注意
本記事では『Lysfanga: The Time Shift Warrior』の一部ギミックを紹介しています。事前情報なしでプレイを検討されている方におかれましては、閲覧にはご注意ください。
今回はSand Door Studioがデベロッパーを、Spotlight by Quantic Dreamがパブリッシャーを担い、2024年2月14日にWindows PC(Steam/ Epic Gamesストア)向けにリリース予定の『Lysfanga: The Time Shift Warrior』をご紹介します。
『Lysfanga: The Time Shift Warrior』とは?

本作は、ファンタジー世界を舞台に繰り広げられる時間操作アクションADV。「直前までの自分の行動を再生する」という幻影召喚システムは、過去の自分との共闘を可能にし、戦場全体を時系列で把握することが求められるユニークながらも楽しいプレイフィールでした。

時間操作を繰り返すほど、分身(レムナント)が増えるので、はじめは敵の数が多く一人では倒しきれなくても、最終的には自分の分身たちと力を合わせて撃破できる爽快感が素晴らしい。他にも、探索しがいのあるマップ、個性豊かなキャラクターなど様々な要素がギュッと詰まっている本作。早速紹介してまいりましょう。なお、本記事の執筆に当たってはNetEase Games/Quantic Dreamから提供された製品版のキーを使用しています。
操作・設定・言語

本作はキーボード&マウスおよびコントローラー操作に対応。ゲーム起動時にも表示されますが、コントローラー使用が推奨されています。たしかにどちらでもプレイは可能でしたが、激しい戦闘アクションが多い本作においては、コントローラーの方がより手に馴染む操作感覚でしたね。

その他の設定については、キーバインドから操作感、グラフィックを細かく調整可能。サウンドは、オーソドックスな項目が並んでいました。言語については日本語にバッチリ対応しています。翻訳も違和感が無いため、キャラクターの茶目っ気などもしっかり描写されていました。
本編開始

さあ始まりました『Lysfanga: The Time Shift Warrior』。ニューゲームから3つのセーブスロットからひとつを選ぶと、この世界の成り立ちなどこれまでのあらすじムービーが始まります。

この演出はそこまで冗長ではなかったので、操作できないまま待たされることが苦手な筆者にとっても問題ありませんでした(実行はしてませんが、スキップ機能の搭載も確認済み)。ただし専門用語が多いため、はじめはピンとこないままこの世界に放り込まれて混乱するかもしれません。

とりあえず、王国の危機に立ち上がった主人公のイムは、数年前に失踪した双子の弟のことが気がかりになりつつも、女神コメーラに授かった力を駆使して敵の軍勢を突破していく……というざっくりとした理解で問題無いでしょう。ゲームを進行すれば、キャラクター達の会話によって肉付けがされますし、いつでも閲覧可能な「記録書」を開けば、世界設定や各人物の背景などの細かい部分を確認できますしね。

序盤はチュートリアルも兼ねており、実際の戦闘を通じて「時間操作」に慣れていくようなレベルデザインになっています。このシステムは頭ではわかっていても、いざ使うとなるとちょっと練習が必要になりますからね。

ゲームの進行に合わせて戦闘の難度……例えば敵のバリエーション、数、配置の複雑さ等が徐々に増強されていきますが、このレベルデザインのおかげで理不尽を感じることなく、楽しくプレイすることができました。

本作のゲーム進行は、探索の間に戦闘が挟まるのが基本的な流れで、拠点エリアに時折戻っては身支度をする、というものになります。そのためマップのグラフィックはなかなかの作り込みで情報量が多いですね。とはいえ、次の目的地への誘導も自然にデザインされているため、迷子の心配は少ないでしょう。

それでありながら、脇道には「この階段はどこに続いているんだろう?」と興味を引くフックもしっかり用意されています。というか脇道にそれて歩き回るだけでも、何かしらのアイテム等が隠されていたりするので、探索しがいは十分にありました。

ただ一点だけ、ミニマップ機能を導入(ON/ OFF可能な形で)されたらさらに遊びやすくなるかな……と感じました。今後のアップデートで対応されたらありがたいところです。

あらためて戦闘について触れていきましょう。戦いの基本は、時間操作した後を見据えつつ、敵の配置に対していかに効率よく立ち回るか。主人公イムは剣などの近接武器による攻撃がメインで、ゲームの進行によって装備可能な武器が増えていきます。

チャクラムめいた一部の装備はリーチが長く、遠距離武器のように使用可能。戦闘中自由に切り替えられるため、距離を問わず複数の敵を同時に相手取ることもできます。ここへ、スペルとルーンと呼ばれるチャージorリキャスト式の魔法を組み合わせることで、戦略の幅はさらに広がりを見せます。

戦闘の場には制限時間が設けられており、タイムアップになると強制的にスタート時点に戻されてしまいます。効率よく立ち回るには、戦闘開始前にカメラで戦場をよく観察して、敵へのアプローチコースを決めていくと良いでしょう。

時間操作抜きにして戦闘に勝利することはできず、じゃあ勝てるまで何度も繰り返してやる!と意気込んだところで“回数制限”があります。本作の戦闘は激しい脳筋アクション(?)ですが、「どの敵をどういった順番で倒していくか」という立ち回りの部分については頭脳戦が求められるのが面白いところ。

なお回数は、探索中に見つけるアイテムを4個集めるごとに1回ずつ増えていきます。

時間操作に回数制限があるということは、つまり「己の分身を何体召喚できるか」ということに繋がります。そのことを念頭に置きつつ、二手に分かれて敵を各個撃破するか、はたまた体力の多い敵1体に集中攻撃を加えるか、というプランニングをして実践するのがこれまた楽しい。筆者の場合、あえて動きながら試行錯誤しつつ、手応えが攻略ルートとして収束していく、といった部分に震えるほど夢中になっていました。

離れた位置にいる2体を同時に倒さないと勝てない……!という敵については、タイミングを合わせて攻撃を加える必要があります。この攻撃の順序とパターンを考えるときは非常に悩まされました。しかしそうやって頭を捻って攻略している時が何よりも楽しかったり。

ところで拠点について……序盤は何もなかったり、一部移動が制限されたりしていますが、物語が進むごとに少しずつ個性豊かなゴーレム達が増えていきます。

それに合わせて飾る絵を変更したり、探索中に入手した衣装に着替えたりなど様々な要素も増えていきます。

個人的に良かったのはお着替えで、カラーリングのパターンが変わるだけでもだいぶ雰囲気が異なるので、そのときの気分によって気軽に衣装を変えていましたね。
ちなみに筆者は、昨年米国で開催された「Summer Game Fest(SGF)」でも、開発スタジオおよびパブリッシングマネージャーのMatthieu Schneider氏から解説を受けつつ本作を体験しておりました。

その時は主に戦闘がメインで、何よりそれに夢中だったので気づかなかったのですが……こうして製品となった本作を体験してみると、探索含めて全体的なクオリティが高水準にまとまっており、半年以上待ちわびたかいのあった大満足のプレイ体験でしたね。
タイトル:『Lysfanga: The Time Shift Warrior』
対応機種:Windows PC(Steam/ Epic Gamesストア)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2024年2月14日
著者プレイ時間:3.5時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:2,800円(2024年2月21まで20%オフのセール予定)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
頭がこんがらがる……んだけど、パズルを解いたような爽快感が戦闘に上乗せされて目茶苦茶楽しいスパよ!