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『PAYDAY』シリーズの開発元として知られるStarbreeze Studiosは、同社の2024年度会計報告書にて年間約28億円の損失を計上したことを明かしました。
年間損失約28億円…『PAYDAY 3』の不振回復せず
報告書によると同社の2024年12月期における年間純売上高は1億8,590万スウェーデンクローナで(約26億円)前年の6億3,350万クローナ(約90億円)から大幅に減少。この売上減少とコストの増加を理由として1億9,910万クローナ(約28億円)の年間損失を計上しています。
同社を代表する銀行強盗FPS『PAYDAY』シリーズの最新作『PAYDAY 3』については、年間で8,290万クローナ(約12億円)の純売上高となりましたが、2023年9月の発売である同作は約67億円を売り上げた前年度12月の時点ですでに予想を大幅に下回る業績とされており、続く不振を回復できないまま今回の結果となってしまいました。なお、前作『PAYDAY 2』については今年度4,180万クローナ(約6億)の純利益を上げ、安定した需要を維持していると述べられています。
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1年半の改善知らしめるフリープレイに期待感
Starbreeze Studiosはこの結果を受け、2024年末の大規模アップデートや実施中のPSプラスによるフリープレイといった施策により『PAYDAY 3』はまだ成長可能であるとの見解を示しました。報告書では「1年半に渡り機能面でもコンテンツ面でも改善を施された現在の『PAYDAY 3』を何百万人もの人々に試してもらう素晴らしい機会となります。」とPSプラスでの配信への期待感を述べています。
また、『PUBG』や『Roblox』といった他のゲームプラットフォーム内でPaydayが体験できるようなコラボレーション企画による、「ブランド拡張」の取り組みにより若い世代のプレイヤーへも同作を周知するよう力を入れているとのことです。
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「D&D」関連作品の開発は順調。サードパーティパブリッシング事業にも注力
その他、「Project Baxter」と呼ばれる「ダンジョンズ&ドラゴンズ」関連作品が社内でのプレイテスト段階に入っており、「パートナーとの協議を行っており反応は好意的だ」と明かしたほか、スウェーデンの開発会社The Gangによる『Out of Sight』をポートフォリオに加えるなどサードパーティのパブリッシング事業にも注力すると今後の方針を示しました。
代表シリーズ最新作の不振が続き、大きな“ペイデイ”とはいかなかった同社の2024年度でしたが、暫定CEOのMats Juhl氏は「厳しい結果だが、多くの点で成功もあった。」と総括。「バランスの取れたリスクプロファイル、強力なキャッシュポジション、重要なマイルストーンに近づいているいくつかの進行中のプロジェクトにより、私たちは2025年を楽しみにしています。」と今年度への期待感を述べています。