2025年3月に「MLB東京シリーズbyグッゲンハイム」として、ロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスのメジャーリーグ開幕戦が開催されました。日本球団とのプレシーズンゲームもあわせ、大谷翔平選手をはじめとしたメジャーリーグのスター達が日本を舞台に試合してくれるのは嬉しいことです。
そんなドジャース対カブスの開幕戦が行われた2025年3月18日、ゲームの世界でもメジャーリーグが開幕を迎えています。ソニー・インタラクティブエンタテインメントの野球ゲームシリーズ最新作『MLB The Show 25』(英語版)が、PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けに発売されたのです。
多くの開発実績を持つサンディエゴスタジオが手がける本作は“野球ファンが作り上げた、野球ファンのための作品”です。リアルに作り込まれた選手やスタジアムで野球を楽しめるのはもちろん、1人の野球選手としてメジャーを目指したり、理想のチームを作り上げたりと、さまざまなモードが満載です。

本稿では、いよいよ開幕を迎えた『MLB The Show 25』(英語版)のレビューをお届けします。なお、ゲームプレイは株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントから提供されたPS5版を使用しています。
抜群の臨場感と没入感を遊びやすさが支える
『MLB The Show』はメジャーリーグベースボールからの公式ライセンスを受けた作品として、現役からレジェンドまで多数の野球選手が多数登場します。毎年どの選手がパッケージを飾るのかも注目され、今年はポール・スキーンズ、エリー・デラクルーズ、ガナー・ヘンダーソンという錚々たるメンバーが選ばれています。
ゲームとしてはその作り込まれたリアルな選手やスタジアムの雰囲気で、驚くべき臨場感を味わえます。選手の挙動だけでなくスタジアムに流れるBGMや歓声、時間とともに変化する天気や空など、プレイしていて目や耳で感じられるすべてが一体となって、最高の没入感になっているのです。



また、バッティングやピッチング操作の種類が豊富なのも大きな特徴です。ピッチングならば、投球ごとに模様をなぞる「ピンポイント」、なるべく正確にゲージを止める「メーター」、球種とコースを決めたあとに正しいタイミングを目指す「パルス」など、5つの投球スタイルが用意されています。
ゲームの難易度設定やオート設定も細かく、シリーズ初心者からベテランまで、最適なプレイスタイルで遊べます。ゲーム開始時に操作方法などをしっかりと実践しながら選べるので「野球ゲームって難しそう……」と思う人でも安心です。打撃ならタイミングに合わせてボタンを押すだけのスタイルもありますよ!



遊びやすくダイナミックなベースボールが遊べることは、選手たちのリアルな再現度を楽しむことへの相互補完的な関係にも繋がります。選手データも見やすいグラフで特徴がわかりやすく表示されているので、プレイしながらメジャーリーグを学ぶのにもぴったりです。





やりごたえ抜群すぎるモードたち!
ゲーム内では、1人の野球選手として歴史を作る「ロード・トゥ・ザ・ショー」、チームの重要な場面をプレイしてポストシーズンを目指す「マーチ・トゥ・オクトーバー」、GMとしてチームを運営する「フランチャイズ」、選手カードを集めて理想のチームを作る「ダイヤモンド・ダイナスティ」などのモードがあります。
今作では「ダイヤモンド・ダイナスティ」に新たなゲームとして、ローグライク要素のある「Diamond Quest」が追加されています。このゲームはターン制のストラテジーのように駒を動かして野球をプレイしながら、道中チャレンジやイベントをクリアして敵のスタジアムを攻略するというものです。


チャレンジは“1本ヒットを打つ”などで、クリアすれば報酬を獲得できます。さらに、規定のアウト数になるまでに投手を攻略するボスチャレンジという高難度イベントも発生。最後には3イニングのCPU対戦が待ち受けています。ランダム強化をいかに集めるかが重要で、一風変わった野球ゲームとしても楽しめます。


もちろん「ダイヤモンド・ダイナスティ」では、これまで通りの陣取りやミニシーズン、CPU対戦などのゲームもプレイできます。遊べば遊ぶほど野球選手カードを獲得できて、どんどんチームを強化できます。カードの量があまりに多いので、これだけでも永遠に遊べてしまう……!



「二刀流」などの伝説選手の歴史体験も
アメリカの野球の歴史を学べる「ストーリーライン」モードでは『MLB The Show 23』から引き続き、かつて存在していたアフリカ系アメリカ人を中心とした選手達が活躍した【ニグロリーグ】の歴史を体験できます。
このモードでは、歴史に名を残す名選手の活躍を体験してストーリーを読んでいくのですが、今シーズンでは「二刀流」の選手として、ブレット・ローガンを紹介しています。もちろん現代の二刀流選手を代表する選手として、大谷翔平が最初に紹介されています。




ストーリーラインは読み物としても興味深く、さまざまなシチュエーションでのチャレンジも楽しめます。クリアすることで、その選手の野球カードや装飾品を入手できるので「ダイヤモンド・ダイナスティ」でも使用できます。二刀流の選手がいると代打にも使えてシンプルにありがたいですね。
伝説の選手を体感できるモードは他にも「モーメント」があり、ベーブ・ルースでホームランを狙うといったチャレンジも。「モーメント」には色々なテーマに沿ったカテゴリーもあり、なんと「MLB東京シリーズbyグッゲンハイム」をモチーフにしたチャレンジもありました(流石に東京ドームではなかったですが)。





もちろん通常のCPUマッチやオンライン対戦などのモードも完備。対戦ではメジャーはもちろんAA、AAAのチームも使用できます。さらに、昔懐かしい操作体系で遊べる「レトロ」など、遊び心あふれるモードも楽しめますよ。


二刀流も可能なキャリアモード
「ロード・トゥ・ザ・ショー」は、本作のメインモードの1つ。プレイヤーが制作したキャラクターでメジャーの舞台を目指す“究極の野球ロールプレイング体験”が楽しめます。
前作『MLB The Show 24』では女性選手、過去作『MLB The Show 21』では二刀流が実装されるなど、これまで多くの新要素が追加されてきた本モード。今作からは、主人公が高校時代からキャリアをスタートする新しい展開が待ち受けています。



高校時代で主人公は注目選手として最後のリーグに出場。そこで結果を出すことで、大学やメジャーリーグのスカウトから注目を集めて進路を決めるのです。今回のプレイでは二刀流の選手を作り、高校リーグで活躍してドラフトコンバインに招待され、オークランド・アスレチックスの5位指名を受けました。
その後は二刀流選手として傘下のダブルAチーム「ミッドランド・ロックハウンズ」へと所属。そこそこ成績は残しているのですが、打撃と投球の両方の面で評価を受けるため、なかなかトリプルAにも昇格できていない現状です。大谷翔平ってやっぱりすごい。





活躍して獲得できるトークンで能力を上げたり、活躍でアンロックされるスキルを入手したりと、このモードではじっくりと時間をかけて、自分の望む野球選手を育成できます。難易度も調整できるので、購入したら是非ともプレイしてほしいモードです。






海外の老舗野球ゲームシリーズ最新作『MLB The Show 25』は、作り込まれた選手やスタジアムの雰囲気を堪能できる臨場感、多彩な遊び方が楽しめる豊富なモード、ユーザーごとに選べる操作や難易度オプションと、あらゆる面で遊びやすさとゲーム性のバランスが秀逸な、まさしく“野球ファンが作り上げた、野球ファンのための作品”です。
「ロード・トゥ・ザ・ショー」「フランチャイズ」「ダイヤモンド・ダイナスティ」などの各メインモードは、プレイヤーごとの“理想”を作り上げる楽しさに溢れています。チャレンジを達成するモードもやり応え抜群。遊べば遊ぶほどプレイヤーレベルが上がり、さまざまな報酬が獲得できるので、色々試しながらやれることが増えていくのも嬉しいところです。


自分でオリジナルのスタジアムを作るといったモードもあり、すべてのモードを紹介しきれないほど遊び方は用意されています。日本語がなく、一部の説明や「ロード・トゥ・ザ・ショー」の会話がわかりづらいことは本当に惜しい面ですが、用語などは調べれば最低限のプレイやチャレンジには困りません。現役選手から伝説まで、メジャーリーグの歴史や情報の勉強にもピッタリの作品です!
Game*Spark レビュー 『MLB The Show 25』 PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ 2025年3月18日リリース
定番野球シリーズ最新作!人気モードも更にパワーアップして登場
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GOOD
- 理想のチーム作りや“選手人生体験”など、どのモードもやりごたえたっぷり
- 作り込まれた選手やスタジアムの雰囲気、多彩な演出で臨場感と没入感が抜群
- 操作や難易度設定が細かく、多くの人が楽しめるように考えられている
BAD
- 日本語が入っていないことで、一部モードや説明がどうしてもわかりづらい。
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