましょう。地域タイルには寒冷や灼熱などステータスに悪影響を与える地域もあるため、最初の内は村など通常の地域を選んだ方が良いでしょう。今回は「天秤村」という村を配置。これで世界に登場する人物が増えます。

しゃがむことで「ステルスモード」に突入。人の家に忍び込んで盗みを働いたり、寝ている人から物を奪ったりできます。悪名も上がるため、善人プレイをしたい方はほどほどに。それと本作ではすべての人物に好感度が設定されています。恨みを持たれると、その人物だけでなく、所属する組織ごと敵に回してしまうリスクもあるので注意が必要です。

村では、猿たちに物を盗まれるという被害が。しかも猿はどこで習ったのか、拳法を使いこなせるため、村人たちは手出しができません。山へ向かい、猿たちを懲らしめてやりましょう。ついでに必殺技「形意：猴」も習得しました。

いろいろ作ってみよう！

村人から「いつまでも身分が無いのは格好がつかない」と言われ、職業選択をさせられます。木を殴り倒すことが多いので、ここは木こりを選択。選択肢に「物乞い」もありますが、武侠作品では物乞いも一つの派閥で、物乞い独自の拳法も存在します。本作では「破碗」というアイテムがあれば、物乞いでお金を稼ぐことも可能。

就職祝い（?）に、先程の人から「雑貨柜」をいただきました。売りたい物をセットしておけば、自動的に取引してくれます。取った木材を入れておきましょう。ベッドや灯りなども作り、周りに設置して生活空間を作ってみました。屋根はありませんが、ベッドで眠って気血を回復させられるようになりました。

「火堆」を設置すると、料理を作れます。ただ現在は焼き肉のレシピぐらいしかないですし、材料も無いので何も作れません。残念……。

家の建設ですが、床や壁、屋根、窓、門など、細かく設定できます。設定後はマップ上に建設中状態の家が現れます。必要な材料を運び込んで完成させましょう。

郝少恭を仲間に加え、盗賊アジトに潜入するミッションに挑戦。牢屋などの設備を破壊し、家に火をつけてやりました。このあと、盗賊たちに恨みを持たれることに。果たして素破はどうなるのか、続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

自由度の高いサンドボックス武侠RPG

本作はメインストーリーのようなものは特になく、自分のペースで好きなようにゲームを進めていける、自由度の高いサンドボックス型武侠RPGとなっています。地域パネルを配置していくことで、自分好みの世界を創り上げていけるのが良いですね。

人間関係も重要で、恨みを持たれると組織ごと敵に回してしまう危険性もあります。逆に、敵に襲われているところを助けてくれる人がいたり、ケガをしていると家まで運んで手当てしてくれたりといった展開も。現在、まだ早期アクセスで中国語と英語しかありませんが、bilibiliパブリッシングの作品には『セーリング エラ』など日本語をサポートする作品もあるので、今後の展開に期待しましょう。

※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字・繁体字を日本の漢字に置き換えています。