アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2019年6月27日にリリースされたロボットアクション『ハードコア・メカ』(Steam/PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ)を紹介します!


『スパロボ』の戦闘シーンを自分で操作できたら
『ハードコア・メカ』は、中国のRocketPunch Gamesが手がける作品。本作は2016年に『Code: HARDCORE』のタイトルで発表され、同年に開催されたKickstarterキャンペーンでは、目標金額の2倍以上の支援を達成しています。なお、2017年に現在の『ハードコア・メカ』へとタイトル変更を行っています。
同社CEOでゲームのディレクター兼プロデューサーを務めるLouiky Mu氏は、中学生時代に遊んだ『第2次スーパーロボット大戦』でシリーズにハマった経歴の持ち主。『ハードコア・メカ』は、同氏が夢で見ていた『スパロボ』の戦闘シーンを「自分で操作できるゲームができたら」という発想のもとで誕生しました。


物語の舞台は、作業や戦闘でロボット兵器が主力となった未来世界。ストーリーミッションでは、内戦終結から30年、復興を主導してきた「ネオ国際連合」と平和になりつつある世界を脅かす大きな陰謀に、歴戦の傭兵・タレサーと試作機「サンダーボルト」が仲間たちと立ち向かうストーリーが描かれます。
ゲームは2D横スクロールアクションで、射撃や格闘などの攻撃のほか、シールドやブーストといったアクションを使用してステージを攻略していきます。条件を満たせば、カットイン入りの必殺技も発動可能、まさしく開発が夢見た『スパロボ』の戦闘のようなシーンを堪能できます。

2020年には人気ロボットアニメ「天元突破グレンラガン」とのコラボも実現し、ゲーム内にて追加メカ「グレンラガン」「ラガン」、追加パイロット「シモン」が参戦(残念ながら現時点でDLCは配信終了しています)。また、2024年には本作のスピンオフ作品が中国にて発表されています。
発進せよ!スーパーロボット・コンゴウヒーローX!
ゲーム開始直後、物語は巨大怪獣によって街が襲われているシーンから始まります。破壊される街、逃げ惑う人々……人類の絶望的なピンチに登場したのは流星=ジンが乗り込むスーパーロボット・コンゴウヒーローX!救世主の登場だ!
まずはチュートリアルとして、移動や射撃、格闘攻撃などの基本を学びながら街を破壊している巨大怪獣・バルゾと戦うことに。最後にはコンゴウヒーローXの必殺技「エックスフレイムソード」が炸裂し見事に勝利!世界の平和は無事に護られました。





と、ここで画面が引いていき、世界は一転してテロリストによって虐殺されている人々のシーンへ。「コンゴウヒーローX」はテレビの中のヒーローだったわけですね。虐殺されていく人々に救いの手が、ましてやヒーローなど現れるわけもなく、首謀者の姿とともにタイトルバックが現れます。



本編の物語は、主人公・タレサーが所属している民間軍事企業「ハードコア・ディフェンス」を中心に展開していきます。導入部では、ネオ国際連合の直属軍から依頼を受け、タレサーと傭兵仲間のエドガーが行方不明の士官を探す任務のために火星植民地へと赴きます。
最初のミッションでは、武器の切り替えやアイテムの使用、回復ポイントなどのシステムを学んでいきます。「コンゴウヒーローX」のように無敵のロボではないので補給は大切です。ステージの最後でライバル・ヴォルフェスとの出会いを経て最初のミッションは終了。ここから、世界の存亡をかけた物語が展開していくのです。





多彩な武装を使いこなせ!
タレサーが騎乗する「サンダーボルト」は、基礎装備として銃とバルカン、シールドと近接攻撃を使用可能。また、ブースターによる高速移動やホバリング機能なども有しており、高速戦闘から中距離戦までこなせる万能機体です。さらに、倒した敵から奪った武器を使うことも可能です。
射撃は発射する方向を指定する必要があります。コントローラー操作だと射撃のエイムを移動と同じ左スティックで行うため、最初は少し慣れないかもしれません。地上では足を止めるエイムモードが使用できるので確実に狙っていきましょう。シールドを展開して敵の射撃をガードするのも重要です。




本作の基本的な流れは、ストーリーに沿ったミッションで敵を倒しながらステージを進めていく方式。ステージクリアで獲得できる報酬でサンダーボルトの兵装やモジュールなどを開発してカスタマイズすることも可能で、同じステージを繰り返す事もできます。
ミッション内はいくつかのステージに分かれていて、もし途中で破壊されてもチェックポイントからリスタート可能。ステージ内にはお金やアイテムが入った箱や、サイドミッションなども隠されているので、しっかりと探索を行うことも重要です。





戦闘では、敵テロリストの操るロボットも多数登場し、中にはシールド装備や重装、スナイパーなどの強敵も存在しています。貫通力の高い武器や放物線を描くグレネードなど、特殊武器を使い分けることで、戦闘を有利に展開しましょう。開発が進めば超強力な必殺技(カットイン付き)も使用できますよ!





最高に心地よい“お約束”
ゲーム内ではクール系のタレサー、お調子乗りの若手傭兵エドガー、厳格なプロ軍人アイラ、豪快なライバルのヴォルフェスと、個性豊かなキャラクター達が登場。本作はボイス付きなのでインターミッションや戦闘中でも、しっかりと物語を盛り上げてくれます。
『ハードコア・メカ』はロボットアニメやゲームの“お約束”をたっぷり楽しめます。世界を脅かすテロ組織の野望、ライバル機との決闘、さまざまなキャラクターとの出会い、別れ、そして主人公の決断など、あらゆる面で安心できるような「見たいもの」を素敵な演出込みで見せてくれるのです。





キャラクターはもちろん、登場メカも多くが“ひと目で特徴がわかる”のも本作の大きな魅力の部分。「コイツらどう見ても合体するだろ!」というロボットがちゃんと合体して。ステージ内でちょっとだけ登場するキャラクターにも妙にインパクトがありますよ。影山ヒロノブさんの主題歌も最高ですね!

そして本編クリア後は、さまざまな機体でウェーブ制の戦闘に挑む「サバイバルシミュレーション」が開放されます。最初は量産機からスタートして、お金を稼ぎながら強化や新機体入手を行っていくモードで、カスタムした量産機で戦ったり、エース機体で駆けたりと、自分だけの“愛機”を存分に操れます。



また、マルチプレイモードでは、オンライン/オフラインでの対戦を楽しめますが、流石にリリースから5年以上が経った今ではオンライン対戦はほぼ成立しませんでした。




『ハードコア・メカ』は、日本のロボットアニメ・ゲーム好きには絶対にオススメできる作品です。登場キャラクターやロボットの特徴、ストーリー、そして数々の演出と、どれもが心地よい“お約束”を味わえます。
ゲームとしてもスピード感あふれる戦闘やギミック、隠し要素の探索など、しっかりと作り込まれたステージでキャンペーンを楽しめます。武器やモジュールのカスタム要素もあり、格闘・射撃・防御など、ある程度個性を持たせることもできるのも嬉しいところです。



射撃のエイムや一部ステージのギミックなど、少し慣れが必要な部分もありますが、同じステージを繰り返し遊べるので、腕を上げて最高評価を目指す楽しみ方も。やりごたえ抜群の「サバイバルシミュレーション」もあるので、たっぷりとロボット操作を楽しめますよ!