キュート&セクシーな見た目によらずシビアな難易度のDRPG!Steam版『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

キュート&セクシーな見た目によらずシビアな難易度のDRPG!Steam版『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』【プレイレポ】

可愛い顔して殺意高め!?の、ゲームオーバーと隣り合わせのDRPG『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』のプレイレポートをお届けします。

連載・特集 プレイレポート

もうすぐ春ですね、ちょっとダンジョンに潜ってみませんか?というわけで、今回はスティングが開発し、アクアプラス/NEXOAがパブリッシャーを手掛けるSteam版『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』のプレイレポートをお届けします。

『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』とは

筆者の私物のPSP版

本作は2004年にPS2で発売された人気恋愛シミュレーションゲーム『ToHeart2』のスピンオフとなるDRPG(3DダンジョンRPG)です。『ToHeart2』は2005年にPCにアダルトゲーム『ToHeart2 XRATED』として移植され、さらにそのファンディスク『愛佳でいくの!!』が2008年に発売されました。その『愛佳でいくの!!』に収録されたミニゲーム『FINAL DRAGON CHRONICLE ~GUILTY REQUIEM~』をベースに、1本の超ボリュームのDRPGとしてほぼ別物と言えるほどリファインしたのが2011年にPSPで発売された『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』となります。発売までの経緯がすごくややこしいですね。

PSPで発売された本作は人気を博し、『ダンジョントラベラーズ』としてシリーズ化しました。2013年には『ToHeart2』の要素を全て排し、オリジナルのDRPGとしての道を踏み出した続編『ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印』がPSPで、さらにその続編となる『ダンジョントラベラーズ2-2 闇堕ちの乙女とはじまりの書』が2017年にPSVitaで発売されており、また2015年には『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』自体もPSVitaにUIやバグの修正を加えて再移植されています。

そして2024年、満を持して本作『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』がPC移植され、Steamで配信されました。2023年に続編となる『ダンジョントラベラーズ2』『同2-2』もPC移植されていたのですが、Steamの審査を通らなかったという事でこれらの作品はDMM限定での配信となっています。

『ToHeart2』の登場人物がまとめて異世界転生!?現実へ戻るための手がかりを得るためにダンジョンに挑め

本作は学園のトラブルメーカー・まーりゃん先輩がフルダイブ型のVRゲームを開発したところから始まります。このゲームの被験体として、『ToHeart2』の登場人物たちが一堂に集められるのですが――

案の定、実験装置は暴走。一行はファンタジーRPG風の異世界へバラバラに飛ばされてしまいます。周辺にあるのは、どこまで続くのかわからないダンジョン。主人公の貴明は幼馴染のこのみ・タマ姉とともに、現実世界へ戻るためにダンジョンの探索を始めることになります。

ダンジョンの中には『ToHeart2』のヒロインたちがボス敵として登場。彼女たちは正気を失っており、戦闘で打ち倒すことにより正気を取り戻す(そして、セクシーなご褒美グラフィックが表示される)ことになります。

女の子モンスター(とナマモノ)で溢れる迷宮。スキルとクラスチェンジとアイテムを駆使しモンスターを封印せよ

ダンジョン内では様々な女の子モンスター(と、果物に手足が生えた不気味なナマモノ)で溢れており、こちらは最大5人のヒロインたちでパーティを構成して立ち向かいます(主人公である「貴明」は戦闘メンバーに数えられておらず、後ろで指示を出している……という扱いです。この男性メンバーは戦わないという設定は後続作にも受け継がれていくことになります)。本作ではそれぞれのモンスターが個性的な攻撃手段を持ち合わせており、例えばダンジョン4階などに出現する「カマイタチ」はパーティ全体への物理攻撃スキルを持ち合わせており、4階に降りた段階で3体組に先制攻撃されると一気にパーティが壊滅する恐れのある危険な敵です。こうした敵に立ち向かうためには、パーティの育成が不可欠になります。

キャラクター育成の要素の1つは「スキルの習得・強化」です。本作ではレベルアップしたキャラクターにスキルポイントが加算され、スキルポイントを消費してスキルを習得、あるいは習得済みのスキルを強化していく……という、『ディアブロ2』や『世界樹の迷宮』シリーズに近いスキルシステムを採用しています。もちろんスキルを強化すれば威力は強力になりますが、大半のスキルは強化すると消費リソースが増え、魔法であれば詠唱時間も長くなる……というデメリットも付随してきます。特に本作では魔法の詠唱中のキャラクターが攻撃を受けると魔法の詠唱が中断されてしまう事がある(敵味方を問わず!)ため、魔法強化時の詠唱時間の増加はかなりのデメリットとなります。メリットとデメリットをよく考えながら、スキルの習得には頭を悩ませることになるでしょう。

もう1つのキャラクター育成要素が「クラスチェンジ」です。本作では全ての仲間キャラクターが「ファイター」「スカウト」「マジックユーザー」「メイド」の4種の基本職のいずれかに属しており、基本職を変えることはできないのですが、Lv15に到達するとそれぞれの基本職に応じた2~3つの中級職にクラスチェンジができ、さらにLv30に達すると中級職に応じた2種の上級職へとクラスチェンジができます。クラスチェンジすると基礎能力が上昇する上に習得できるスキルが爆発的に増え、戦術の幅が大幅に増えます。また、クラスごとにそれぞれ個別の衣装が用意されており、これを揃えていくのも楽しみのひとつと言えます(高校生の子持ち人妻を「ジョシコーセー」なる上級職に就かせることも出来たり……)。

一度クラスチェンジをすると別の職業へはすぐにクラスチェンジは行えないのですが、本作では拠点で「レベルリセット」が可能であり、高レベルキャラクターをレベルリセットするとリセットしたレベル量に応じて基礎能力値が強化されるほか、職業も基本職へと戻るので、再度中級職・上級職へのクラスチェンジが可能になります。メインシナリオクリアを目指す程度であればクラスチェンジは必要ありませんが、本作を隅から隅まで極めるためにはレベルリセットは必須となるので、徹底的にやり込もうと思う人は覚えておいてください。

また本作の武具アイテムは「未鑑定アイテム」という形で手に入り、拠点や一部職業のスキルで鑑定しなければ使う事が出来ません。

鑑定したアイテムには「接頭辞」や「+表記」がついていることがあり、接頭辞に応じた特殊な効果が付与されるほか、+表記が大きくなれば大きくなるほどアイテムとしての性能が高くなります。こうしたマジックアイテムの扱いは『ディアブロ』シリーズを思い起こさせます。またランダムで性能が付与されるアイテムのほかに、能力固定だが非常に尖った性能を持つ、いわゆる「ユニークアイテム」に相当する装備品もあります。こうしたアイテムのうち、特に地下1階で宝箱から確実に手に入る「ナースキャップ」(装備者のHP・TPを毎ターン回復)は、後衛から魔法を連発するダメージディーラーにとっては長く使える逸品です。

また、本作のゲーム上での目的の1つとして「モンスター図鑑の完成」があります。本作では基本的に敵の能力値などは不明なのですが、拠点の商店で買える「モンスター図鑑」を使うと相手モンスターを封印し、「封印書【(モンスター名)】」というアクセサリに変えることができます。こうして一度封印したモンスターは戦闘中にレベルや能力値、弱点属性をチェックできるようになります。但しモンスター図鑑による敵封印は敵のHPをギリギリまで削っていないと成功しません。バランスの良いパーティを組んでいるときにたまに使える協力技「サーチアイ」を使い敵のHPを細かく調べるなり、体感であと何発で敵が沈むかを考えるなり、上手いこと敵のHPを調整することが求められます。

完成した封印書は商店で高く売れるほか、拠点で依頼されるクエストの目標アイテムとなったり、また封印書によってはアクセサリとして非常に優秀な効果を持っていたり(序盤ではTP回復効果を持つ「衛生兵」、即死無効効果を付与する「ファラオ」が優秀)と、使い道は多いです。

「アクセサリと封印書が同じ装備枠」「封印書の作成にアイテムと敵捕獲HP調整が必要」と、本作の封印書周りの仕様は続編となる『ダンジョントラベラーズ2』以降と比較すると不便な部分が目立ちますが、それでも本ゲームのコンプリートにおいてはモンスター図鑑の完成が必須なので、完璧を目指す方は頑張って頂きたいと思います。

粗削りでシビアながらボリュームとやり込み要素は豊富。長く楽しめるDRPG

本作はメインダンジョンの地下10階の制覇で一応のエンディングを見ることはできますが、そこは仲間キャラクターがすべて揃う通過点でしかありません。メインダンジョン以外にも「近くの森」「戦闘解放区」「三十重の塔」などのエキストラダンジョンも多数登場し、またメインダンジョンも地下10階はただの表層で、そこから先はさらに強く、さらに凶悪かつ理不尽なモンスターとダンジョン構成が待ち構えているのです。

本作を単品のDRPGとして見た場合、序盤から一方通行や細かな迷路を駆使しつつ、一部のボス敵や唐突に現れる極端に強い場違いなザコ敵の存在にシビア……を通り越した理不尽さや、粗削りさを感じないわけではありません。しかし本作はどこでもセーブが可能で、しかもセーブスロットを多数分けられる事で理不尽さへのリスクに対して備えることができ、また死力を尽くして強敵を撃破した時の達成感は何物にも代えがたいものがあります。

女の子キャラクターのかわいさだけを見て本作に安易に手を出すと痛い目を見るかもしれませんが、隣り合わせの死が青春のシビアかつ骨太なDRPGを求めている方にはおススメの逸品です。

スパくんのひとこと



可愛い顔してわりと殺るもんだねといった感じのDRPG!ゲームクリアまではともかく、完全クリアまでには地道な努力と根気が必要なゲームスパ!



タイトル:ToHeart2 ダンジョントラベラーズ
対応機種:PC(Steam/DMM)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2024年2月15日
著者プレイ時間:45時間(筆者のPSP版プレイ時間含む)
サブスク配信有無:
価格:1,980円(税込)
※製品情報は記事執筆時点のもの



ブレイド&バスタード1 (DREコミックス)
¥733
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:ずんこ。

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください
  • スパくんのお友達 2024-02-29 8:15:52
    ダントラシリーズは「見た目に騙されると痛い目」を見る典型的なシリーズで、前半はいわば長い"チュートリアル"のようなもの。裏面に当たる後半の方が言わば"本篇"で、トゥルーEDを見ようとするとかなりの時間と労力がかかるから、萌えやエ口"だけ"を目当てにしてる人は要注意。
    3 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2024-02-29 2:05:21
    タマ姉たまんねえ
    6 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2024-02-29 1:59:49
    ダントラ2(及び2-2)も成人指定で再申請するってパブリッシャー(Shiravune)が言っているみたいやね
    2 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2024-02-28 9:37:20
    本編toheart2も出してくれませんかねぇ。dmmで何で売るのやめたんだよ
    11 Good
    返信
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top
メディアメンバーシステム
ユーザー登録
ログイン
こんにちは、ゲストさん
Avatar
メディアメンバーシステム