Serani Pojiサブスク解禁記念!セガの怪作『ROOMANIA #203』に念願の初挑戦【プレイレポート】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Serani Pojiサブスク解禁記念!セガの怪作『ROOMANIA #203』に念願の初挑戦【プレイレポート】

ミニマルな舞台だからこそ、細やかな日常の描写が光る作品でした。

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皆さんは、Serani Poji(セラニポージ)というアーティストをご存知でしょうか。

セラニポージは、かつてセガがリリースした『ROOMANIA #203(2000年発売)および『ニュールーマニア ポロリ青春(2003年発売)の中で、主人公のお気に入りとして登場する架空の音楽ユニットです。元セガのサウンドチームであるササキトモコ氏を中心に企画されています。最近はTikTokなどのSNSでバズっていたこともあり、知っている方も多いかもしれません。

筆者自身は昔友人にオススメされてセラニポージの楽曲にハマり、現在もお気に入りのアーティストのひとつとなっています。しかし、同時に少し後ろめたい気持ちも抱いていました。それは、セラニポージの楽曲は好きだけれど、『ルーマニア』シリーズを遊んだことがなかったためです。

いつかやりたいと思いつつ時は経ち、先日のこと。セラニポージのファーストアルバムである「manamoon(まなもぉん)」が各種音楽サブスクサービスにて解禁され、ついにセラニポージの全アルバムが配信コンプリートとなりました。これで人に勧めやすくなると件の友人とも喜んだのですが、同時に「そろそろ始めどきか」と思い『ROOMANIA #203(以下、ルーマニア)』を購入。ついにゲーム内でセラニポージを聞く日がやってきました。

『ルーマニア』って、すごく変なゲームかも

筆者のプレイした『ROOMANIA #203』はPS2版です。

『ルーマニア』は「男子大学生のワンルーム生活を眺めるゲーム」らしいと聞いてはいるものの、それ以上の情報はあまり仕入れておらず、具体的に何をするゲームなのかはあまり分かっていません。背表紙を見ると「ついでだから彼の人生も波乱に富んだドラマの連続にしてみますか?」と、さらっと恐ろしいことが書かれていますが、とにかく起動してみましょう。

ゲームを開始すると、突然「のぞきはクリックから。」という謎のメッセージと共に「明後日から学校かあ」と気だるげな大学生・ネジタイヘイが映し出されました。次にカレンダー画面が表示されたので、先ほどの文言の意味も分からぬまま日付を選択。ネジタイヘイの暮らす部屋が映し出され、「のぞき」が始まりました。

しかしいまいち操作が分からず、間違ってのぞきを終了してしまいました。すると「のぞきはクリックから。」が失敗扱いに。これはまず説明書を読まなければと、一度タイトル画面に戻って出直すことにしました。

そうして説明書を読み、ゲームをタイトル画面で放置していたら、いきなり麻雀を遊ぶ男たちの実写映像が流れ始めました。何事かと思いましたが、どうやらネジが観ていたテレビ番組だった様子。これが「このゲーム、かなり変かも」と最初に思った瞬間でした。

「のぞき」と「ガサ入れ」でネジの人生に影響を与えよう

説明書によると、プレイヤーはネジタイヘイの部屋を気に入って住み着いた「神様」のようです。新年が始まり、今年からネジの人生に介入してドラマを起こしてやろうと意気込んでいる様子。なんと勝手なんだ。

先ほど表示された「のぞきはクリックから。」というのは「ナビ」と呼ばれるシステムで、これの達成の成否がネジの人生に影響を与えるようです。このような短い文言と流れる映像から、この「ナビ」で行うべきことを推理して達成を目指す必要があります。「のぞきはクリックから。」は、部屋の中のオブジェクトを何度かクリックしていたら達成されました。

のぞき中にオブジェクトを「クリック」すると、ネジの欲求に影響を与えることができます。ネジの欲求は左下に「ボケーとする」のようにいくつか羅列されているのですが、オブジェクトをたくさんクリックすると、そのオブジェクトを使用する欲求の優先度が上がっていきます。試しにパソコンをクリックし続けると、しばらくしてネジがパソコンを操作し始めました。このようにしてネジの行動を制御して、人生に影響を与えていくゲームなのです。

平日の昼間は、だいたいの場合ネジは大学に行っています。ネジのいない時間帯に部屋に訪れると、のぞきではなく「ガサ入れ」というフェーズがはじまります。ガサ入れでは、部屋の中の家電の電源を勝手につけたり、オブジェクトを移動したりといったイタズラができるほか、ネジタイヘイの「ひみつ日記」をのぞくこともできます。

日記にはかなり事細かに出来事や感想が記録されており、ネジの感情の起伏がみてとれます。その内容は、日数経過やプレイヤーの起こしたいたずら、ナビの達成によって更新されていきます。時に危うさも感じられる彼の日記を見ると、幸せになってほしいと思わされます。

突然ですが、ここでクイズ。上のGIFにある「ぼくは見た 見てしまった。」のナビを達成するためには何をすればよいでしょうか?

正解は「ガサ入れであらかじめこたつを動かしておき、のぞきで帰宅を待つ」でした。ナビの映像は、なぜか大きく動いているこたつを見て驚く帰宅時のネジの姿だったのですね。このように、あらかじめガサ入れでイタズラをしておくことがナビの成否に関わってくることもあるようです。ネジはその後、驚きつつも元の位置にこたつを戻し、日常に戻りました。

そして、筆者の最大の目的であるセラニポージですどうすれば聞けるのか最初はよく分からなかったのですが、のぞき中にCDコンポをクリックし続けることでネジが曲を再生してくれました。

流してくれた曲は「僕のマシュ…」。「マシュマロを食べないと作業ができないプログラマー」について歌った不思議な歌詞の曲なのですが、流しているとネジが鼻歌を歌ったり「マシュマロって甘すぎるんだよな」と小言を言ったりと、いろいろリアクションをしてくれます。うーん、セラニファンの友達ができたみたい。日付が進むと、たまに「セラニ発売日」がやってくることがあり、発売日にのぞきを開始すると、ネジが新曲をCDコンポに入れて流しはじめます。

日常を高い解像度で描く、ワンルームが舞台だからこその細やかさ

ゲームを進めていると、突然大きく日付が飛び、カレンダーが9月に。ネジは演劇部へと入部し、劇の脚本を担当していました。学校で配っていたチラシや家にあった雑誌などを読んだことが、彼の人生に影響を及ぼしたようですね。

夜にのぞきをすると、ネジが部屋に女性を連れ込んで帰宅しました。なんと、ネジの彼女のようです。しかも容姿端麗で、演劇部のエースヒロインときました。やるじゃん!ネジ!

しかしその一方で、彼女のできない親友「タカハシ」にそれを打ち明けられないことに悩んでいる様子。「俺より先に彼女を作ったら、奪ってやるからな!」というタカハシの冗談も素直に受け取れず、親友に隠し事をしている後ろめたさがあるようです。

その上、ネジの学校の演劇部は恋愛禁止。さらには別の女性から入った留守電を彼女に聞かれ、浮気を疑われてしまいます。ネジの恋と友情は、いったいどうなってしまうのでしょうか。

このゲームの舞台は、ネジタイヘイの住むアパートの一室のみ。それ以外の場所が映ることはありません。部屋の外で起きたことは、キャラクターの様子やネジの日記から読み取ることができます。

このミニマルな設計ゆえ、物語には程よい“余白”があり、キャラクターたちの息遣いをリアルに感じられます。そして、どんなに辛いことがあっても、ネジは発売日には必ずセラニの新曲を聞くのです。

ネジの部屋の中にあるテレビやラジオは、実際に内容のあるものが流れます。先の展開が気になるテレビドラマが流れているなと思ったらネジがテレビを止めてしまうし、ラジオCMの「キャッシュローンは、金子ォ!」は頭から離れません。それに、まさか「僕のマシュ…」が実際にマシュマロのCMソングだったとは……。

ネジの部屋は日ごとに散らかったり、片付いたりします。演劇部に入部してからは演劇用の小道具が置かれたり、貼ってあるポスターもときおり変わったり、座布団なんかもいつの間にか買い替えているみたいです。

こういったひとつひとつの細やかな描写が、このゲームの体験を特別なものにしていると感じられます。セラニポージのためにはじめた『ROOMANIA #203』でしたが、ゲーム自体も自分にとって深く印象に残る作品になりました。続編の『ニュールーマニア ポロリ青春』には、筆者の一番好きなアルバム「ワンルームサバイバル」の楽曲が使われているようなので、こっちも絶対プレイしないと……。


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