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近未来の地球を舞台に、荒れ狂う自然の中でパワードスーツを駆使して駆け巡る新作エクストラクションシューター『EXOBORNE』のクローズドベータテストが開催されました。
かつて『ディビジョン』を開発したスタッフたちが手掛けた本作は、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに2025年リリースが予定されています。
気候災害がもたらした人類の危機
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舞台となるのは、気候災害で社会が崩壊した近未来のアメリカ・コルトン郡です。かつて気候変動による災害で人類は危機に陥りましたが、リバース社がSTRATOSタワーと呼ばれる気候制御システムで気候を安定させると約束。最後の望みに生き残りをかけた人類は外骨格の“Exo-Rig”を装着した“EXOBORNE”となり、STRATOSタワー建造に従事します。
しかし、リバースの真の目的は自然の安定ではなく、Exo-Rigを着用するためにインプラントを埋め込まれた人類を洗脳して世界を支配することでした。
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悪事を突き止めた“タール”と洗脳から解き放たれたExo-Rigを纏う戦士“リボーン”たちが反乱を決起。追い詰められたリバース社はSTRATOSタワーをあえて暴走させ、自然がさらに荒れ狂い、リバースに操られた人類やロボットの脅威、生き残った人類同士でのリソースの奪い合い、世界はまさに地獄のような様相を呈しています。そんな崩壊したコルトン郡でプレイヤーは“EXOBORNE”として戦うことになります。
ゲームシステムの概要
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本作は基本的なエクストラクションシューターの形式を踏襲しています。プレイヤーは装備を整えて戦場に潜入し、ミッションをこなしながら物資を収集します。集めた装備を持って無事に脱出できれば獲得となりますが、死亡すると持ち込んだ装備を失ってしまいます。
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他のエクストラクションシューターと一線を画すのは、Exo-Rigによる機動性とダイナミックな気象システムです。
全てのExo-Rigは、高所への素早い移動を可能にするグラップリングフックと、空中での滑空を可能にするグライダーを備えています。また落下ダメージを受けない特性もあります。
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Exo-Rigには種類があり、バランス型の「コヨーテ」、重装備型の「コディアック」、近接特化型の「バイパー」、そしてホバリング能力を持つ「ケスト」の4種類です。これらはモジュールによるカスタマイズが可能で、Exo-Rigのレアリティが高いほどより多くのモジュールを装着できます。
フィールドとゲームプレイ
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本作には3種類のマップが用意されており、それぞれに難易度が設定されています。広大なフィールドでは自由な探索が可能で、通常時は他プレイヤーとの遭遇頻度は比較的低めという印象です。
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しかし、獲得した装備を持って脱出するために輸送ヘリを呼ぶと状況は一変します。ヘリの着陸地点は他プレイヤーにも通知され激戦区となります。また、物資がおいしかったりボス敵がいるなど、他プレイヤーと遭遇率が高いエリアも点在しています。
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気象システムも本作の特徴的な要素です。竜巻はプレイヤーを巻き込む強力な存在として機能し、これを利用したグライダー移動も可能です。 視界不良となる砂塵や屋根のないエリアにいるとダメージを受ける雷雨は危険をもたらします。
実際のプレイフィール
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Exo-Rigは重厚感のある動きを見せます。しかし、グラップリングフックとグライダーを組み合わせることで爽快な移動も可能です。基本的にはTPSですが、銃を構えると即座にFPSに切り替わります。状況にあわせて視点を切り替えることが重要です。
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気象システムとの相互作用も秀逸です。特に竜巻を利用したグライダー移動は爽快感があり、単なる脅威としてだけでなく、戦術的な要素として気象現象が機能している点は評価できます。 筆者が強力な敵がいるエリアで高台から攻撃していると、さらに上空からグライダーで飛んできた他プレイヤーに奇襲されて、あっけなく倒されてしまう場面もありました。
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その後イケメンな味方がまとめて返り討ちにして、蘇生をしてくれました。ソロでプレイも可能ですが、野良だろうとフレンドだろうとチームで動くことが肝心ですね。
開発状況と今後の展望
開発は約300人体制で進められており、コミュニティからのフィードバックを重視する姿勢が見られます。実際に、選考して行われたアルファテストではルーティングシステムの改修など、プレイヤーの声を反映した改善がすでに行われています。
ただし、現状ではいくつかの課題も見られます。グラフィックの完成度はまだ物足りず、気象イベントが近くで起きたときの音量バランスは過剰な印象です。UIにも改善の余地が残されています。
基本プレイ無料ではなく有料という選択はどうなるか?
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エクストラクションシューターというジャンルは現在、“Escape from Tarkov”が圧倒的な存在感を示しています。これまでも多くのフォロワータイトルが登場しましたが、ほとんどが撤退を余儀なくされてきました。
また、本作が有料ゲームとしてリリースされる点はさらに気になる要素です。パブリッシャーであるLevel Infiniteは以前にもエクストラクションシューター『Synced』をリリースしましたが、無料タイトルにも関わらずわずか1年でサービスを終了した過去があります。
はたして本作が用意している差別化要素が、長期的なプレイヤーの維持に繋がるかどうかは未知数です。
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『EXOBORNE』は、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに2025年のリリース予定です。