今回はPlayWithFurciferとIndieArkが、2024年3月8日にSteamにてPC(Windows/ Linux)向けに早期アクセスリリースしたPvPオートバトラー『バックパック・バトル』をご紹介します。
『バックパック・バトル』とは?
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本作は、バックパックに詰め込んだアイテムを駆使して相手を倒す整理整頓インベントリバトル。シンプルな要素が組み合わさった結果、意外な奥深さと謎の中毒性を発揮して「あともう少し、ほんと少しだけプレイしよ……」と止め時がわからないまま数時間経過する、恐ろしい魅力を感じさせられました。
そのためか、デモ版におけるプレイ人口1万人越え(ピーク時)、早期アクセス開始までにウィッシュリスト50万人突破など、すでに結構な盛り上がりを見せた本作。この時点で少しでも興味を持たれた方はデモ版をまずプレイされると良いかもしれません。ともあれ早速紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
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本作はキーボード&マウスによる操作に対応。コントローラーでもプレイは可能ですが、マウスカーソルをスティック入力で動かしてどうにかする系の操作方法だったので、今回の執筆にあたり筆者はキーボード&マウスを選択しました。
全体的な設定項目はオーソドックスなものが並んでおり、言語は日本語にバッチリ対応しています。当たり前といえば当たり前ですが、特に表記等に問題はなく、快適にプレイできましたね。
本編開始
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さあ始まりました『バックパック・バトル』。タイトル画面は中世ファンタジー(?)めいた世界の様子が映され、その左下には可愛らしいキャラクターとステータスが表示されています。
とりあえず現世で悪さをした罰で異世界転生させられたスパくん……という設定で命名しましたが、スパくんがこんな美少女弓取りになれる訳あるかと心の叫びが同時に響き渡ります。何の話だ。
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早期アクセスの時点で選択できるキャラクターは4人。「クラス」によって外見および初期装備がそれぞれ異なる形で特徴づけられています。またクローゼットというアイコンから、各キャラの衣装をチェンジできます。
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この衣装チェンジはバトル報酬によって得られるトロフィーを通貨にしたアンロック式で、その価格はそこそこ高額であるため、ゲーム序盤ではなかなか手が出しづらいところです。そのため全身を着飾ったおしゃれさんがバトルの相手として現れると「戦闘狂が出たぞ!」と恐怖したり。
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またトップ画面からは、収録されたアイテムリストを確認することができます。アイテムはおおよそ4、5種類に大別されますが、性能や合成によってさらに分類されていくため、非常に多種多様なものが並びます。そしてその性能はもっと細かく効果やパラメータが設定されているので、ビルドの試行錯誤もまた楽しいですね。
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ランクモードの有無を選択してプレイ開始。前者はその名の通り、指定された回数を勝てば、トロフィーの報酬以外にランクアップ用のポイントが溜まっていきます。後者については、勝ちにこだわらずのんびりと本作のゲームシステムを味わって楽しむモードと言えましょう。
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こちらはバトル前の準備画面。ここではショップから各種アイテムを購入して、バックパックに詰め込む作業が主な内容になります。この詰め込む作業に伴う「整理整頓」こそが、本作のコアとなる魅力ですね。
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バックパックは、中央の鞄を基本に1、2、3、4マスといった小さな鞄(?)をツギハギして構成されています。鞄の向きおよび設置場所は自在に決められるので、装備やアイテムに合わせて適宜カタチを整えていくと良いでしょう。
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装備/アイテムも、それぞれ1、2、3、4マスといった具合にサイズが設定されています。5マス、6マス規模の装備なんてのもあり、しばしば形状も独特であるため、何も考えずに鞄に突っ込むと、隅っこの1マスだけ空白ができてしまう……なんてこともあります。
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また、装備とアイテムは「ダメージ」「スタミナ消費値」「命中率」「クールダウン」といった項目をベースに、それぞれ性能および効果が設定されています。攻撃力が高いからといって武器をいっぱい詰め込んでも、スタミナ消費が大きすぎて能力を発揮できないのです。
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それならばとスタミナ温存しようとすると、今度はいまいち相手への火力が弱い……などなど、ここらへんは上手い塩梅でパラメータが練られている部分だと思います。個人的に火力を求めるよりは、時間経過で上乗せされていくバフ効果を複数搭載した方が、最終的に競り勝てることが多かった印象です。
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また装備とアイテムの位置関係(装着の組み合わせ)によっては、バトル後に「合成」されて、より強力な装備に変化することがあります。合成されるか否かについては、バックパックに詰めた後に「光る直線」で結ばれるかどうかで判別できます。
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たまに、まったく予想もしてなかったアイテム同士が合成可能で驚かされることもありました。
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合成は、片方のアイテムがもう片方に吸収される形で行われます。例えば上のスクリーンショットですと、鎧と炎アイテムが光る直線で結ばれているのがわかります。
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バトル終了後、少し分かりづらいかもしれませんが、鎧の周囲にあった炎アイテムが吸収された結果、鞄内に数マスの空きが生まれました。ここらへんの仕組みに慣れてくると、それを見越した荷物整理も行えるようになってきたり、戦略に幅が広がります。
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改めて戦闘画面について触れていきましょう。バトル中に我々プレイヤーが操作することはほぼなく、基本的にはオートバトルで進行していきます。全体の戦闘速度については、画面上部の操作パネルで調整可能です。
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ここで面白いのは、相手のバックパックの中身が見られること。たまに見たこともないようなエフェクトを放つ強そうな武器があったりすると「どうやって合成したのだ……」とあれこれ考えさせられます。
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また相手のバックパックの方が明らかに充実しているのにも関わらず、こちらが僅差で勝ちをもぎとることもあるので、そういった際にログを確認しつつバトルの分析を行うのも楽しいですね。上図ではこちらが負けてしまっていますが……!
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バトルに勝利すると報酬としてトロフィーをひとつ受け取り、敗北するとトライ残数のハートをひとつ消費して次のバトルへ進みます。
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全体でバトルを10回勝ち抜くと選択肢が表示され、そのまま終了してランクアップ用のポイントをもらうか、そのまま続行することでサバイバルモードに突入し、さらなるランクアップを目指すか選択できます。
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リスクとリターンのバランスに基づいた選択肢ではあるものの、勝敗は対戦相手による影響が大きいので、どちらかと言えば運要素です。
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バックパックに荷物を詰めては性能を求めるこの楽しさ……これは本作ならではの、まさにオンリーワンなプレイバリューと言えましょう。その魅力に取りつかれた筆者は気づけばあっという間に5時間ほど遊んでしまい、このままではずっと時間が溶けていくと感じている次第です……!
タイトル:『バックパック・バトル』
対応機種:PC(Windows/ Linux)
記事におけるプレイ機種:Windows PC
発売日:2024年3月8日
著者プレイ時間:5時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:1,700円(2024年3月23日まで1,530円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
インベントリをぎゅうぎゅうに詰めて効果をかけあわせて火力を高めていくこの楽しさ……時間があっという間に溶けたスパよ!!