本記事ではLeikir Studioがデベロッパーを、Goblinz Publishingおよび H2 Interactive Co., Ltd.がパブリッシャーを担い、2024年5月22日にSteamにてPC(Windows/ Mac)向けに早期アクセスとしてリリースした都市開発シム『シナジー(Synergy)』をご紹介します。
『シナジー(Synergy)』とは?
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本作は、過酷な環境で身を寄せ合う人々を導き、生活の基盤を整えながら技術・文化を極めていく都市開発シミュレーション。ストアページの表記では「街づくりゲーム」ですね。
特筆すべきは、細部に至るまで細かく描き込まれたイラストのようなグラフィックで、まさに圧巻。建築中の施設が土台から徐々に組み上がっていく様子を眺めているだけでも十分に楽しいものでした。
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また「技術研究」「文化研究」という2つの要素をゲームの核に置き、それらを発展させるべくさらに各要素が細部へ枝分かれしていくような設計を取りつつも、レベルデザイン(マップや資源といった全体的なパラメータ調整)の段階から程よい誘導がかけられているのもグッド。
もちろんその一方でランダム性の低さ(筆者が何度かロードしても同じ結果になるなど)、複数の研究が同時に行えず時間がかかるなどマイナス部分もありましたが、総じて、プレイヤーが「何をどうしたら良いのかさっぱりわからない」と躓かないよう配慮が行き届いた作りを感じました。ともあれ早速紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語について
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本作はキーボード&マウスで操作します。多岐にわたる項目をいじっていくため、一部にはキーボードショートカットが割り当てられていたり。一応、コントローラーを接続してプレイすることも可能ではありましたが、実際のところは「スティックでマウスカーソルを操作する」タイプ。その意味において、マウスによる操作は非常に快適でしたね。
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その他設定については、UIとビデオを中心にユーザビリティ溢れる調整項目が並びます。また言語についてもばっちり日本語に対応。ゲームプレイに支障は全くなく、また時折差し込まれるストーリー描写の翻訳についても、世界の雰囲気を引き立てる丁寧な仕事が為されていました。
本編開始
まずはチュートリアルのプレイがおすすめ
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さあ始まりました『シナジー(Synergy)』。タイトル画面からニューゲームに行くと、3つのモード選択画面に進みます。
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それぞれチュートリアル、通常キャンペーン、読んで字が如くのフリーモードといった具合で、さらに「クリエイティブモード(簡単)」「オリジナルモード(通常)」といった2つの難易度が用意されています。
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こういった都市開発・管理シム系に慣れた人であれば、最初からオリジナルモードのキャンペーンを選んでも問題ないでしょう。
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とはいえ筆者は一度に、片手の指よりも多いパラメータ数を管理しようとすると「なんだかいっぱいです」と頭がフリーズするので、素直にチュートリアルからはじめました。進行に合わせたタスク追加、それに伴う各種機能や対応などの説明がウィンドウ表示されるため、一通り遊ぶ頃には本作のイロハが自然と学習できるのがグッドポイントですね。
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基本的にはフリーモード以外、どの難易度でも進行に合わせてタスクが表示されるので、「何をどうしたら良いのかわからない」ということはなかったものの……どのアイコン・施設・表示が、何を意味してどう機能するのかという部分が、やや手探りな学習になるかもしれません。まずはチュートリアルで基本技能の習得を目指すと良いでしょう。
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ところで、本作のグラフィックは実によく作り込まれていると思います。採集するといった小さなアクションであっても、住民たちの動きは細かく描写されており、また住居などの建物を立てる時は、ゆっくりと土台から完成していくグラフィックも用意されています。それらを眺めているだけでも十分楽しいプレイフィールでした。
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コミュニティの「発展」がゲームの流れ
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さてさて本作における基本的なゲームの進行について触れていきましょう。「コミュニティの発展を目指す」という軸は一貫しているものの、周囲を取り巻くのは過酷な環境という世界設定なので、序盤はまず生活基盤を整えるところから始まります。
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とはいえ、難易度によるパラメータの違いはあるものの、開始時点である程度の初期資源が用意されているので、「明日が見えねえ」的な全滅まで秒読み状態ではないのがありがたいですね。
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なおマップの地形はランダム生成ではなく固定。何度かニューゲームを繰り返して試したのですが、同じロケーションと初期開始位置でした。そんなマップ上にちらばる様々なオブジェクトを選択(範囲指定も可能)して人を送ることで水、食料、建材になりうる素材の収集が可能になります。
ただし初見のオブジェクトは、実際にアクションを終えるまで「何が入手できるのか不明」なので、場合によってはうっかり刈り取ってしまったため次の芽が育たない……なんてこともあります。種籾じいさんも真っ青(北斗の拳)。そのため貯水池や保管庫、住居をいくつか建てて最低限の環境を整えたら、早急に「野外研究所」を建て、特に食糧事情に直結する植物について分析をかけると良いでしょう。
発展を支える2つの歯車、技術と文化の「研究」をしよう
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ゲーム内時間で40日ごとに周期(シーズン)が切り替わるため、乾季シーズンにおける気温対策なども行いつつ、次に目指す施設は「研究所」です。「技術ツリー」と「文化ツリー」に対応した2つの研究所が本作には登場し、ある程度生活の基盤が整理された以降は、この2つのツリーを伸ばして発展を目指すことが話の中心になります。
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この研究は、程よくお互いの技術・文化のレベルや保有アイテムがアンロック条件になっていることがあり、「ああ、文化の〇〇を研究するには、先に技術の☓☓に対応しないとまずいな」という優先順位付けが生まれます。いきなりドカンと選択肢が増えると「あれ?結局何をどうすれば良いんだっけ?」と迷いがちですが、その点において本作は、自然な誘導がなされていると思います。
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ただし、筆者がプレイした範囲では技術・文化の研究を同時に行うことができず、どちらか一方が完了しないと先に進めないというストレスがそこそこありました。研究者の人材不足などの理由があればまだわかりますが……ここらへんは今後のアップデートで同時進行が可能になると嬉しいですね。
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また別件ですが、住民がアサインされたタスクへの優先順位がたまにおかしくなり、優先設定をかけても、建築途中の住居を前に何もせずぼーっと突っ立っているという状況がしばしば発生しました。
これらは、タスクウィンドウから作業中断をかけてから、あらためて再開させると解消されますが……乾季の炎天下の中、家に入れず軒先でじりじりと焼かれていく住民を十数日眺めることになった時は心が痛みましたね……!
外の世界を「調査」しよう
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話を戻して……そんな発展を担う研究諸々ですが、どうしても狭いコミュニティではできることが限られていきます。そこでこれまた本作の肝となる、住人の何人かを別エリアへ派遣する機能「調査隊」の出番。
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この調査のおかげで、キャンペーンストーリーの進行に関わるイベントだけでなく、外部との交流で新しい住人が増えたり、古代技術(?)の名残からレアなアイテムを入手して研究に回すことができたりと、コミュニティ発展のための大きなメリットが得られます。
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ただしもちろん良いことばかりでなく、住人が怪我するなどの損害を被ることもあり、最悪の場合は行方不明になる事件が発生して「何の成果も得られませんでした」案件になることも。なお、筆者が何度かイベント直前のデータをロードして確認した限りにおいては、ランダムのようにみえても結果は固定のようでした。砂漠で行方不明になる2人を救うべく何度タイムリープしても世界線が収束して……!
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なお、本作では自分で世界の何もかもを構築して、色々実験することも可能な完全「ワールドエディター」も用意されています。
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こんな感じで土地のサイズを決めたら、地形や植生、建物などを自由に置いていけるのです。
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そして出来上がるスパくん大地。
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盛られるスパくん大地。
……ともあれ早期アクセスということで、一部に小さなストレスはあるものの、全体的に見れば既に高い完成度でまとまっています。未知の世界で明日を目指すサバイバルに興味のある読者の皆様におかれまして、ひとつこの地へ降り立ってみるのはいかがでしょうか。
タイトル:『シナジー(Synergy)』
対応機種:PC(Windows/ Mac)
記事におけるプレイ機種:Windows PC
発売日:2024年5月22日
著者プレイ時間:5時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:3,400円(2024年6月5日まで3,060円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと:
早期アクセスにもかかわらず手堅く纏まっていてコツコツ遊べるのが楽しいスパよ