
老舗MMORPG『RED STONE』が、2025年2月24日に正式サービス開始から20周年の大きな節目を迎えました。「最初にPCで遊んだゲーム」と懐かしむ声も多く聞かれるこの作品は、2004年12月のクローズドβテストを経て、2005年2月24日に正式サービスを開始しました。
本記事では、2025年3月8日に東京都内で開催された『RED STONE』20周年記念イベントの模様をお届けします。開発陣の挨拶や20年の歴史の振り返り、さらには2025年のアップデートロードマップの発表など、盛りだくさんの内容となった本イベントの熱気あふれる様子をレポートします。
L&K代表が20年を回顧……
イベントが開幕すると、20周年を振り返る映像が流された後、L&K Logic Koreaの代表である南澤元(ナム・テグォン)氏が登壇してスピーチを行いました。

南氏は20年という時間を、運営としてもユーザーとしても、ゲーム史としても長い時間だったと回顧。サービスが開始する21年前、日本のパブリッシャーが韓国を訪問し、サービス計画を話し合ったという思い出を語りました。
続けて、20年前はMMORPGがまだ珍しい存在であったことと、それから世界中で大きなブームを引き起こしたとも語りました。本作は世界中にユーザーがいますが、国によってユーザーのプレイ傾向が異なるそう。日本のユーザーは特にオリジナリティが強く、コンテンツを楽しみながら他ユーザーに対する配慮もしっかりしていて、優良なユーザーが多いと語りました。
本作を運営するにあたり、南氏が常に心がけていたのは「安定的な運営」。そのためには受動的ではなく、能動的に努力していくことを掲げており、2024年に自社運営へと移管したのもその一環であるといいます。
ユーザーへの深い感謝を述べてスピーチを終えると、会場全体で大きな乾杯が行われました。
ズバズバ切り込む!?赤裸々なQ&Aセッション

しばしの歓談のあと、本日参加したユーザーから集まった質問に開発メンバーが答えるQ&Aセッションが行われたのですが、その内容が非常に赤裸々。長年付き添ったユーザーだからこそ出る濃密な質問が行われましたので、抜粋して紹介します。
――この20年で特にやりがいを感じた瞬間はいつですか。
開発メンバー:サービス開始当初、プレイヤーの行動を監視していたのですが、その中で古都の隣でバフをかけてあげているウィザードがいたんです。「運営が用意したイベントかな?」と思い確認してみたのですが、なんとそれは善意で他の人を支援するプレイヤーだったのです。
MMORPGの醍醐味はプレイヤー同士のコミュニケーションですから、そういったならではの交流が生まれていたことに非常に感慨と感動を受けました。
――ゲーム序盤のハードルが高すぎると思います。レベリングもつらいです。
開発メンバー:申し訳ありません……! これについては改善しようと考えており、1,250レベルまでのレベリングのしやすさは昨年改善を実施しました。チュートリアルで道に迷わないようにしたり会話を増やす予定もあります。
私たちの方向性としては、難易度を下げるのではなく、成長の機会を増やす方針で調整していきたいと考えています。
――サービス・コミュニケーションの改善計画はありますか。
開発メンバー:不便や疑問をなるべく早く解決できるよう、見直し中です。公式情報も、正確なものを迅速にお届けできるよう体制を見直しています。また、長い間問題として認識しているマクロやRMT対策もすすめていきます。
――未実装コンテンツや累積した不具合は改善しますか。大型メンテ後の不具合祭りがつらいです。
開発メンバー:申し訳ありません。2025年は不具合の解消と、使用率の低いコンテンツの改善を行う比重を高めていく予定です。
ユーザー参加企画で大盛り上がり!

イベント後半では、ユーザーが参加するプログラムも行われました。最初に行われたのは、テーブルごとにチームを組んで行うクイズ企画。問題のレベルは高く、しっかりやっている人でないと答えられないものばかり。優勝チームは ファンイベントにふさわしい白熱を見せました。

次に行われたのは、選ばれたプレイヤーが20年の思い出を語るというもの。ベータテストをプレイしていた方、17年くらいやっている方、中学生からプレイしている方……と、ベテランと呼ぶにふさわしい方々が登壇し、熱い思い出を語りました。

イベント終盤では、ビンゴ大会も実施。これらのユーザー参加型企画ではカニや和牛、サービスポイントやアニバーサリーボックスなど豪華景品が振る舞われ、ユーザーたちは満足そうでした。
20年累積したコンテンツを現代的に!キーワードは「R.E.L.O.A.D.」

もちろん、今後のゲームに関する詳細も発表。本作は20年続いていることもあり、ところどころ古いところも見られますが、これを「R.E.L.O.開発メンバー:D.」というキーワードを基に、2025年内は改修を行っていくといいます。
Refinement:累積された不具合の解決と、ユーザーの要望を反映したコンテンツを提供する。
Equality:バランシングを実施。シーフ、ウィザード、アーチャー、戦士など、改善を要するキャラクターに手を加えていく。
Look:グラフィックの改善。フィールドとモンスターをリニューアル。ログイン画面や、低解像度向けに作られていたUIも見やすく改変する。
Overcoming:利便性の改善。ワンクリックアクションを使いやすくする。
Advance:改善と拡張。新たな「秘奥のコスチューム」をはじめとした新衣装や、1250-1500レベルプレイヤー向けの成長支援コンテンツ、2000レベル以上の最上位プレイヤー向けコンテンツの追加。
Develop:新規システムの追加。月更新のランキングシステムや、キャラ別に特定能力値を永久増加する強化システム「フェーズストーン」、超絶難易度の上位者向けコンテンツ「位相征服者」の追加。


20年続く老舗MMORPG作品なだけに、イベント会場は非常に濃密なファンたちが集う空間となっていました。またステージで盛り上がる前方に対して、会場後方ではフォトスポットや歴代グッズの展示が実施されていました。
20年の歴史と未来への展望が交錯した熱気あふれるイベント

今回のイベントは、長年のファンと開発陣が一堂に会し、ゲームの歴史を振り返るとともに、未来への展望を共有するものとなりました。
特に注目すべきは、「R.E.L.O.A.D.」というキーワードで示された今後の開発方針です。累積された不具合の解決、キャラクターバランスの調整、グラフィックの刷新、そして新規コンテンツの追加など、20年の歴史を持つゲームを現代的にアップデートしていく意欲的な計画が示されました。
イベントを通じて感じられたのは、開発陣とユーザーの強い絆です。長年のファンだからこそ可能な濃密な質疑応答や思い出を語るセッションなどは、本作がただのゲームを超えて、プレイヤーにとって大切な存在となっていることを示しています。
20周年を迎えた『RED STONE』は、これからも進化を続けながら、新旧のプレイヤーを魅了し続けることでしょう。本イベントは、その長い歴史と未来への期待が交錯する、まさに記念碑的な場となりました。