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2024年12月2日、ドイツのショルツ首相がウクライナを訪問し、ウクライナ大統領府の公式サイトにて当時の様子が写真付きで公開されました。その中にはショルツ首相が携帯ゲーミングPC「Steam Deck」らしきデバイスを握るものもあり、突拍子もない組み合わせに思えますが、その背景にはウクライナにおける同デバイスの運用方法が関係している可能性があります。
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過去にSteam Deckが軍事転用された例も―独首相ウクライナ訪問の一幕
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今回のショルツ首相訪問について、ウクライナ大統領府は同国のゼレンスキー大統領と会談したほか、戦没者への追悼や戦争で負傷した兵士との面会、そして国産およびウクライナ・ドイツ共同によるスマート無人システムの視察したニュースを記事という形で報道しました。
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報道に伴い、記事に掲載された以外の写真も複数まとめて公開されていますが、そのうち一つは排気口やType-C差込口の位置、スティックの色合いから“LCDディスプレイ版のSteam Deck”と推測されるデバイスをショルツ首相が握る様子を撮影したものです。この写真に注釈は無いものの、撮影されたスポットなどを確認する限り、スマート無人システム視察の際のものと思われます。
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報道によると、UAV・FPVドローン、地上ロボットシステム、ドローン群制御システムを含めた最新の自動ターゲット検知・交戦システムのサンプルに加え、コンピューター・ビジョン、自動照準、ホーミングシステムを備えた国産兵器の戦闘使用例を視察したとのこと。
ウクライナでのSteam Deck軍事転用について、ウクライナ関連の情報を扱うメディア「UNITED24 Media」は過去にSteam Deckを操作デバイスとする、ウクライナのエンジニア開発の遠隔タレット「ShaBlya」によるマシンガン試射動画を公開。この視察における本デバイスを握る場面は“国産兵器の戦闘使用例の一つ”として紹介された際のものかもしれません。