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【Steam NEXTフェス特集】孤独な引きこもりを描くサイコホラー『BrokenLore: DON'T WATCH』―異界と化したアパート探索、圧倒的異形「ヒャクメ」の存在が怖すぎる

孤立した若き青年の身に起こる、恐怖の精神世界に没入します。

連載・特集 プレイレポート
【Steam NEXTフェス特集】孤独な引きこもりを描くサイコホラー『BrokenLore: DON'T WATCH』―異界と化したアパート探索、圧倒的異形「ヒャクメ」の存在が怖すぎる
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日本時間10月22日午前2時まで開催中の2024年10月度「Steam NEXTフェス」。期間中、多種多様な近日登場予定ゲームの体験版が無料で遊べるSteam恒例の祭典です。

本記事では、NEXTフェスの中でも筆者がとりわけ気になったゲームをご紹介。今回は、Serafini Productionsが手掛ける『BrokenLore: DON'T WATCH』デモ版のプレイレポートをお届けいたします。

期待のサイコホラー『BrokenLore: DON'T WATCH』とは

本作は、1人称視点を採用したサイコロジカルホラーアドベンチャー。プレイヤーは、東京のとあるアパートに閉じこもる孤独な青年「真司」として、彼の崩れゆく精神世界を探索し、常に付きまとう邪悪な存在「ヒャクメ」に立ち向かっていきます。果たして彼は真実を明らかにすることができるのか、それとも……。

『BrokenLore』シリーズは本作『DON'T WATCH』を含め、“SNSの闇”をテーマにした『BrokenLore: UNFOLLOW』や、日本の神秘的な村を舞台にした『BrokenLore: LOW』など一連のホラー作品として展開され、いずれも近日登場予定となっています。


日本語に対応し、コントローラー操作が可能

操作は、キーボード及びコントローラーの使用が可能です。基本的にはコントローラー操作を推奨ですが、オプションやスタート画面でカーソル移動が出来ないので、マウスと併用しなけれならないのがマイナスポイント。入力感度は低めにしないと3D酔いやすくなるので注意が必要です。

言語は日本語字幕/音声に対応。真司や登場キャラの演技は没入感高めで、セリフ表現については違和感なく翻訳精度はまあまあ良い、という感じでした。

その他のオプション設定は、グラフィックスやオーディオに関するもので特に変わったものはありません。ただし、PCにおけるゲームの最適化が甘いのか、カクつく場面があったのが気になりましたが、品質を落とせば問題なくプレイ可能です。

東京、アパート、引きこもり―崩壊してゆく日常世界

物語の舞台は東京にあるアパートの一室。主人公は若き青年「真司」で、何らかの理由がありこの部屋に引きこもっています。

部屋は薄暗く、散乱する雑誌やカップ麺、溜め込まれたゴミなど雑然としており、真司の過ごしている日常生活の状況がヒシヒシと伝わってきます。

スチール製の棚に積み込まれた漫画、畳に敷かれた簡素な寝床、無造作に置かれたリモコン…大都会の片隅に存在する狭いアパートの一室を、精緻かつリアルに描いており非常に没入感がありました。

突然パソコンに通知が入り、真司はやっていたゲームを中断します。受信トレイを覗いてみると、「淳子」からのメッセージが。彼女との関係性は詳しくは不明ですが、「シン君」「淳子」と呼び合っているのでどうやら親しい間柄のようです。

淳子によると、リハビリセンターの「ヒデちゃん」から奇妙な手紙を受け取ったとのこと。それは「自分の家に誰かが入ろうとしている」という不気味な内容で、そのことについて真司に相談したかったようです。

しかし、「変な冗談だろ」と淳子の申し出を一蹴し電話を断った真司。引きこもりの彼にとって、パソコン上でのやり取りが唯一の外界と繋がる手段…それすら拒絶する態度は、彼の深刻なまでの内向性と精神的な破綻を表しています。

彼の退廃した日常風景はそれだけではありません。ピザの配達員に、「置き配にしたんだけど、ちゃんと確認してくれよ」と悪態をついたり…

心配して連絡をよこした母親に対してお金を無心した挙げ句、貰えないと分かると「さげんな、クソババア!」と暴言を吐いたりと、友達とも肉親とも繋がりを断ち、経済的にも困窮し孤立していく様子が伺えます。

主人公・真司

そして母親からの電話に苛立った彼は、食事を止めひとまず寝ることにしますが……

圧倒的な異形「ヒャクメ」の存在から逃げろ

目を覚ますと部屋の様子がおかしい。しかも、なぜか淳子の声で「生き残る唯一の方法は、目を壊すことだって!」という言葉が聞こえてきます。

たしかに部屋にはさっきまで無かった、気味の悪い大きな「目」が無数にある!言われたとおり、包丁で一つずつ全部潰していきます。すると……

急に玄関が開き、その先には異界に変貌したアパートが。血糊がベッタリと付着し、臓物のような触手のようなモノが張り付いた壁や廊下、経年劣化し錆びたドアノブ…その姿は『SILENT HILL』の裏世界を思わせるような光景です。

とりあえず、この奇妙な世界から抜け出すため、恐る恐る進んでいくと…

行き止まりの通路の奥に、何かがいる。化け物は鋭利な歯と無数の目玉が身体中を覆ったグロテスクな巨体で、圧倒的な存在感です。

ヤバい。逃げなきゃ…!踵を返し走り出しますが、途中ある他の部屋はすべて入れず、攻撃も出来ないため、遂に追いつかれゲームオーバーに……。

異形の正体はいったい何なのか。そして、真司の運命はどうなるのか。この先の物語は、製品版を楽しみに待ちましょう。


本作の良かった点は、何と言っても「東京のアパートに暮らす若い引きこもり」をテーマにしていること。ありそうで無かったこの設定は、筆者を含めさまざまホラーゲーマーの興味を惹くと思います

また、精密なグラフィックで描かれる世界も圧倒的にリアルで素晴らしい出来。チープなジャンプスケア要素も少なく、精神的恐怖に重点を置いている所も好感を抱き、新たなホラーゲームの期待作だと感じました

ただし、異世界に変貌する場面転換の唐突さと、物語展開の稚拙さが残念でした。それに、デモ版とはいえ1周約10~20分程度のボリュームはさすがに少なすぎる。あまりの短さに呆れたのが本音です。

システム的にも、周辺環境へのインタラクトもあまり出来ない上、インベントリもなく、敵とのチェイスも単調だったりと、ゲーム機能が不十分な点も不満で、題材が良いだけに非常に惜しい作品でした。

『BrokenLore: DON'T WATCH』はPC(Steam)向けに、近日登場予定です。

《DOOMKID》

心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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