2025年2月19日、マイクロソフトは『Muse』と名付けられた世界と人間の行動モデル(World and Human Action Model, WHAM)を持つAIを発表しました。
新たなゲームAIでレトロゲームの復刻も可能になる!?
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このAIについては、2025年2月19日付でNature誌に詳細な論文が掲載されています。このAIは2020年に発売されたゲーム『Bleeding Edge』のプレイデータを基にし、無数の機械学習を行って、AIによるゲームのステージ・キャラクターといったビジュアルと、そのコントローラー入力とキャラクター動作を自動生成できるようになったという事です。
ゲーム制作者にはAIのさまざまなパラメーターを調整することができるユーザーインターフェースが用意され、簡単に生成されるゲームプレイ内容を調整することができます。
こういったAIの中でも『Muse』が画期的な点は、ゲーム内の物理特性や、プレイヤーのコントローラー操作に対するゲームの反応など、3Dゲームの世界を詳細に理解していることだとXbox Wireの記事では述べられています。同記事内では「まだ初期段階ではあるものの、私たちは『Muse』を使用して他のゲームのAIモデルを開発している」としており、「この研究が懐かしいゲームを復活させる可能性がある」とも述べています。
レトロゲームはハードの劣化などによってプレイできる環境が少なくなっていくものですが、『Muse』を使用してレトロゲームのゲーム内の詳細なモデルが生成できれば、その生成したモデルを基にあらゆるデバイス向けにゲームを最適化して復元することができます。Xbox Wireの記事では、「将来レトロゲームの保存方法や体験方法が根本的に変わり、より多くのプレイヤーがレトロゲームを利用できるようになると考えている」としています。
こうしたレトロゲームの復元だけでなく、『Muse』はゲームクリエイターにも恩恵をもたらすとしています。例えばゲーム内に新しいコンテンツを追加したいと考えたときに、AIのデータがあれば簡単にそのコンテンツのプレビューが制作できるとのことです。
満を持して発表されたマイクロソフトのAI『Muse』。このAIがこれからどんな可能性をもたらすのか、楽しみでなりません。