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1月20日・21日にインディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン4」が開催されました。本記事では、Medium-Rare Gamesの開発した全自動ダンジョンRPG『Algolemeth』の試遊レポートをお届けします!
ゴーレムをプログラミングし、探索や戦闘を自動化!
本作はモジュールを繋いでアルゴリズムを作成し、それによってゴーレムを動かしてダンジョンを探索するダンジョンRPG。それぞれのモジュールはカテゴリごとに分類されており、「攻撃」や「魔法」といった「アクションモジュール」や、「ランダムな敵」「最もHPの低い味方」といった対象を指定する「ターゲットモジュール」、そして「HP50%以下の味方がいる時」など条件によって分岐する「IFモジュール」など、多彩な動きがモジュールによって作成可能です。
これらを組み合わせることによって、例えば「HP50%の味方がいる場合には、最もHPの低い味方に回復魔法を使う。いない場合には、ランダムな敵に通常攻撃をする」といった行動をプログラミングできます。
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また、ダンジョン内で遭遇する敵を倒すと、その敵がアルゴリズムで使用していたモジュールをドロップします。何度も探索を重ねてモジュールを充実させていくことで、さらに複雑なロジックを生成することも可能となります。
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さらに本作では戦闘だけでなく、ダンジョン内の探索まで自動で行う「探索AI」も設定可能です。探索AIも戦闘AIと同様にモジュールが分類されており、それらを組み合わせることで先の階層に進むか、撤退するかなど判断します。
今回構築したアルゴリズムでは「探索中に階段を見つけた場合には、次の階層に進む。階段を見つけられず、HPが50%以下の味方がいる場合にはダンジョンを撤退する」という行動をとります。何度か撤退を重ねつつも、次の階層に辿りつくことができました。
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トライアンドエラーを重ねて、動きをブラッシュアップしていく楽しさ
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上の階層では出現する敵も変わり、よりアルゴリズムが複雑になったモンスターが立ちはだかります。特に筆者の遭遇した「メック」は物理攻撃に強く、少しのダメージしか与えられません。それでいて、HP回復回復魔法や物理耐性を上昇させてくるなど、かなりの強敵でした。
ターン数はかかってしまったものの、メックを撃破することができました。しかし長期戦によってHPやMPといったリソースもほぼ使い切ってしまい、続いて現れた「ダークナイト」に倒されてしまいました……。ダンジョンに登場する敵がどのようなアクションを持っていて、どのような行動をしてくるかの研究や対策も重要のようです。
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また、このプレイを通じて、さまざまな改善点も見えてきました。例えば、前述の「HP50%以下の味方がいる時に回復魔法を使う」というヒーラーのアルゴリズムですが、「自身のMP量による分岐」がないため、「MPがない状態でも、体力の少ない味方がいると回復魔法を唱え続けてしまって、1ターンの行動を無駄にしてしまう」という問題点が見えてきました。
「HPが50%以下の味方がいて、なおかつ自身のMPが〇〇以上の場合、回復魔法を行う。そうでない場合は、敵に攻撃をする」というアルゴリズムが生成できれば、MPがなくてもターン中に最低限の行動はできるだろう……などトライアンドエラーを繰り返し、問題を発見してブラッシュアップしていくという楽しさが本作のキモです。
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探索AIについても同様で、“HP50%以下の仲間がいる場合に撤退するかどうか”の判断を「階段を発見した時」に行うことで、ギリギリの範囲まで探索してから撤退の判断をするなど、更に改善できそうでした。
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「アルゴリズムの作成」や「プログラミング」は一見すると専門的な知識が必要そうに感じますが……全自動ダンジョンRPG『Algolemeth』ではモジュール同士を繋いでいくことで、直感的にチャレンジできます。
そして、実際に動かしてみるとさまざまな改善点が見つかったり、「次はこういう風に攻略してみたいな~」とゲームプレイの新たなアイデアが浮かんできたりします。さらなるモジュールを手に入れてトライアンドエラーを重ねて洗練していく楽しさもあり、ユニークなダンジョンRPGとして正式リリースも期待できます。
『Algolemeth』は2024年内にPC(Steam)向けに配信予定です。